since 14/DEC/96
 
小心者の杖日記
 
ロゴデザイン BY ゴー
 
1231日 (thu)

 というわけで大晦日ですが、昨日で燃えつきた僕にとっては端数みたいなものです。仕方ないから年賀状でも作りますか、プリントゴッコで。でも同人誌を読んじゃって作業は進まず。仕事関係の人達にはもうコンビニで買ったハガキを送りましたよ、社会的信用を失わないように。

 それにしても年末年始っていう区切り自体がウザいですな。テレビは普段から浮かれてるのがウザいんで見ないんですが、正月は輪を掛けて躁状態。今年は紅白に広末も出ないしさ。でも何より、夜の町に人気が少なくなるのって寂しいんですよ。うるさ過ぎても静か過ぎても嫌なもんです。

 今年はいろんなことありましたよ。ええ、予想もしない事態が次々と起きるって感じで、喜怒哀楽が目まぐるしく展開しましたが、一介の社会人として僕は非常に幸運な部類だと改めて思います。僕に関わってくれた全ての人に(本当に全ての人に!)感謝。来年もヘラヘラ遊んでいたいです、っていうか遊びます。かかってこいや99年。

 さっき、FAXがデロデロ送られてきました。大晦日にカレカノのイラストを送りつけておいて、年賀状は面倒なんで送らないというのはどういう了見なんでしょうか。思わず電話で2時間も話してしまいました。これで年賀状作成は時間切れ、来年1月2日以降に頑張ります。

 ともあれ忙しいんで、今年はこの辺で。98年ラストだっていうのに、なんて締めでしょう。まぁ来年も気張らずに行きたいです。皆様もよいお年を。

 
1230日 (wed)

 今日もサークル入場、植田さんの「Re-Lax」で売り子業務に従事です。午前中の担当を仰せつかったんですが、始まると西館の扉がいくつか全開にされ、運悪く我々のスペースの真横と真後も開いちゃったんで、寒いと呟く唇も凍る状況に追い込まれました。嗚呼、昨日も今日もコミケでは厳寒領域に突入するハメに。風邪なのに。

 午後は植田さんが帰還したので、交代して僕が買い物へ。植田さん、頼んでおいた緒方剛志の本を買ってきてくれました。素晴らし方です。東館へ向かい、知り合いの皆さんに挨拶回りをしたら、後は当然ながら同人誌漁りに一直線。自分で目がギラついてくるのが分かります。今回は「lain」や「雪色のカルテ」方面もチェックしたんですが、いまいちソウルを熱くしてくれるものがなかったので、結局はいつも通りにエヴァに専念。言っときますけど、俺のエヴァ同人誌チェックは凄いですよ。正確に言うならアスカ同人誌ですが、とにかく自信があります。「アスカが自分の存在に悩んで苦しんでる」系ならそれだけで合格、もう絵が多少下手でも心意気を買いますね。「PEPPY ANGEL」にも「死神の盆踊り」にも並びました、後者の新刊には米倉けんごも参加してます。非大手サークルも、縦断爆撃のように1サークル残らずチェック。買ったのこそ10冊ちょいですが、濃いのを厳選です。オリジナルはコミティアで買うことにしてるし、エヴァ方面以外で買ったのは、緒方剛志と「樽の真相」ぐらいでした。

 そして謝辞。OGAIさん加賀美さん、キナさん、サイトウさん、ふにさん、本をありがとうございました。OGAIさんのサークルでは、トモミチさんユウタくんおおがたさんという濃いメンツが売り子をしていて、そこで紹介してもらったなかつがわさんにはフロッピーを頂きました。以前から絵を拝見していただけに感激。そして、本と一緒に「SEVENTEEN」付録の「祝合格ヒロスエ&はって楽し〜る!」を風邪見舞いに下さった河合さん、あなたは天使です。

 3時ぐらいで撤退するかぁ、とか仲間内で言ってたけど、いろいろ楽しくて4時の閉会までいちゃいました。終了後は7人で打ち上げ、車組と電車組に別れて有楽町へ移動したんですが、車組は会場の駐車場を出るまでが地獄だったとか。

 ともあれ皆さん、本当にお疲れ様でした。コミケで出会った全ての人々にラヴ!

 
1229日 (tue)

 午前6時15分の渋谷モアイ像前はまだ真っ暗。ライブの打ち上げから流れてきたとおぼしき若者たちがいるだけで、吹き付けて来る風は頬に突き刺さるようです。そして、車で僕を拾いに来るはずのJIMMYさんと植田さんは、待ち合わせの時間を20分過ぎても現われません。しかも僕は、昨夜は激しい咳のせいで一睡もできなかったという有り様。向かいのビルの電光掲示板に気温が表示されます。4度。「俺は運に見放されているらしい」と思ったところで逃げ場もありませんでした。「なんで俺はこんなにまでしてコミケへ行くんだ」という疑問が浮かんだからといって、それで我に返って帰宅できるような人間だったら、僕も真冬のそんな時間・そんな場所に立っていなかったでしょう。

 駐車場に到着したのは午前8時ごろ、そこからの人波に流されてサークル入場です。その時点では使い物にならなかった僕ですが、ほゆるちゃんとか知り合いに挨拶回りをしているうちにアッパーな精神状態に突入。それに勘付いたJIMMYさんと植田さんは、僕に怪訝な目を向けて牽制してきましたが、すぐに僕の意識は再び白濁。音楽・エヴァの本をそれぞれ2サークルずつ買ったら、後は特にやることも無し。椅子に座り、ダッフルコートのフードをかぶって眠っている僕の姿は、けっこう悲壮感が漂っていたのではないでしょうか。

 そんな僕の元へ遊びに来て下さった、 さにさん・志賀さん・まさゑさん、本当にありがとうございました。自分が睡眠不足でトチ狂ってなかったか不安ですが、まぁ十分に寝ていてもコミケでは平常心を保てないので勘弁して下さい。27日が誕生日だったこばこ嬢も来たんで、同人誌を1冊買ってやりました。嫌なプレゼント、という言葉は禁句です。

 夕方からJIMMYさんがホフディランを見に武道館へ行くというので、2時半には早めに撤退開始。僕も命拾いって感じで、帰りの車や電車の中では抜け殻と化して爆睡していました。しかしメインは明日。この1年のすべてのオタク魂を賭ける意気込みで向かう所存です。とか言って寝過ごしたりして。

 
1228日 (mon)

 コミケ血戦を目前に控え、今日も静養モードでお送りします。何が困るって、寝ようとすると咳がひどくなることで、昨夜は寝付けないこと実に1時間強。さすがに病院に行ってきましたよ。喉頭炎という診察で、治るまでにはちょっと時間が掛かりそうだとか。ガックリ。強めのヤクをくれるようリクエストするのが精一杯でした。

