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12月31日(水)

○起きてすぐに年賀状の宛名書きを開始。会社関係や日頃ちょくちょく会うメンツには一文ぐらいしか書き添えないものの、最近会わなくなってしまった相手にはつい長く書いてしまい、思いの外時間がかかる。転勤やら引越しで現住所が判然としない人もいて、つい考えに耽ってしまうのも作業が遅れる要因の一つだ。書き上がってみればもう夕方で、慌てて郵便局まで持っていく。
○大晦日といえば大掃除だが、もう面倒なので荒れ果てたままにする。今部屋の中で銃撃戦が起きても、すぐにバリケードが作れそうなくらい本やCDが山積みだ。そもそも、あれだけ大急ぎで年賀上作りをしたのに、大晦日という気が全然しないのは、やはり数日前にコピー誌作りの慌ただしさを味わっているためのようだ。
○今夜は吉祥寺Star Pine's Cafeで開かれるるオールナイトライヴに行くつもりだったのだが、体の疲れもとれないし、先日栗コーダーカルテットのライヴで行った際に感じた会場の狭苦しさもあって、大人しく自宅で静養することにした。紅白歌合戦は、広末の出る最初の方だけ見る。最近ではすっかり熱が冷めた気がしていたが、それでもやっぱいいねぇ、なんて思いつつテレビを消す。いつものようにCDを聴きながらマンガを読んだりして、風呂から上がるとちょうど0時前。冷蔵庫に入っていたケーキを食べながら、篠原ともえが出てる番組にチャンネルを合わせた瞬間、年が明けたのを知ったのでした。



12月30日(火)

○昨夜の打ち上げで真っ白い灰になったまま、昼過ぎまで死んだように眠る。やっと一仕事終えた気分なのに、厄介にもまだ年賀状を書いていないので、準備に取り掛かろうとするが、冬コミで買った本が気になってなかなか進まない。
○今年も年賀状はプリントゴッコで作成。版下はすべてパソコンで作ったものの、プリンタの印刷速度が遅いので、結局はローテクな年賀上作りの方が早いのだ。デザインから始めて、深夜までに70枚ほどを刷り上げる。宛名を書こうにも、インクをべったりのせすぎて乾きが悪いので、今夜はここまでに。
○作業中ずっと中村一義の「金字塔」を流していたら、むしょうにシングル「主題歌」も聞きたくなって、散歩がてらCD屋へ。これが今年最後に買うCDだろう。それにしても、今年1年で一体何枚CDを買ったのか、もはや見当も付かないのだが。



12月29日(月)

