栗コーダーカルテット ライヴ リポート


97年1月30日渋谷クラブクアトロ

by ムネカタ



−MUSICIANS−

栗コーダーカルテット:
栗原正己−Recorders(high),Mellophone and others
川口義之−Recorders(hi-mid),Percussions and others
近藤研二−Recorders(lo-mid),Guitar and others
関島岳郎−Recorders(low),Tuba and others

ゲスト:
鈴木博文、浜田理恵、駒沢裕城、知久寿焼、
さねよしいさ子、もりばやしみほ、COTU COTU



オープニング

この「虹のガリアルド」発売記念ライブ、実は僕にとっての栗Q初体験。入り口に飾られた岡村靖幸アニキからの花を横目に、早速アルバムを購入しました。
客層は、若い女の子が多い気が。曲目やゲストの紹介が載った、ユーモラスなパンフを読んで時間潰し。栗原さんの文体って面白いなぁ。芸ですよ、これ。

そして、ライブは定時の7時スタート。ニットキャップにサングラスの近藤さん、少年合唱団みたいな格好の栗原さん、熊とも互角に戦えそうな山男風のひげが立派な川口さん、ホストになったらたちまち人気No.1になりそうな関島さんが登場。
関島さんが吹く2メートルぐらいの笛(通称「大筒」らしい)にはビックリ。こんなのあるんだー。
最初は古楽っぽいかな?と思ったんですが、曲が進むごとに、森の中で動物達が踊り出しそうな曲、迷いこんだ中世の城の中で流れてきそうな曲、不条理を音にしたような曲…とにかくいろんなイメージが膨らんでいくんです。リコーダー中心で、曲によってブラスやギターが入るシンプルな編成による演奏を聴いているうちに、すっかり癒されていく気分に…。こうして、栗Qのみで6・7曲を演奏。

栗原さんの緊張丸出しのMCもオチャメで、いい感じ。緊張してても、会場を和ませちゃうんだから、人徳ですねぇ。


知久寿焼

さて、いよいよ豪華ゲスト陣を迎えての共演タイムに。まず1番手は、栗Q結成のきっかけを作った、たまの知久寿焼。最近ファッションがどんどん洗練されてますね、この人。
「僕が弾けたらいいなぁ、と思う楽器を弾ける人達がみんないるんで、とっても重宝してます」という賛辞(?)が。
1曲目は「ロシアのパン」。もともと不安定で不思議な雰囲気を持っていたこの曲が、栗Qのブラス入りで演奏された素晴らしさといったら…。本日の音盤化熱望曲その1!2曲目は「金魚鉢」。これもいい曲、僕は彼が作るメロディーが大好きなんです。


もりばやしみほ

2番手は、われらがしんりんちゃん。白い格好で、子供みたいでかわいいっ!
1曲目の「最高の前戯」は、途中までギターのみ、後半からリコーダーが入るアレンジ。
「私が知ってる中で、一番体育会系なんですよ。でも、あんだけ練習すれば普通はうまくなるのに、そうならないってのはすごい才能だと思うんで、大事にして下さい(笑)」って、いいの、そんなこと言ってー(笑)?
そして、オリジナルも栗Q入りだった「僕でありたい」を。
退場するしんりんちゃんに、「俺結構こたえたよー」と栗原さん(笑)
。 あと、しんりんちゃんは今日もイスに座って歌ったんですが…またパンツ見えそうでした(笑)。


COTU COTU

さて、次はセッティングに時間がかかるなー、暗転までして、と思ったら、いきなりチェンソーが火花吹きまくり!キュインキュイン言わせまくって登場したのが、チェロリスト3人組COTU COTU。みんな黒い衣装で恐い、恐い!マルコシアス・ヴァンプの佐藤さんは、ひげ伸ばしてたんですね。ホラーっぽい曲など、3曲を共演。

浜田理恵

4番目は、だりえさん。僕は、この人の声が大好きで、いつもメロメロになってしまうんです。栗原さんの大学の後輩だそうで、学生時代から続くとみられる、愉快な掛け合いも。そして、以前栗Qと演奏するために作ったという「電線」を。なんて甘くてつややかな、素敵な声。そこに栗Qの音色が溶け合う至福。そして、名曲「無造作に愛しなさい」。オリジナルのアレンジよりも、この日のアレンジの方が好き。
先日だりえさんの犬が交配したそうで、無事に子犬が生まれるといいですね。


リコーダーで集中力UP!?