 そんな状態でも、コミケのカタログ・チェックは忘れません。でも29日は、興味のあるサークルは数えるほど。音楽系、減ってないですか? その分、30日は俺的に重要なサークルが集中していて、まわりきれるか不安なほどです。しかし闘いますよ、有明に死すとも。

 夜、JIMMYさんたちと渋谷で食事。「ムネカタくん、去年の冬コミの頃も風邪ひいてなかった?」とか言われつつ、明日のサークル入場券を受け取りました。

 
1227日 (sun)

 午前7時には、なぜか鹿島宇宙通信センターにいました。期待を裏切らない大きさのアンテナが2基、その向こうにもう1基。一緒になって真上を見上げてみる僕。

 咳がひどくて昼寝もままなりません。薬を飲んでいても不摂生続きだったんで、この冬休みこそ養生したいところですが、目の前には冬コミが。大はしゃぎしない程度に落ち着いてコミケを過ごすことが今回の目標です。

 クリスマスも過ぎたこの時期に、やっと年賀状を買ってきました。メールで出すぶんも増えるだろうからと、去年よりも少なめです。でも本当に大丈夫なのか。不安を抱えたままですが、どうせ書くのは大晦日なんで不安ごと先送りにしちゃいましょう。

 マンガ版の「彼氏彼女の事情」の心理描写には気恥ずかしさを感じることが多かったのですが、アニメ版だと不思議なほど平気です。もちろんアニメ版でも気恥ずかし部分はあるのですが。これは津田雅美の原作が劣っているというわけではなく、少女マンガ的な表現手法にいまひとつ慣れることができない僕の趣味の問題なのでしょう。今週の放送分では、写真の多用はいただけませんでしたが、「しばらくお待ちください」とか画面真っ白とかいったアイデアで作画枚数を減らしていたのは面白かったです。余談ですが、芝姫萌え〜の人が増えている気が。

 o u t d e x更新、また相互リンクのみです。年末ですからね。「チョコレェトビスケット ノ ナミダ」「BRL STUDIO」を追加しました。

 
1226日 (sat)

 大掃除して仕事納め、それから遠くへ。


 
1225日 (fri)

 宅配便で届いた青酸を飲んで、24歳の女性が自殺したとか。今朝の朝日新聞は、この事件に絡めて「自殺情報溢れる」と社会面でインターネットについて大きく報じ、「Digital 青少年少女自殺相談所」や「首吊りの家」といったページを名前を挙げて紹介していました。もちろん、公開している以上はホームページ側もこうした形で紹介されることを覚悟する必要もあるかもしれません。が、自分たちが非道徳的と考える情報を権威で押し潰そうとしているのではないかと、朝日の意図を勘ぐってしまったのも事実です。すぐに思い出したのは、朝日の関与が噂された、例の酒鬼薔薇顔写真をめぐるネット上の攻防でした。

 だいたい、「Digital 青少年少女自殺相談所」は「青少年自殺相談所」と名前を間違えられているし、無断リンクを断っている(その是非は別としてこの日記からはリンクしません)「首吊りの家」が紹介されています。しかもこの「首吊りの家」には複数の自殺方法についての評価があると書かれていますが、現時点ではそうした内容のコンテンツはありません。これって、「The Complete Manual of Suicide」と取り違えているのでは。NHKの午後7時のニュースで、「The Complete Manual of Suicide」が画面に映されたのには驚きましたが、「自殺について、真剣に話しあえる場所」もフジのニュースで取り上げられたとか。事件に関係しているかすら明確になっていないページを勝手に取り上げる姿勢に、しょせん素人相手だと見くびっているマスコミの奢りを感じ取るのは即断に過ぎないのでしょうか。

 しかしその一方で、マスコミによるネットについての否定的な報道を目にすると、過剰にネット側に肩入れしようとする自分自身にも気づきます。確かに、ネット上で自殺も可能な薬物が売買されているとしたら、それを買った側が他殺に使う可能性もあるわけで、そうした危険性は指摘されるべきでしょう。しかし、自殺関連の情報をホームページで流すことが自殺幇助に直結するのかという問題が顧みられてさえいなかったり、自殺というテーマを扱っているだけで他のページまで一概に語られてしまったりする現状を危惧してしまったのです。

 ひとりで勝手に疲れた気分になったんで、とりあえず桜玉吉の「幽玄漫玉日記」第1巻でも読むことにしました。そうかぁ、桜玉吉も鬱病だったんだ。でも彼のマンガは思い切り笑わせてくれました。

 
1224日 (thu)

 メリークリスマス!

 23日の午前6時に出勤し、昼からスポンジケーキを焼き始めて午前3時から生クリームを塗って徹夜で働いたために、「卵2500/砂糖1500/薄力粉1200/バター440/牛乳220」というグラム単位の配分を暗記してしまったケーキ職人の女の子に今日の日記を贈ります。また、今日は他の人の日記での出方が気になって、自縄自縛で身動きが取れなくなった挙げ句に自虐に走っている、親愛なる日記求道者たちにも。あるいは、今年最後の給料日を明日に控え、給与所得の源泉徴収やら所得税やらを気に掛けているプロレタリアート同胞にももちろん贈りましょう。ちなみにチョコレートケーキ用の黒スポンジ時の場合は、「卵2200/グラニュー糖1200/薄力粉360/強力粉400/ココア260/バター280」で、ピンチはデコレーションが追い付かなくなる夕方からだそうです。

 そして僕からのプレゼントは、o u t d e xの更新です! …なんですか、その苦虫を噛み潰したような顔は。それも濃緑とオレンジの斑模様に毛だらけで、黄色の体液を毛穴から流す芋虫を1時間以上咀嚼し続けたような顔は。とにかく、「ウガニクのホームページ」「OGAI'S(H)HOMEPAGE」「カフェモモコ」「chim chim cheree」「ペヤンゲ」「maltese gallerie」「WORLD 9-1」をリンクに追加しました。先日の忘年会での口約束をピュアな僕は信じて、一挙にリンク増量です。しかも、「カフェモモコ」と「WORLD 9-1」にはリンクページ自体が無いことも忘れて「相互リンクしましょう」などと調子こいて自爆した手前、お詫びに相互の予定が無くてもリンクを張ってみました。愛はいつだって無償であるべきです。心意気です。

 「o u t d e x」を更新したのは23日の夜だとか、この日記を書いてるのが25日午後5時前@会社だとか、あなたがこれを読むのが早くても26日だとか言い出すときりがありませんが、とにかく時間差で世界中にメリークリスマス!