○冬コミ2日目、今日で僕の97年は実質的に終わりました。、
○今日は朝から一般入場の列に並ぶ。10半頃に入場、女の園・西館へと走り去るSさんを見送って、僕は東館の「JUNK MOBILE」へ。ここは、昨日の「べいすめんとるうむ」と代表者が同じOさんの創作サークルで、2日目はここにお邪魔する。到着するとKさんが店番中で、他のメンバーは出払っている模様。パソコンで打ち出した看板を貼り付けると、まずは知り合いの創作系サークルへ挨拶回りに出かけた。
○昼前、o u t d e xを見てくださっていた、ガロ編集部のSさんがいらっしゃったので、創作系サークルめぐりに同行させていただく。僕の知らないサークルもいろいろ教えていただいた。途中、青木光恵女史のサークルにも寄って、紹介していただくという恩恵にもあずかった。
○午後は、エヴァ本の攻略を開始。完結編についてのまとまったマンガや評論が出てくるのは今回だろうし、次回の夏コミではエヴァの本が激減しているだろう…という予測から、買い漁る決心を固める。気分は一世一代の大勝負。結果、1冊1000円以上の本も迷わず(本当は多少迷った)買い、アンソロジー集に作品が載っていたような大手はもちろん、エヴァ・サークル地帯をしらみつぶしに見てまわる。でも、結局買ったのは15冊ぐらいだから、そんなに多くもないか。それでも充分に重くて、「俺って腹の底からエヴァが好きだったんだ」と再確認することとなった。何をいまさら。
○「JUNK MOBILE」に戻って、OさんやウサギのコスプレをしたAさんと話していたところ、前の通路を竹熊健太郎氏が歩いているのを発見。「サインもらわなきゃ、何かいいものない?」とOさんにまくしたてられ、見つけたのが「ラブ&ポップ」のチラシ。どこぞのサークルがなぜか配っていたのである。これ幸いと竹熊氏にサインをお願いすると、「俺は関係ないんだけどね」と言いつつもサインをサインして下さった。確かにぶしつけなお願いだったよなぁ。
○「o u t d e x」で知り合った大学生のOさんも来てくれて、音楽談義をする。今回は、僕のページを見てきて下さった方が多くて嬉しい限り。こういう出会いって楽しいですよね、ホント。
○4時前から撤退準備を開始。そのころネット仲間のEさんが、大量のエヴァ本を抱えて現われたので、2人で今回の収穫について語り合う。そして僕もEさんも、次回の夏コミのサークル申込書を購入したのだった。
○夜の「JUNK MOBILE」の打ち上げを前にして、車移動組と電車組に分かれて渋谷へ向かう。時間が余りまくったので、ゆりかもめの終着点の新橋で、Eさん・Uさん・Nさんと、喫茶店に入ることにした。すると突然Eさんが驚きの声を上げたので彼の視線を追うと、また竹熊健太郎氏がいるではないか。ここまでくると、偶然も必然に思えてくる。竹熊氏はその喫茶店のショウケースだけ見て去って行ったが、我々はそこの喫茶店でアニメについて語り合ったのだった。
○2隊の合流後、渋谷の料理店で男女8人で打ち上げ。OさんとUさんはテンション上がりまくり。笑いと語りがほどよく溶け合い、2日間の祝祭の終わりにふさわしい飲み会となった。
○僕はその場で「あと1日冬コミがあればいいのに」と口走り、「本気かよ!?」という目も向けられたりしたけれど、それぐらい完璧なまでに楽しかった2日間だった。なにより、コミケという場を利用して、ネット上で知り合った方々と実際にお会いできたことが嬉しかったです。こんな僕に会いに来てくださった方々に、改めて感謝いたします。ありがとうございました。



12月28日(日)

○遂に来た冬コミ初日。サークル入場に間に合うよう、まだ薄暗い6時半に起床して家を出る。新木場に至る地下鉄からして混んでいて、会場へ向かうTWRも気合の入った客で満員御礼。今日は、女友達Kの個人サークル「魚の渚」のスペースにマニアの受難の新装ペーパー版を依託し、一方で僕自身もメンバーである音楽サークル「べいすめんとるうむ」にも顔を出すという二重生活状態。「マニアの受難」も「べいすめんとるうむ」に置けばいいじゃないかという思われる方もいるだろうし、実は僕もそう思うのだが、はっぴいえんど&はちみつぱい、佐野元春、カーネーションなどなどの本が所狭しと並べられ、もはや置き場所が無いのだ。そのため、「勇者司令ダグオン」なる見たこともないアニメのスペースである「魚の渚」にエヴァ本を置くという暴挙に出たのだ。
○入場してまず「魚の渚」へ行くと、すでにKが設営をしていた。僕も、プリンタで打ち出した看板やイラストを張り出して準備する。こういうのが学園祭みたいで楽しいんだ。それが済んだら「べいすめんとるうむ」へ行き、こちらでも設営。今朝コピーした原稿なんかもあって、その場の4人でそれを折る作業も。そしてまた「魚の渚」へ戻ったのだが、この両サークルはそれぞれ東館と西館とにあって、見事に遠いのだ。早足でも移動に片道7分はかかる。これで開場して混み始めたら…と、早くも不安になる。それは後に的中したのだが。
○「魚の渚」には、「マニアの受難」の新レイアウトをしてくれたEさんも到着していて、「マニアの受難」作成のために落ちそうになった彼自身のエヴァの資料本も並べられた。つまり、ダグオンのスペースに依託のエヴァ本が2冊もある状態で、なにがなんだか。そして10時には会場を知らせるアナウンスが響き、早くもハイになって拍手をしたら会場だ。徹夜組が走ってくる地鳴りのような音も、場を盛り上げるドラムロールに聞こえるってもんだ。
○昼近くには、ネット仲間のMさんとTさんも「魚の渚」に到着。午後にはGさんも来て、いつもはネット上で会話する男女6人の顔合わせが実現した。みんな音楽やらサブカルやらをきっかけで知り合ったのに、初の大規模オフがまさかコミケ会場になるとは、つくづく因果なものだ。また、日頃僕のページを見ていただいているRさん も、川崎ゆきおの同人誌で初参加とのことで、御挨拶にうかがう。川崎ゆきお自身も参加した豪華本にビックリ。Rさんも初めてのコミケだったそうで、コミケの持つ吸引力の凄さを改めて実感してしまった。
○日本のオタク文化の最北点・コスプレ広場へEさんを案内したりもしたが、本はあまり買いに回らなかった。エヴァやウテナの本も2・3冊買っただけで、むしろソウルフラワーユニオンムーンライダーズさねよしいさ子など、音楽系の本の方が多かった。
○4時に終了した後、「魚の渚」関係者で打ち上げるために有楽町へ。TWRが混みまくった上に、カートに乗せたKの大量の荷物が何度も荷崩れするなど、苦難の連続を乗り越えるはめになった。料理屋で歓談した後、よる8時半ぐらいに解散。そしてやめときゃいいのに、渋谷で行われていた「べいすめんとるうむ」の打ち上げへも顔を出す。かくして今夜も「MajiでKoiする5秒前」をカラオケで歌うこととなったのだった。明日もコミケがあることなど、考えもせずに。