さて、栗原さんが「皆さん、集中力は大丈夫ですかー? 集中力が落ちた時用の曲をやります。」と言って、栗Qが音楽を担当した人形アニメ「ジャム・ザ・ハウスネイル」のテーマを演奏。と言っても、この曲1小節ぐらいで、5秒ぐらいで終了。会場笑いの渦に。うまいねー、客のつかみが!

駒沢裕城

さて、いよいよ大物の登場。元「はちみつぱい」にして、日本スティール・ギター界(あるかは別として)の大御所、駒沢裕城が登場。なんかファッションがかわいい、いいオジさんのはずなのに。それにしても、この人のスティール・ギターの音って宇宙を感じちゃいます。特に2曲目(曲名失念)がとても美しかったです。この日の音盤化熱望曲、その2。

さねよしいさ子

で、ここからは駒沢さんは出っぱなし。そして6人目は、さねよしいさ子が登場。よく知らない人だったんですが、周囲の反応省みずにふわ〜んとしたしゃべり方&動きで、キャラ最高!
彼女は、ルネッサンス時代の曲と自身の「天使のほほえみ」を歌ったんですが、これがうまい!すごく声量もあって、聴きほれました。栗Qとも相性抜群。
実は、今日のゲストのうち、彼女とCOTU COTUだけはちゃんと聴いた事がなかったんですが、もう今日の「CD買っちゃおう」大賞決定!


鈴木博文

そしてゲストのトリが、個人的に敬愛してやまない鈴木博文氏。ギターを抱えて登場した博文さん、いいオヤジなのにホントかっこいいんだ。1曲目は、政風会(カーネーションの直枝政太郎とのユニット)の曲「夜警」。美しいこの曲のメロディーを、リコーダーが包む。
次の曲の前にMCで、「この曲を駒さんとやるのは初めてなんですよね。昔は一緒に大麻吸ってて…いい葉っぱ持ってくるんだ、駒さん(笑)。」僕は大爆笑だったけど、会場結構ひいてましたね^^;。(ステージ上はバカウケ。)ムーンライダーズって、20年ぐらい前はそういう集団だったんですよ(笑)。
その2曲目は、「大寒町」。あがた森魚が歌い、矢野顕子が歌い、博文さん自身やライダーズによって今も歌い続けられる名曲。栗Qによるブラス、ドラム、そして駒沢さんのスティール・ギターによって、この曲にかつてないほどの不思議な彩りが。これは、音盤化熱望曲その3!本当に素晴らしかったです。


エピローグ&アンコール

そして、再び栗Qのみで「海を渡る風」を演奏して、静謐なエピローグ。もちろん、会場はアンコールを求める拍手、そして栗Q再登場!それどころか、ゲストを含む全員が登場!さねよしさんがカズー、駒沢さん&知久さんがマンドリンに持ち替え、夢のセッションタイムとなったのでした。
アンコール3曲(!)のうち、1曲目「ロンドとサルタレッロ」ではしんりんちゃんがドラムを担当!いけるじゃん、わりかし、と思ってたら最後の最後で失敗(笑)。
2曲目は、ゲストが歌い、栗Q演奏の形でエスキモーの讃美歌を。3曲目「Annabelle Cocolos」では、近藤さんがドラム。楽しい音が次々繰り出されて、まるで今日のライブを象徴するかのような演奏でした。

こんな具合で、実に2時間半!しかし長さをまったく気にさせないんだから大成功でしょう。終演後、前で見ていた僕が振り向くと、会場は満員。やったねー、栗Q。

考えてみれば、いや、みなくても、縦笛4本で音楽やろうってのは、一聴すると冗談みたいな話ですよね。なにより、ぼくらを普段取り囲んでるロック的な様式美感覚から、地平線の向こうぐらいに離れてるし。でも、そんなマネでこんなに多くの人々を魅了できるのは、ジャンル不問で素直に音楽を楽しもう!っていう姿勢のたまものなんだよね、と実感。
そう気付いて、多くのゲストを交えての今日の本当に楽しい時間も、当然のものだったんだなぁ、と思ったのでした。

楽しい時間をサンキュー、栗Q!あ、韻踏んでますね。





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