 
1223日 (wed)

 風邪引いちゃいましたよ、ゲホッ、なんで僕がこんな目に、グガッ、思い当たるフシだらけです、ゴホッ、そもそも因果応報なんて信じるほど謙虚じゃないですがね、ウグッ。そんなわけで、今日は冬のネット日記の定番ネタ・風邪の話でもして、回線の向こうのあなたにうつしてやろうという寸法ですよ。

 昨日の午後から喉が痛み始めたんで、好きでもないノド飴なんか舐めて煙っぽいライヴハウスの中を乗り切っていたんですが、今日は鼻の奥の粘膜まで痛みだして、同時多発ゲリラを抱えた気分です。僕の引く風邪は、鼻の粘膜でテロが発生、次第に下降して喉へと部隊が移動する攻撃パターンが多いんですが、今回は両面攻撃。僕の抵抗力も落ちましたかね。

 しかも熱っぽいんで、こりゃいけないや薬を買ってこよう、祝日だったのは休んでられるし不幸中の幸いだよなんて思ったものの、祝日なんで銀行が開いてなくて、一気に不幸中の不幸へ墜落。まぁ金はなんとか間に合ったんで問題なかったんですが。そして駅前へヤクを入手しに向かうと、そこには薬屋が3軒あって、見比べているうちに更に体力消耗です。しかも風邪薬以外の余計な商品を見ている時間の方が長いのは、浪費家として培ってきた行動パターンゆえですが、自慢することじゃない上にますます自分を追い込みます。最後は値段も余り見ず、以前飲んだら効いたような気がしたという曖昧な理由で「ベンザブロックSP錠」を買ってきて摂取。朝食兼昼食から30分を優に過ぎてのことでした。

 でも、この外界と微妙にズレたような熱の感覚は捨て難いですな。ベンザブロックもケチケチせずに瓶ごと40錠を一気にガーッといくとか、あるいはエスタロンモカ錠を買ってきて一緒に20錠ぐらい飲むのも手でした。風邪どころか命まで吹っ飛びますけど。

 
1222日 (tue)

 渋谷クアトロで「BB★C Presents PINK Christmas Night!」。歌うはブレッド&バター、そしてそのバッキングをカーネーションが務めるというライヴだった。会場の前と後で、20代前後のカーネーション・ファンと40歳以上のブレバタ・ファンに客層がはっきり別れているという珍しい状況が見られたのもこのイベントならでは。

 前半はブレバタ中心で、スティールギターの尾崎孝を交え、クリスマスソングをなどを演奏。相変わらず歌はめちゃくちゃ上手い。この人達はクリスマスの時期になるとよくハワイに行くそうなんだけど、確かにそういう生活をしてないと生まれてこない音楽だよな。途中からベティーブーカ・フロム・ハワイや棚谷祐一もウクレレ片手に加わって、和気あいあいとしたステージ。言わなきゃ客には分かんないのに、来るはずだったテリー伊藤が来なかったとか教えてしまうのにも人の良さが出ていた。

 そして後半はブレバタ&カーネーション。単体だと都会的な洒落たポップスっていう感じのブレバタが、カーネーションの肉感的な演奏と一緒になるとガラッと雰囲気が変わってしまう。驚くべきは、そうした演奏と見事に拮抗するボーカルのエネルギーだ。こんなにタメ張るってのは、よほどの実力がないと無理だろう。共演で聴くと、共作曲も部分によっては完全にカーネーションだったりすることに気付いたりもして、この顔合わせの面白さをCD以上に満喫。

 
1221日 (mon)

 一橋文哉「闇に消えた怪人 グリコ・森永事件の真相」読了。恨まれることの多かった江崎グリコの歴史や裏取り引き疑惑、捜査線上に浮かび上がった人物たち、日本と韓国にまたがる闇コネクションなど、今となって初めて聞く話だらけ。面白いと言ったら不謹慎だと知りつつも、やはり言ってしまいたいです。今日は河上イチローの「サイバースペースからの挑戦状」も購入しましたが、「闇に消えた怪人」にもこの本にも登場しているのが宮崎学。「闇に消えた怪人」では、「最重要参考人・M氏」とされているわけです。

 不失者の「すでに用意されていた想い」を買おうとディスクユニオンへ行ったけどなくて、気になっていた浅川マキ「闇のなかに置き去りにして -BLACK に GOOD LUCK-」をレジヘ。長い黒髪にサングラス・黒のコートという黒づくめの女の、深い皺に挟まれた唇から流れ出すのは、全てを飲み込んだゆえの艶がある歌です。「いい感じだろう、なぁ」のセリフには思わず溜息、なんてカッコいいんでしょう。ジャズとかブルーズとかシャンソンとかいうよりも、まず浅川マキありきっていう歌の世界です。

 
1220日 (sun)

 昨日の忘年会では、自分が最高齢(推定)だという都合の悪いことを頭からシャットアウトして若者気分! で、今日はダウンしてました。お約束ですね。昨夜帰ってから午前4時ぐらいまで電話して寝たんですが、10時にはもう目が覚めてしまって、社畜ライフが我が身に浸透していることを実感です。ま、夕方から夜にかけても3時間以上眠りましたが。外に出たのは缶コーヒーを買いに出た時だけで、その距離ドアから10メートル足らず。ブツの入手と同時に即折り返し運転で倉庫に入りまーす。昨日のシャツからは煙草の匂い。洗えよ。

 昼、まだ着替えもしていない僕に電話が掛かって来ました。ダラダラ徘徊していたネットの回線を切って、言われるがままに安物のカーテンを開けた僕の顔には冬の陽射し。

 「外はいい天気だよ。今、海から風が吹いてくる場所にいるんだよ。」

 
1219日 (sat)

 それは今年5月5日のこと。昨夜から泊りに来ていたというlaさん(現ユタウくん)という若者を連れたゴーが、コミティアの会場へやって来たのがことの始まりでした。そのうちウガニクさんやトモミチさんと一緒に飲んでみたいねぇという話になり、そして翌月には異様な濃度を持った若者たちとの顔合わせが実現したわけです。この第1回は参加者6人。

 それから半年。忘年会ってことで3度目の集まりをやろうと各自が周囲に声を掛けてったら、集まりましたよ、総勢17人。なんかサブカルとかコジャレ系の一大集会っていう様相を呈して来て、こんな展開になるとはって感じで始まる前から戦々恐々。幹事すらも決めないまま始めたら、やっぱり気持ちいいぐらい行き当たりばったりのまま終わっていきました。若さとは無軌道なものですね。7時間以上、延々とダベっていた記憶しかありません。ええ、全員のページへリンクを張りますとも、リンク・フェチですから。