12月27日(土)

○昼に新宿でEさんと待ち合わせ。マニアの受難を通じて知り合ったEさんは、夏コミで「マニアの受難」のペーパー版を買ってくれて、しかも冬コミ用に新レイアウト作業を申し出て下さった有り難い方なのだ。しかも原稿を見たところ、MACを駆使しためちゃくちゃカッコいいデザインで感激。内容はほとんど一緒なのに、ワードなんかで作った夏コミ版とは別物のようなのだ。明日からのコミケに間に合わせるべく、会社で深夜まで作業をしてくれたEさんに深謝しまくる。
○しかし、さっさと帰って製本しなければと分かっていても、新宿まで来るとついCDを見てしまう。アイルランドのバンド・KILAの「Mind the Gap」と、今更ながらサニーデイ・サービスの「ここで逢いましょう」を購入。友人の誕生日プレゼントを買いに東急ハンズにまで行き、途中で時間が不安になって慌てて帰る。時間配分は計画的に。
○そして待ち受けるのが、地獄のコピー&製本作業だ。今回は20ページの本を35部作ることにしたため、350枚のコピーを取ることに。占拠先は、綺麗な画像によって今や同人関係者御用達となったセブンイレブンのコピー機。そんなわけで、コピー機の作動音を聞きながら1時間ほどをセブンイレブンで過ごし、帰宅後には製本作業で2時間を費やすこととなった。大きいホチキスを入手したのでホチキス止めは楽になったが、やはり紙を折る作業は根気の要る重労働だ。350枚の紙を1人で折るのは、やはり辛い。
○さらに「マニアの受難」ペーパー版委託先のサークルの看板を打ち出したり、カタログのチェックをしたりで、結局ベッドに入ったのは午前3時過ぎ。しかも、遠足の前日の子供のように寝付けない。時計の音だけが響く部屋の中で、つくづく困ってしまった。



12月26日(金)

○ホコリまみれになって会社の大掃除。指紋の隙間にまで汚れが入って洗ってもとれず、おまけに何回も冷たい水で雑巾を絞ったために、指先はガサガサに。毎年大掃除のあとに思うんだが、指先が自分のものでなくなったかのようなこの感じはすごく気持ち悪い。そして今年も、手袋をすれば良かったと後から思ったのだった。
○会社近くの歯医者で今年最後の治療をし、それから下北沢へ。何かと忙しいので、最近はついモノが多い渋谷で買い物をしてしまうのだが、久しぶりに下北へ行ってみた。レコード屋や古本屋をまわるもののめぼしい収穫はなく、服だけ買って帰ることに。移転したらしいレコファンは、結局どこに行ったかわからないまま。



