ハイポジ ライヴ リポート


96年10月11日渋谷クラブクアトロ

by ムネカタ



−曲目表−

1.intro〜保存する方法
2.ナミダハ ボーリョク
3.だいすきであるが故の努力
4.脈があるのか?
<MC>
5.まだ みぬ 君
6.あと何日?
7.あきれるよ
8.ぼくらはひとり
9.嘲笑
<MC〜メンバー紹介>
10.ジュンスイムクノテクニシャン
11.ママになっちゃダメ
12.理想の♂
13.重力をなくして
14.台風のどまんなかで
15.身体と歌だけの関係
<アンコール1>
16.最高の前戯
17.かなしいことなんかじゃない
<アンコール2>
18.しあわせ


−MUSICIANS−

ハイポジ:
もりばやしみほ(ボーカル、ピアニカ)
近藤研二(ギター、サンプラー)

サポート:
菊地成孔(サンプラー、サックス)<from スパンク・ハッピー、ティポグラフィカ>
エマーソン北村(キーボード)<ex.じゃがたら>
松永孝義(ベース)<ex.ミュート・ビート>
太田恵資(ヴァイオリン、キーボード、片面太鼓)
岡部洋一(ドラム、パーカッション)




オープニング

若いんですよ、オーディエンスが。大学生&専門学校生率高し。会社帰りでスーツ姿の僕なんてもうオヤジ気分で、困っちゃいました。

で、開演時間を少しすぎた頃、まず菊地成孔が登場。サンプラーやCDJから「ハッピーバースデイ」や「タイムマシーン」なんかの言葉、何語かわからないラジオ放送、鳥の鳴き声みたいなのとかがカットアップで次々に繰り出され、次第に音圧が上昇。それが沸点に達した頃、近藤研二が登場、彼もサンプラーをいじりだします。それからサポートメンバーも現れ、1曲目「保存する方法」がアラビックな雰囲気の演奏でスタート。そしていよいよ、小柄な歌姫、愛しの俗物天使の御降臨です。
2曲め「ナミダハ ボーリョク」は、太田さんによるラップ入り。(でも全然聞こえなかったから単なるスキャットだったりするかも。)彼は3曲目「だいすきであるが故の努力」でもインチキ臭いコーラン/カッワーリーもどきを聴かせてくれました。4曲目「脈があるのか?」から9曲目「嘲笑」までは、もりばやしさんは椅子に座って歌い、じっくりと聴かせに入ります。


薬物無しでラリってね

4曲歌ったところでもりばやしさんのMC。「おんなじこと言ったり、呪文唱えたりして、私はハマるのが好きなんですけど、今日のメンバーは薬物無しでラリれる人たちばかりなんで(笑)、どうぞ堪能していってください!」

静謐な感動

ここから次のMCまでは、静かな曲が続きました。生で聴く「まだ みぬ 君」「あと何日?」「あきれるよ」といった楽曲たちから溢れるせつなさ、そして他者の存在を求めずにはいられない切迫した孤独感には、もう鳥肌寸前。特に「ぼくらはひとり」を歌うもりばやしさんの姿には、胸を締め付けられる思いに。また、個人的に大好きな(ビートたけし盤も買ってしまった)「嘲笑」が聴けたのも嬉しかったです。
声量とか音程の良さはもちろんだけれど、それ以上にもりばやしさんの「表現者としてのボーカリスト」としての素晴らしさを痛感しました。誤解を恐れずに言えば、彼女は矢野顕子に匹敵するボーカリスト=表現者ではないかと、中盤の曲を聴きながら考えもしました。


近藤さんに白痴の過去!?

そして再びMC、今度はメンバー紹介。元じゃがたら、元ミュート・ビートのメンバーをはじめとして強者揃い。雑食性が強いハイポジの音楽性の高さも、彼らのようなバックグラウンドの広いミュージシャンと触発し合うことによって発展してきたものなのでしょう。もちろんそんな優秀なミュージシャンを引き付けるのはハイポジに磁力にほかなりません。
このメンバー紹介の時に、近藤さんは無言でマイクに小さなおもちゃのようなものを近付け始めました。ピーガーキュルキュルと変な音が会場いっぱいに鳴り響き、あまりの怪しさに、もりばやしさんも「フォローしきれない〜(笑)」と悲鳴。近藤さんいわく、「これラジオなんですけど、さっきまで放送入ってたのに、今入んなくなっちゃった。」入ったからってどうなるわけじゃない気もするんですが(笑)。「研ちゃんは今でもあんまりしゃべんないけど、子供の頃も5歳ぐらいまで全然しゃべんなかったんですよ。白痴入ってるんです。」ともりばやしさん(うわぁ)。


驚愕の新曲

次の10曲目は新曲。「最近は、音楽とかいろんな意味でテクニシャンがいいなあって思うんですけど(ここで会場意味深な笑い)、でもオラオラー!ってゆーんじゃなくて、”いつも心は初体験”って感じの(また会場意味深な笑い)純粋な人がいいなぁっ思って作った歌です。」というわけでその名も「ジュンスイムクノテクニシャン」。どんな曲かと思って身構えて聴いてたんですけど、これが凄いのなんのって。ボーカルは少なめ、そして近藤さんが手にしたのはギターではなくサンプラー。ドラムが叩き出す人力ジャングルビートに、カットアップされたサンプリングの嵐、くわえてノイズ寸前のインプロビゼーションで、もはや轟音のカオス状態。まるでゴッドマウンテン・レーベルのバンドのようなモロにオルタナティヴなサウンド。さすがハイポジやってくれる、もう最高!でも、これシングルにするんだよね…どうするんだろう?
これ以降テンションは上がりまくり。11曲目「ママになっちゃダメ」はナイスに壊れまくった演奏、近藤さんのギターも爆裂!長髪を振り乱してソロを弾きまくり。もう、これでまた女性ファンを増やすんだからぁ。「重力をなくして」「台風のどまんなかで」とガンガンに盛り上がり、「身体と歌だけの関係」でライブはぶっとく終わりを迎えました。


2回(!!)のアンコール

もちろん拍手は鳴り止まず、アンコールへ。会場のクアトロが出しているフリーペーパーに、「最高の前進」と誤植されていて、「それじゃめちゃくちゃ前向きじゃん!」と笑ってから、ハイポジ&菊地さんで「最高の前戯」。 それから全員揃って「かなしいことなんかじゃない」を演奏、そして「今日はありがとう!」と去っていきました。 しかーし!それでも拍手は鳴り止まず(途中くじけそうになったけど)、遂にハイポジの2人が登場、会場はその日一番の歓声の渦に。「どーしよー、何も考えてないよー」と言いつつも、「しあわせ」をしっとりと聴かせてくれました。そのあとの歓声の大きさも言わずもがなです。 アンコールを2回も聴けて、どのお客さんもみな満足気で、幸せそうに会場をあとにしていました。

ちなみに、会場の入り口には高橋由美子からの花が飾られていました。…なぜ!?



以上10月11日渋谷クアトロライヴリポートでしたっ!(…こんなに長くなるとは。)





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