 まずは初対面の皆さんさんから。「僕、野宿好きなんですよ、朝とか寒くて」と語るO-TOさんは九州から参上。で、今夜は結局どうしたんでしょ? おおがたさんは、なんで男なのにこんなに可愛いんでしょうか、本当に男でしょうか。白いコートで現われた彼を見た渋沢さんの「広末みたい」という一言に僕も同意しかけましたが、広末ファンとしての意地があるゆえに「うぐっ」とか中途半端な返答しかできませんでした。以前から凄い人だなぁ〜と憧れていたカルメンさんは、鼻ピアスの装着を実演してくれました。感激です。きよさんには、「ページの『早く乾かないかなー 』ってイラストは広末ですか!?」と聞こうと思っていましたが、うっかり忘れてしまいました。でも平常心を維持できずに鼻息でフガフガ言いそうだったので、それで正解かも。渋沢さんは、「僕はパチモンですから」とか言ってましたが、あなたのチェックの細かさと分析眼の鋭さは本物ですよ。感服しました。カラオケに入るやいなや、バッグから小型パーッカッションを出したスタヘさんにも驚かされました。指で跳ねるように叩くのだと教えてくれた演奏のコツ、孫の代まで伝えます。トモコさんはラリって現われるんじゃないかとビクビクしてたんですが、とてもチャーミングな合法ガールでした。コミケおいでよ! 途中ゲーセンへ行ってDDRなるものをプレイして来た永田さんは、モミアゲの髪の乱れ具合がセクシー。ホントはモテるでしょ? ヤマグチさんは、浅野忠信を連想するようなワイルドな風貌で僕の度胆を抜いてくれました。ページからは想像できなかったんで、まんまと罠にハマった気分です。

 そしてすでに面識あった組。ウガニクさん由一さんは、 僕が椎名へきるのファンクラブに入っているだろうと詰問するのは勘弁して欲しかったです。僕が入っているのは、広末のファンクラブ「R H Friendle」だけなんですから。あ、今日帰ったきたらクリスマスカードが届いてたんですよ!(誰も聞いてない)。OGAIさんには、今回も顔を触られました。僕もクセになってきたんで、冬コミでも素肌のケアには気を付けときますね。ゴーは、酔った挙げ句にウガニクさんに怒り出す始末。でも僕とブツの実弾交換をしてくれたんでOKよ! ビールをあおって撃沈、中途で戦線離脱をしたのはさにさん。昨夜O-TOさんを泊めたら、O-TOさんだけ爆睡して、自分は4時まで眠れなかったという話が泣けました。トモミチさんは、一度でも話してみれば判るけどホントに頭の回転の早い人です。エロ話への展開も早い早い。そんで今回も個性を遺憾無く発揮していたユウタくんは、皿山盛りのヤキソバを箸を投げながら食ってました。説教しながら説教されてました。

 カラオケでは2組に別れたんですが、うちの部屋はアニソンを3曲唄っただけで、あとはずっとダベっていたのが、この集まりの性格が出ているような気がして素敵でした。次もあるといいなぁと他力本願で思っとります。

 
1218日 (fri)

 笙野頼子「東京妖怪浮遊」、一橋文哉「闇に消えた怪人−グリコ・森永事件の真相」購入。「東京妖怪浮遊」はたぶん今年最後に読む小説。「闇に消えた怪人」は、宮崎学の「突破者」の文庫版を読んでるうちに興味が湧いたんで買ってきました。この本、結構探しましたよ。あと、久し振りに「DICTIONARY」ももらってきました。いつのまにか判形が変わ ってたけど中身はそのまんま、でもこの御時勢に相変わらずタダってのはそれだけで偉いですな。

 音楽には「箱庭ポップス」という定義があって、一度そこに押し込まれてしまうとなかなか正当な評価を受けられなかったりするんですが、SPOOKEY RUBENもそのひとりかも。「どおしよっかなぁ」という邦題が付けられた彼の新作「What's a boy to do?」は、ゲストも迎えて前作「Modes of Transportation - Vol.1」より肉体的。まぁ宅録派がだんだん生音を増やすってのもお約束みたいなもんですが、僕はこういうの大好きです。

 「彼氏彼女の事情」には動く回と動かない回とがあることは、皆さん周知の事実だと思います。今週は後者。あらすじの長ーい説明、写真を使った背景、UNOの実況とかいろいろありましたが、原作より話に厚みを持たせようとしていた脚本は良かったのではないかと思います。禁句とは知りつつ、「第弐拾六話みたい」と言ってしまいそうでしたが。しかしそんなことより、山本麻里安の前髪が、篠原ともえばりに切り揃えられた事実の方が重要ですよ! 俺にとってだけ!

 
1217日 (thu)

 園山二美の初単行本「蠢動」を初めて読み通した時には、かなり奇妙な印象が残った。表現衝動が噴き出すような作品もあれば、方法論が優先されているような作品もあるし、普通のラヴコメみたいな作品もある。ヴァリエーションが多くて落ち着かないぐらいだ。そして、作品によって表情をコロコロ変えながらも、時として異様な突出をみせる。

 冒頭の「狂人遺書」は、死のうとしているはずなのに余計なことばかりして結局死ねないマンガ家が主人公。これでもかというほど感情吐露を読者に向けて投げつける。恥ずかしいことを百も承知でありながら、それでもこんなマンガを描こうとするなら、それは自傷行為のようなもの。けれど、そうした激情を表現しながら、読者に話し掛けたり、「今まで面倒やから背景手ぇ抜いてた」と言って突然背景を増やしたりするなど、マンガの文法の枠組みをいじってみせるメタな手法も取り入れてる。衝動に筆を任せているようで、ラストは妙に静かに終わるなど、演出も計算されている。絵も非常に上手い。

 また、複数のキャラの視点が交錯して最終的に一つの対象へ収束する「一人の夜」と、妙なタイトルの種明かしを最後にする「信長」は構成が巧みだ。けっこうトリッキー。かと思うと、パンツまみれの「サルマタケ」のような変な話や、「狂人遺書」より後に描かれたとは思えないほのぼのコメディー「コンビニキング」もあったりする。後者なんて星里もちるみたいだ。

 「狂人遺書」が現在の苦悩の吐露なら、「宇宙のはじまり」は過去の自分を見据えた作品かもしれない。ズル休みが高じて、大きな理由も無いまま中学校に通わなくなってしまった14歳の少女「ふたみ」は、過去の作者自身だろうか。語るべき物語が自分には無いと感じる彼女は、特別な子になりたかったと考える。自分をひとかどの人間だと思いたい、自分だけの価値を探したい、他人との差異を見出したい。それは誰にでもある思春期的な(そして思春期だけで終わるとは限らない)自意識だ。痛い性質のものだれど、これを厭味なく描いている。日常に潜む疎外感や穏やかな孤独の中で、「蠢動」という言葉の意味へとつながっていく展開は、派手こそ無いが読ませる。そして感動的だ。

 
1216日 (wed)

 南青山MANDALAというライヴハウスは、入場にあたって整理番号を非常に重視するタイプで、その点ではとても良心的だと言えます。ただ、いかんせん丁寧すぎる作業が裏目に出る面もあり、最後の方の人々は入場開始から30分も北風の中で並ばされた挙げ句に結局立ち見で泣かされる、という事態もしばしば起こるわけです。で、今日の僕はまんまとそのパターン。ここでのライヴのチケットを次に買う時は発売当日に買おうと肝に銘じながら、「ここはオールスタンディングの渋谷クアトロだ、だから辛くなんてないんだ!」と自分に言い聞かせていました。ロンリー自己催眠。疲れてたんです。