12月25日(木)

○新宿リキッドルームでの松岡英明のライヴへ。なぜ松岡英明?と思われる向きも多いだろうが、ハイポジの近藤さんが彼のバックを務めていて、「ハイポジのページ作ってるんだから、見とくべきですよ」とハイポジ仲間のTさんに勧められ、一緒に行くことになったのだ。ハイポジのファンの中には、松岡のバックでギターを弾く近藤さんのファンになってハイポジも聴き始めた…って人が意外と多く、その系統の女の子ってのは、たいてい恐いくらい威勢がよかったりする。そんなわけで、暴れ川の源流を探訪する気分で、いざ松岡ライヴへ。
○まず衝撃を受けたのが、会場入口にあるロッカーの争奪戦。めちゃくちゃ恐いんだよ、連中。空いてると思ってTさんがロッカーの戸を開けたら、横に立ってた子が何も言わずにバタンと閉めるなんてザラ。なんでだよ。もう恐くて恐くて、「何こいつら〜こえ〜」なんて大声でゲラゲラ笑っちゃいました。
○10年選手の松岡英明のファンだけあって、開場は20代の女の子が中心。10代ぐらいの子も結構いたけど、それはお姉さんに影響されたパターンが多いとか。少数ながら男の子もいて、やっぱ松岡に憧れてる感じ。仕事帰りの僕は、他にもスーツ姿の男の人がいることを確認して安心している状態だった。
○電話のベルの音が会場に響いた瞬間から、一気に歓声が上がる。「もしもし僕だよ、いつもの時間にあの場所で」なんて内容のテープが流れたんだが、その間もう恐くて恐くて。声が流れただけでこんなに興奮してるんだから、本人が登場したらどうなっちまうんだろう、と今年最大の恐怖を感じてしまった。はたしてバックのメンバーに続いて松岡英明が現われた瞬間、今まで聴いたことの無い類の熱を帯びた歓声の嵐に僕は巻き込まれたのだった。
○この日の松岡の最初の衣装は半透明のレインコートで、ポケットにはアインシュタインの写真入り。銀色の杖も持っていた。そんなところに戸惑う僕を残して、会場は熱狂の渦。ベタな言い回しだが、まさにそんな状況なのだ。なんかたまたま訪れた町の祭に居合わせたような気分。やっぱ俺は、この場で求められる幻想の共通コードを持ち合わせてないんだなぁ…なんてこともぼんやりと考えた。
○しかし、この日のライヴが嫌だったかというと、そんなことはない。というか、かなり楽しんでしまった。松岡英明は、伊達に10年この世界にいないと思わせるだけのエンターテナーぶりで、一挙一動に感心させられた。楽曲はどれもキャッチーで、漂う80年代テイストが逆に新鮮。近藤さんのギターも轟音を鳴らしまくりで、ハイポジとは違った一面を見せ付けられた。またキーボードは、元ハイポジでもある松前公高だったのだが、ピコピコしたエレクトな音は、懐かしの京浜兄弟社魂を感じさせた。他にベース&ドラムを加えた演奏は、音楽的にも一定の水準を充分にクリアしていて、単純に楽しむのには申し分なかった。僕は腕組みしながら聴いていることも多かったのだが、周囲に合わせてリズムを取ってみれば、案外楽しい気分になってくる。周りの皆も、一緒に歌ったり、手を振ったり、トランスしたり。なんかこちらまで浮かれてきたのだ。あはは。
○ただ、ふと我に帰って周囲の熱狂ぶりに呆然とすることがあったのも事実。いわば、音楽的な感動よりも松岡英明というキャラクターの魅力に対しての熱狂に、埋めがたい距離を感じたのだ。このライヴの場では、松岡英明という記号の認識が最優先事項であって、それがあってこそ場の共有が成立する。そして僕は、自身がその認識ができていないことに気付いて冷めもしたわけだが、それは決して松岡及び彼のファンへの批判ではない。これは正当な楽しみ方のひとつなのだ。そして、他者を冷笑する者は、その姿勢こそが冷笑の対象にされるべきものでもあるのだから。
○以上長々と書いてしまったが、早い話、狭義のアイドルのライヴを初めて見て、一種のカルチャーショックを受けてしまったのだ。会場が松岡英明に興奮している間、僕はその場の興奮に対して興奮していた。皮肉ではなくいい経験だった。次は宝塚でも見に行くかな。