 久しぶりにワンマンを見ることになった栗コーダーカルテット は、「栗コーダーのクリスマス」発売一周年記念クリスマスライブ。「発売一周年記念」と銘打つ辺りのねじれ具合が彼ららしいですが、とにかくも有名無名のクリスマス関係の楽曲が演奏されるクリスマス・ライヴでした。演奏されるのがスタンダードナンバーであってもどこか栗Qらしさがあるのは、ある種の猥雑さがあるからじゃないかと感じます。彼らに猥雑なんて言葉は似合わないのは確かですが、言い換えれば楽曲が本来持っていた陰の要素を減菌することなく解釈して演奏しているのではないかと思うのです。「リトルドラマーボーイ」では土俗の臭いまで漂わせながら、雪をも溶かす大熱演。スタンダード=退屈、という図式を飄々と覆してしまうのも栗Qの凄さです。

 ゲストはペダル・スティール・ギターの駒沢裕城とさねよしいさ子。「泣くなよスノーマン」でのスティール・ギターの使い方はとても美く、さねよしいさ子の「天使のほほえみ」は先頃出たシングル盤よりも栗Qヴァージョンの方がしっくりきました。そして彼女は、身体が歌とか音とかで出来ているとしか考えられないほどの歌いっぷり。一見穏やかにして猛者揃いのライヴでした。

 
1215日 (tue)

 濱田理恵さんが「ダリエ」に改名、そして実に9年振りのアルバムも「Darie」というタイトルで発表されました。西村哲也・武川雅寛・夏秋冬春・矢口博康・大田譲ら、6月2日の渋谷クラブクアトロでバッキングを務めたミュージシャンが中心になって共演していますが、アルバムはライヴでの生演奏とは大きく異なる趣きです。そんな当然のことにも驚いてしまったのは、最近の彼女はずっとライヴだけのアーティストだったから。以前栗コーダーカルテットとのステージのために書き下ろされた「電線」は、アルバムでも栗Qが参加していて元のイメージに近いですが、これまでピアノの弾き語りで披露されてきた「微熱」「SECOND CRY」は、リズムの打ち込みなども含め、だいぶ印象が違っています。息詰まるような瞬間が充満していたライヴでの演奏に比べ、全体的にややリラックスしたムード。でも、あくまで「比較的」ということです。気を抜くと、ガツンとやられるので御注意を。

 「Darie」はいくつかのものを消し去り、いくつかのものを露にします。ここに収められた歌たちは、ただひたすら愛を唄うための歌であり、安易なイメージの束縛を拒絶します。存在するのは、マーケティングを前提としない音楽だけが持つ純度。歌の中には、歌い手や聞き手の年齢も関係なくなってしまうような、少女のような感覚と毒が同居しています。一方で、決して難しい言葉や言い回しは使っていないのに、歌詞のイメージは非常に豊かです。「そんな女に私はなりたい」「サメの憂鬱」などではユーモアを漂わせますが、「小指の約束」にはある種の恐怖を感じさせるものさえあります。呼び起こされるのは、日常では無意識に封印している負の感覚。そんな一面に気付いても、甘い歌声と、絡まるように耳に残るメロディーのために聴き返さずにいられない。なんか自分がマゾにでもなったかのようです。

 ややこもったような音は、もちろん湾岸スタジオから。鈴木博文さんもベースを弾いています。それは、体温のこもったリアルな生活の音でもあるのでしょう。

 
1214日 (mon)

 午前11時、銀座三愛前で北関東工作員Rと接触。師走の銀座にはカンカン娘が溢れているかと思いきや、行き交う人々の年齢層が明らかに高いシルヴァー・タウンでした。日頃歩く渋谷とはベクトルが大きく異なる、高齢化社会の到来を予感させるに充分な光景。真面目に働いたところで、僕らが老いる時に年金制度は維持されているのでしょうか。無理だろうなぁ。「銀座カンカン娘」なんて古いネタが出てしまうのも、高峰秀子と服部良一の幻影を見ながらそんなことを考えてしまったからです。銀座といえば、オザケンが赤いダッフルコートで「仔猫ちゃ〜ん」と言いながら歩いているイメージがあるのですが、なんでそう思うのか根拠が自分でも分かりません。高級なイメージがあるからかもしれませんが、まぁ確かに物価は高かった気がすると私の財布も申しております。心なしか痩せた面持ちで。


 
1213日 (sun)

 僕の作るページを見れば納得してもらえると思うんですが、僕はリンクを張るのが大好きです。リンクこそはネットの醍醐味。地下水道は自分で見ても狂ってますし、o u t d e xも相互リンクマニアの領域に入ってます。肥大しちゃいましたね、いつのまにかって感じで。

 そんな僕にうってつけなLinkSonarというソフトを知りました。起動させてリンクを含むローカルファイルを指定すると、オンライン上でリンク先が消滅していないかチェックしてくれるのですから、ついつい「a href=」タグを腐るほど打ち込んでしまうリンク・フェチにはたまりません。しかもリンク先の最終更新日も表示されるし、結果をHTML形式で保存できるという点も気が利いてます。

 さっそく「o u t d e x」の相互リンクで試したところ、3ヶ所切れているのが発覚。2ヶ所は移転先に直し、1ヶ所は鋭意捜索中です。(15日追記:作者の方からのメールで、近日中に復活予定と判明しました。)そして「地下水道」も怖々とチェックしてみたのですが…。まぁ、泣きたくなるほどの数のページが消えていたとだけ言っておきます。年内の更新を予定しているのですが、新規の追加だけじゃなくて、移転先の捜索もしなければならなくなってしまうとは。世の中には知らない方がいいこともあるんだね…なんて、妻の浮気を知った中年男のように冬空を見上げてつぶやきたい気分です。

 そんな地下水道、30万アクセスを超えちまいました。うひゃぁ。

 その一方でo u t d e xも地味に更新。9・10月に聴いたCDのレヴューを22枚分と、ハイポジ・鈴木博文・かしぶち哲郎のライヴリポートを「MUSIC」に追加しました。当然ながら相互リンクにも新たなページを追加、「Animal Kingdom」で熊ちゃんShock Waveの可愛らしさに悶絶して下さい。

 
1212日 (sat)

 今日聴いた「ATOM KIDS Tribute to The King"O.T."」は、手塚治虫の生誕70周年に発売されたトリビュート・アルバム。アニメ主題歌などのカバーと書き下ろしから成る全17曲入りで、参加アーティストはそれ以上にのぼるんだけど、レベル的にはそれなりに安定していて楽しめました。この手のアルバムでいつも感じるのは、対象への遠慮無しに各自の音楽的なエゴが噴き出してるような曲の方が面白いってことです。もちろんトリビュートの相手への敬意も必須なんですが。

 想像もしなかったCOSA NOSTRAと忌野清志郎との共演「少年マルス」は、ソウルフルで意外な相性の良さをみせます。もろラウンジで薬物摂取による多幸感を漂わせるのは、野宮真貴+DIMITRI FROM PARISの「わたしはメルモ」。高木完の「スペースジャイアンツのテーマ」は、ゴリゴリと攻めて男気充満。この曲にはYOU THE ROCKとシャカゾンビのツッチーも参加してます。CIBO MATTOの「ふしぎなメルモ」は無表情っぽくてすごく妙だけど、容赦なく自分たちの世界に引きずり込むのはさすが。この中では最年長?の細野晴臣はさすが目の付け所が違っていて、その名も「Omukae de gons」。こういうユーモアに富んだ彼の曲って、久し振りに聞いた気がします。ボアダムスの「ジャングル大帝」は思いの外まとも…と言っても、このアルバムの中では異世界を形成してますが。彼らの視線はジャングルどころか宇宙を向いてます。トリの佐野元春は、かつての「ELECTORIC GARDEN」を思い起こさせるポエム・リーディング。最後の一節がかなり素晴らしくて、下りてくる幕は涙色。心憎いですな。

 
1211日 (fri)

 町田康の文章ってスルスル読めてしまうんだけど、これだけ滑らかに言葉が流れ込んでくるってには尋常じゃない。だいたい、1ページ以上も全く句点がなかったりするのに、独特の言葉使いが生むリズムは途切れることが無いんだから。巧すぎて、その技術に気がつきにくいほどだ。

 今日読了した「屈辱ポンチ」に収められた2作は、行きあたりばったりのだらけた主人公が、なんだか胡散臭い人間からのオファーに乗っかったがために、正気とは思えない素敵な人々とのハートウォーミングな出会いに導かれて、どんどん妙な状況に追い込まれていく展開が共通してる。

 表題作では友人から復讐を請け負い、「けものがれ、俺らの猿と」では映画脚本執筆のため取材をする、はずなのだが。困った人間がひとりでは済まずに束でかかってきて、そして織り成す因果の糸。主人公は無益に理屈をこねくりまわすが、結局は周囲に流されるだけ。人の馬鹿さや情けなさを、高みから見下ろすことなく描き出す。脱いだままのくたびれた靴下のようなダメ感は、みすぼらしくも何かを語るところがあるけれど、それを声高にいうこともない。実は控えめな語り口だ。

 ところで「彼氏彼女の事情」。いやー面白かった、原作を解釈する過程であそこまで極端にメリハリをつけるとは素晴らしい。冴えてたよ、「友情!」とかね。2ヶ所ぐらいクニャクニャと変な動きをしていたのも、ツボに入って笑えた。よく見ると、動いたり止まったりがけっこう激しいんだけど、その中でよく健闘してるよなぁ。

 
1210日 (thu)

 今日は仕事が暇だったんで、「クイックジャパン」VOL.22と「ハッカージャパン」VOL.2と「噂の真相」1月号を立て続けに読んでました。頭がトロけます。「ジャパン」2連発では気分が国粋っぽくなりそうですが、全然中身はそうじゃないわけで、何かに「ジャパン」と付ければ固有名詞っぽくなるという事実に気づきました。小心者の杖日記ジャパン。駄目だ。小心者のジャパン杖日記。っていうか、これはジャパン付けなくても固有名詞ですな。

 「QJ」は、今まで女だと思っていた山本ムーグが男らしいと分かったのが幸いでした。いや、本当にそうなの? 町田ひらくと鶴見済が登場していたのも嬉しかったのですが、やはり「QJ」が町田ひらくを取り上げたりすると、一部の方々からは「サブカルがエロマンガを評価しやがって」とか、ハードコアな罵倒の声が上がるんでしょうか。全世界が平和でありますように。

 不意にミンダナオ島のゴングの音楽を聴きたくなって、きっとビクターかキングの民族音楽のシリーズに入ってるだろうと探したのですが、渋谷ではちょっと見つかりませんでした。ま、フィリピンのミンダナオ島をインドネシアだと思い込んでいた僕の探し方が悪かったんでしょうけど。「POP ASIA」を立ち読みしたついだに値段を見たら、いつのまにか1000円を越えてます。売れてないのかもしれないけど、出てるのは偉いな。そのまま帰るのもアレなんで、レコード屋や本屋をだらだら見てまわり、疲労感を土産にして帰宅です。

 いつもは電車の網棚にあっても手を出さない「ヤングジャンプ」ですが、今週号は手を出しました。といっても、「広末涼子物語<前編>」が目当てじゃありません。江口寿史のシリーズ読み切り「うなじ」が載っていたからです。無理してギャグを展開することも無い、ちょうどいい体温のマンガ。彼のこういう作風、好きだなぁ。

 
129日 (wed)

 桃吐マキル+福耳ノアルの「森繁ダイナミック」が、まさかの単行本化を成し遂げた。太っ腹だね、KKベストセラーズ。ギャグマンガ界の極北夫婦が、94〜96年に「ヤングサンデー」などで断続的に連載した爆裂女子高生学園マンガだ。一時期は「COMIC CUE」とかにも描いてたけど、この人達って今はどうしてるんだろうなぁ。

 そして数年振りに読んで気が付いたのは、奇天烈な印象ばかりが残っているこの作品が、意外と起承転結のついたものであるということ。ただ、ひつとひとつのネタが本筋から無軌道な外れ方をしていて、それが物語の流れの連結性を犠牲にせんばかりの勢いなのだ。ギャグをぶちかまして、次のコマでは平静に戻ってたりするのも、素敵にタチが悪い。つまりは、基本を押さえているからこそ、特異性が生肉の脂のようにギラギラと光るわけだ。あと、この好き嫌いが分かれた(というか嫌いが圧倒的に多かったんだろう)理由として、この描線の歪みも挙げられるだろうけど、これはどう見てもわざとだよな。平気で全然違う絵柄を混ぜたりもしていて、そうした作画とストーリーの両面で通常のマンガ表現を逆手に取り続けていたわけだ。

 もっとも、そうした手法は同時に自分たちの首も締めかねないわけで、連載中はけっこう当たり外れが大きかった記憶がある。しかしこの単行本はベスト編集なので、「こんなに面白かったっけ」ってぐらい楽しめた。出鱈目のようで、実は計算された展開だ。それでも着地点がどこになるのかが本人たちにも見えづらかったことは想像に難しくない。向こう見ずなギャグが虚無を生み出すかもしれないのに、それを恐れず果敢に爆裂し続けたその姿勢を、勇気と呼ばずに何と言おう。

 ところで、福耳ノアルって昔は「福耳ノボル」じゃなかったっけ? たしか彼は「少年ジャンプ」、しかも週刊の方で入賞してデビューした作家だったと記憶してるんだけど、その徹底してねじくれた受賞作に僕は爆笑したもんだ。でも「ジャンプ」にとって彼は、取り扱いに免許を要する危険物のような才能だったに違いない。こういう異才が、もう一度ペンを執ってくれればいいのに。