12月24日(水)

○吉祥寺Star Pine's Cafeでの栗コーダーカルテット のライヴヘ。開場ぎりぎりに行ったところ、入場の列が進むのが異様に遅いので、もしや満員か?と不安になったものの、単に受付が1人で時間がかかっているだけだった。やっと入った会場はまさにスシ詰め状態で、ドリンク片手に動くのもままならないほど。客席は1階と2階に分かれていて、日清パワーステーションを小さくしたような構造なのだが、入り口のある2階からはステージすら見えない。なんとか1階まで移動し、メンバー全員の姿が見える場所を確保。しかし、遅い入場がたたってすでに椅子席はなく、1時間半以上のライヴ中ずっと立ちっぱなしは辛いものがあった。こんな時には安物の革靴が恨めしい。
○僕にとって栗Qは今年一番ライヴを多く見たバンドだ。しかし考えてみればストアライヴが多くて、なんかガヤガヤしたところで聴くことが多かった気がするんだが、今夜のライヴはじっくりと栗Qの演奏に集中することができた。また、豪華ゲストと共演した1月30日のライヴや、10月18日のTHE SUZUKIとの共演ライヴなどは見ているものの、純粋な単独ライヴを見たのって、実は初めてだったりする。先月発売された「栗コーダーのクリスマス」に収録されていた「リトルドラマーボーイ」や「I want to be a Christian」などを、初めて生で聴けたのも嬉しい限り。特に前者はライヴの終盤で一気に炸裂した印象で、栗Qのアグレッシヴな面を見せてくれた。
○さて、今日はあのコア・アニメ「少女革命ウテナ」 の最終回でもあった。帰宅後ビデオを見ていきなり驚愕、なにせオープニングが無いんだもん。番組の構成自体がもうイレギュラーなのだ。常軌を逸脱した演出も最後まで冴えたままで、「おいおい、そこまでやるかぁ」なんて思いながらも、最後まで引き込まれてしまった。ラストのまとめ方は「へ?」てな気分だったが、まぁあれもひとつの美学なのだろう。
○でも最近話題になったアニメって、エヴァといいもののけ姫といい、なんかカタルシスを与えないものが多いなぁ。ウテナも同様の印象で、今の若い衆−だいたい高校生以下の−連中には少々酷かな?なんてことも考えてしまった。表現の進化/深化がもたらす必然なのだろうけれど。もっとも、20代の非アニメファンの僕のような人間の知らない所に、絵に書いたような大団円を迎えてるアニメってのもたくさんあるんだろうけどね。



12月23日(火)

さねよしBBSで知り合ったTさんとRさんが我が家を来訪。実はこの2人はカップルで、そんな2人を招くというのは僕にとって初めての事態だった。結局「うぉーっ、俺の前でベタベタ手ぇ繋いでるんじゃねぇ!」と路上で叫ぶこととなったが、まぁそれは別にいいことだ。
○その彼らは現在さねよしいさ子のページを作ろうとしていて、そのページのための資料をスキャンしに来たのだ。チラシとかCDジャケットとかをスキャナーフル稼動で読み込み。それが済んだら、Rさんが僕の部屋のCDをいじり始めた。CDだけで1000枚ぐらいあるのだが、ここ数年分はCD屋の袋に突っ込んだまま積んであって、何がどこにあるのかも皆目見当が付かない状態。で、それの封印を次々と暴いてCDをプレイ、おかげで何のCDがどの袋に入ってるのか確認できた。でも、また積んだらわからなくなっちゃったけど。
○そんなこんなで、日が暮れる頃に2人は去っていくことに。国立にあるさねよしいさ子御用達の花屋に行くそうだ。駅まで見送った後部屋に戻った僕は、会社の先輩に頼まれて広末涼子の卓上カレンダーをスキャン、20MBに及ぶデータを生み出したのだった。これでいいのか、俺の休日は?