 
128日 (tue)

 正直に言って、僕は柳美里の「ゴールドラッシュ」に対して、出版社の宣伝に乗って過剰な期待をしていたと思う。いや、決してこの作品が良くなかったというわけではない。ただ、「仮面の国」で彼女が展開したような過激な社会時評と、本作のような小説との表現の差異について、作品の趣旨とはやや外れた部分で考えさせられもしたという個人的な問題だ。

 主人公の少年は14歳。学校には行かない。キレやすい。誰もが想像するのは酒鬼薔薇だが、家庭環境はもっと特殊な設定だ。粗暴な父親はパチンコ店を経営しているために金銭的には極めて裕福、しかし母親は宗教にハマって別居中。ウィリアムズ病の兄に援助交際をする姉という設定には、桜井亜美の「イノセントワールド」を連想し、かつドラマツルギーを盛り込み過ぎではないかと多少鼻白んだことも記しておこう。

 父親を殺した少年は、自分が父の代わりに店を経営して、家族を守ろうという現実離れした計画を実行しようとする。それは当然のごとく頓挫することになり、そして彼が罪の意識に目覚めるまでが、たたみかけるような展開と、汚濁の中で一切の甘さを拒絶するような筆致で描かれる。人間のネガティヴな感情を執拗なまでにすくいとってみせる手腕は、さらに凄味を増した。

 本作において重要な問題のひとつは、親殺し自体ではなく、「なぜ子供は人を殺してはいけないのか」ということだ。少年に慕われる街のやくざ者・金本は、少年の殺人に感づいてこう吐露する。

おれは怖いんだよ、いったいどうなってんだ、こんな歳になってなんのために生きてんのかわかんなくなるなんて、冗談じゃねぇってんだ。
 これは、柳美里にこの作品を書かせた理由でもあるのであろうか。また、次のようなくだりも現れる。

この社会の網の目は通念と利害でしっかりと結ばれ、それ以外の要因で引き起こされた出来事は網にはかからないのだ。実は子どもこそ通念と利害に異常なほど敏感だということにおとなたちは気づいていない。
 金本から拒絶された少年は、響子という少女に頼ろうとし、彼女をも失いそうになった時に罪の意識に目覚める。それは関係性の復活によってもたらされたものだ。ラストでは、彼は幻想の中で世界と自分の存在を確認する。用意された結論は目新しいものではないし、肝心の終盤で結論を急ぎ過ぎた感もある。しかし、「仮面の王国」のように無謀なまでの勢いを持って迫ってこそ来ないが、より深い思慮の元にこうした小説が生み出されたことの方に僕は魅力を感じる。だからこそ、読み終えた際にこの本を閉じる手は重かった。


 
127日 (mon)

 Yong,Alive,in Comike!! 持てば手にめり込む、冬の重量級名物詩といえば、そう冬コミのカタログです。僕は今日、渋谷のCOMIC STATIONで買いましたが、皆さんも早速血を吹き出さんばかりに目を充血させてチェックの真っ最中だと思います。決め付けです。付箋や赤ペンを揃え、広末目当ての早稲田受験生にも負けない形相でカタログに顔を埋めれば、有明冬の陣の幕は切って落とされたも同然。この期に及んでエヴァのスペースを真っ先に見る気のあなたを、僕は同志と呼びます。

 そして各自、会社の大掃除や忘年会をすっぽかす算段をつけておきましょう。コピー誌を作ろうという玉砕必死の特攻隊のようなあなたは、今のうちから地図に近所のコンビニをチェック。カラーコピーが可能なために、コミケ前になると持ち込みの紙でコピー機をガンガン破壊されてしまうセブンイレブンは、両面コピーがしづらいのが難点です。印刷がきれいなコピー機を他のコンビニで探しておけば、いざという時(だいたいコミケ当日の朝5時頃)に安心ですよ。

 あとは親戚・友人に、「コミケ前には死なないで!」と哀願しておけば、きっと2・3日なら頑張ってくれますよ。日本人は情に弱いですから。もっとも、当のオタクは身体が弱いのが一般的なので、僕もついうっかり死んだりしないように気を付けますね。あ、もちろん人を殺すのも控えておきましょう。

 そんなこんなで、僕は29日(火)に、JIMMYさん&植田さんとともに東プ42b「べいすめんとるうむ」にいます。遊びに来て下さいね。

 
126日 (sun)

 TAHARA横浜店でブレッド&バターの「BB★C」発売記念のストアイベント。仕切ってるのが平澤さんだってこともあって、行ってビックリ、塚田さんもJIMMYさんも加賀美さんも大集合だった。今日のイベントはトークとミニライヴという構成で、グループ名にちなんで客にふるまわれたのはバターロール。「BB★C」やジョン・レノンの曲を、アコースティック・ギターをバックに3曲ほど歌ったんだけど、これがメチャクチャ巧い。音程もハーモニーも完璧で、目の前で生身の人間が歌ってるとなんか不思議なぐらいだ。プロなんだなぁ、当たり前なんだけどさ。終了後はサイン会もあったんで、しっかり「BB★C」を買って並ぶ。あと、探していたSLAPP HAPPYの「CASABLANCA MOON / DESPERATE STRAIGHTS」も購入。TAHARA横浜店、マニックなブツが多いです。

 平澤さんに挨拶して店を出てから6人で喫茶店に入り、気が付けば夜の7時。イベント終わったのって、4時ぐらいじゃなかったっけ?

 o u t d e xを本腰入れて更新。まず、7・8月のCDレヴュー22枚分一挙に「MUSIC」にブチ込み、「BOOK」にも宮崎哲弥など5冊を追加、そして名物の相互リンクにも「秋葉系Linkz!!」「まっき〜まにあ?」を追加しました。CDレヴュー、年内に今年分を全部書きますとも、ええ。

 
125日 (sat)

 遠方より来客あり、渋谷まで迎えに行って我が部屋へ。ショックを最小限に抑えるべく、「いや、マジで凄い部屋だから」と繰り返しておいたものの、実際に部屋を見て深く納得されてしまい、初冬の淋しさが胸に沁みる。そして山の中から本やマンガやCDを気ままに掘り起こす、陽気な鉱山労働者のような客人。床の上には食い散らかされた菓子の小袋が散らばる。

 夜、つつましくコンビニ弁当でディナーをしながら、録画しておいた「彼氏彼女の事情」を観る。雪野と芝姫とアクション・シーン(?)や、雪野の微妙な表情での心理描写など、「動」「静」両面で演出が冴えていると話す。クラスの女子がみんな可愛すぎるという点でも意見が一致したのは余談。

 今日のお土産に歌をどうぞ。カーネーションのCD&テープを、一袋分というアバウトな単位で貸す。東京駅まで見送り、帰りの山手線で眠って乗り過ごしても、さして気にしない穏やかな1日。

 
124日 (fri)

 「詞」と「詩」の違いは何だろうかと考え出すとなかなか答は出そうにけれど、それをほとんど区別せずに語るという姿勢をとっているのが、鈴木博文の「ああ詞心、その綴り方」だ。これってなかなか勇気のいる決断じゃないだろうか。新旧の歌詞40編について綴ったこの本は、いわば詩人による詩の読解書だ。

 その文章は、批評にしては私的な部分の度合が高く、感想にしては分析的。それが本書の魅力でもある。自身の日常やその詩との出会いを語りながら、客観と主観・ストーリーとリアリティー・語感・言葉の訳詞的魅力・リズムなど様々な視点から理知的に分析しており、そこにまた詩的な表現が使われているのが彼らしい。

 鈴木博文の心に引っ掛かって取り上げられた詞は、難解なものや高度の技巧が用いられて作品はもちろん、平易なもの、あるいは稚拙と思えるものにまで及ぶ。そのひとつひとつに彼は様々な価値を見出し、薄味に思える詞もその制作意図を推し量る。奥田民生に対しての評価が高い一方、「今夜はブギー・バック」は冷めた視線を向けているのが面白い。

 さて、この本を通読すると、朝に眠り昼に起き、娘に悪態をつかれながら一緒に暮らしている、鈴木博文の日常をいつのまにか知ることにもなる。そう、彼は何を語っても彼でありつづけるのだ。もちろん良い意味で。

 
123日 (thu)

 大江健三郎の「芽むしり仔撃ち」がどこの本屋にも無いので、渋谷のパルコブックセンターへ行ってみました。すると人の列が入口から這っているので上流へ向かってみると、柳美里のサイン会じゃないですか。「ゴールドラッシュ」は同じ渋谷でも三省堂で買ってしまったんで、ちょい悔しいところです。せっかくだから顔だけでも見ていこうとしましたが、サインは当然下を向いて書いていて、しかもなかなか顔を上げてくれません。すぐに諦めて、「芽むしり仔撃ち」(2冊あった)と町田康の「屈辱ポンチ」を買って撤退しました。

 そして帰宅してみると、いくつもの本の山がドミノ倒しのように崩れて、散乱した本が床を覆い、大型スピーカーまで横倒しになっていました。しばし呆然。まるで、大地震と大洪水で崩壊した近未来の東京のような光景でした。うーん、サイバーパンク。大江健三郎の作品に「洪水はわが魂に及び」というのがありましたが、僕の部屋へも及んでしまったようです。あ、PETER GABRIELの曲に「here comes the flood」ってのもあったなぁ…なんて現実逃避してしまいそうになってしまいましたが、近く来客もあるので、いい機会だと腹を括って片付けを始めました。

 それから約2時間経過。僕の目の前には、捨てる本を縛ったものが実に9つ並んでいました。優に100冊は超えています。作業をしてみれば、「他人にとってはゴミでも自分にとっては宝」だと思っていたのに「他人にとってはゴミで自分にとってもゴミ」という本や雑誌の多いこと多いこと。途中からはヤケ気味になって、「GON!」や「POP ASIA」や「STUDIO VOICE」のバックナンバーも投げ捨て、多くの別冊宝島やエヴァのアンソロジー・コミックも運命を共にしました。今までは「いつか古本屋に売りに行こう」と考えてましたが、そんな甘っちょろい幻想は今夜で終わりです。面倒で持っていかないんですから。

 終了してみると、まぁ一応はすっきりした印象になりました。でもふと考えてみると、たしか去年の今頃がちょうどこんな感じだった記憶が。ということは、1年後にはまた?

 
122日 (wed)

 SOUL FLOWER UNIONの「EACH LITTLE THING」は、2曲でDONAL LUNNYをプロデュースに迎え、ALTANも参加しているという、アイルランド音楽ファンまで引き付けるであろう4曲入りマキシシングル。タイトル曲は、SOUL FLOWERとしては非常に肩の力が抜けてリラックスした印象だ。たぶん中川敬のソロプロジェクトがこういう形でバンドに返って来てるんだろうと思わせる芸風の広がり方。2曲目の「風の市」は、楽しくも哀愁が漂っていて、つい口ずさみたくなる。世間のオヤジ&オバさん連中にも受けそうなこんな曲があるんだから、SOUL FLOWERってもっと売れて欲しいんだよな。SAMM BENNETTがボーカルをとった曲や、ライヴ音源もあり。

 さねよしいさ子のマキシシングル「天使のほほえみ」も出て、これでやっと彼女はメジャー復帰だ。3曲とも栗原正己の編曲だろうと思っていたら、タイトル曲は矢野誠が編曲していた。意外な人選。吉川忠英・青山純・浜口茂外也などのギャラの高そうなミュージシャンを揃えたこの演奏は悪くはないけど、やっぱ自主制作カセット「りんご水晶」の栗コーダーカルテットがバックを務めた演奏の方が胸をえぐると思う。以前から活動を共にしている栗原正己や鳩野信二といったのミュージシャンと共演している他の2曲の方がしっくり来た。とはいえ、さねよしいさ子が歌えばそれだけで凄いんだけどね。磁場がひっくり返るっていうか。

 
121日 (tue)

 リリー・フランキー「美女と野球」読了。リリー(こう呼ぶと友達みたいだな)が自身について語った「なんだかわからない低温のドラマに巻き込まれてしまいやすい体質」という前書きの言葉は、このエッセイ集の性格そのもので、彼の描く人々や出来事も、一見とてもぬるーい印象を与える。そして、そこがクセモノなわけだ。

 類は友を呼ぶせいか、彼は業の深い人を集めやすいタチであると同時に、さらに困ったことに自分から飛び込んでしまう趣味もある。普通の感覚から脱線した人々が多く登場するのでそれだけでも楽しめるんだけど、やはり彼の語り口の巧さったらない。しかも、彼はひとつの文章の展開させていく際に、結論のようなものを大上段にブチ上げことを回避する。その代わり、目の前の女性の口元のヒゲばかり見るような、変な視点がだらしなく光る。絶妙の力加減で文章を引っ張っていき、抜けきったようでありながら目は相手から離さない。

 と思うと、「ゴムとエイズとベトナム美人」や「アミーゴたちと走った日々」で差別について鋭く考察してみせたりもする。親戚との旅行話「ハワイのオカン」では、笑わせる比喩が乱れ撃ちだ。そしてタイトルそのまんまの内容の「オカンがガンになった」なんて、ディープな話のはずなのに、語りのトーンはいつもと同じ。最後の東京タワーのくだりなんて、浅田次郎なら泣かせまくろうとするところなのに、リリーはさりげなく締める。そして、押しと引きのバランス感覚こそ彼の文章の魅力だと気付かされたというわけだ。

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日記猿人
 


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