12月22日(月)

○「Quick Japan」Vol.17を購入。今回の特集は中村一義。ポップスの黄金律を繰り出しまる彼の音楽もいいけれど、やっぱりこの男の存在感って不思議だ。同じく特集扱いで「ラブ&ポップ」の記事もあって、やっとエヴァから解脱した僕も刺激されてしまった。そして驚いたのが、岡田史子のマンガとインタビュー。意表を突くこの選択眼はさすがで、ホントにいい雑誌だよなぁ。
○突発的に転送URLを使いたくなり、とりつかれたように無料サービスを探し回る。でも最近は、サービスを提供する代わりに、バナーを貼り付けさせるところが多くて辟易。当然といえば当然なんだけどね。結局Netforwardというサービスに申し込み、すぐに完了。申し込みは英語なのだが、インターネットマフィアに日本語の解説があったので簡単に出来た。そんなわけで、「o u t d e x」へは、http://www.cyberjunkie.com/outdex/というアドレスを入力しても来られるようになりました。でも繋がらない時があったり、繋がっても表示が少し変になったりするのが難点。…これじゃ意味ないですね。



12月21日(日)

冬コミで依託や売り子をさせてもらうサークルへのお礼として、各サークルの名前のロゴをデザインして、看板用に打ち出す。「PAINT SHOP PRO」や「G-CREW」といった安物グラフィックソフトを駆使しての作業だったのだが、結局丸1日掛かってしまった。以前からのことなのだが、どうも画面に表示される色合いと実際に打ち出されたそれが違っていたり、画像をA4に収めたはずなのに実際は収まらなかったりと、トラブル続きだったため。去年の2月に買ったプリンタなんて、今じゃもう過去の遺物と化してるんだろうなぁ。この間替えのインクを買いに行った時も、以前よりも一段下の棚に置かれていて、すでに売れ筋ではないことが窺われたし。ともあれ、ディスプレイと刷り上がりを交互に見ながら、パラノイアのように作業を続けることとなった。こんな一文の得にもならないことに限って燃えてしまうんだから、困った性分だ。
o u t d e xのCDレヴュー11月分に着手、なんとか年が明けないうちには…。



12月20日(土)

○1週間ぐらい前からPHSの調子が悪くて、公衆モードで電波を受信できなくなってしまった。ホームアンテナがあれば普通に使えるんだが、それじゃPHSの意味が無いんで、NTTパーソナルの窓口へ持っていくことにした。結局、買ってまだ間も無いし、交換してもらうことに。来週の火曜には宅急便で届くそうだが、便利さなんてものは案外はかないもんだと実感することになった。
○いよいよ1週間後となった冬コミに向けて、友人から頼まれてる原稿を書く。今ごろになって書くなという声も聞こえてきそうだが、コピー本なので大丈夫なのだ。ひとつは佐野元春の本で、新作「THE BARN」のプロデューサーであるJohn Simonについて執筆。もう1冊ははっぴいえんどとはちみつぱいについての本で、「元はっぴいえんどメンバーの97年」「幻の12インチ『THE HAPPYEND』未CD化の謎」「駒沢裕城と栗コーダーカルテット」の3本を書いた。
○そんなこんなで、冬コミでぼくがどこに居るかとか、どこのサークルの本に文章を書いているかとかを、「o u t d e x」の「冬コミでお会いしましょう。」にまとめました。コミケにいらっしゃる方、よろしければお話でもしましょう! とか言って、歩き回ってばかりで居なかったら申し訳ないんですが。



12月19日(金)

○ほんの1週間CD屋に行かないだけで、えらく長い間CDを買ってない気がするから困ったもんだ。今日は、ちょっと前から気になっていたphishのライヴ盤「slip stitch and pass」、奄美の島唄のオムニバス盤「あさばな」、ブラジル音楽の大御所・CAETANO VELOSOの新作「LIVRO」、インド映画音楽の大物・ar rahmanの「vande mataram」を購入。phishはスケールのでかいロックで気分良く聴ける。続けて「あさばな」を聴いてリラックス。もっと猥雑な音楽を期待していたar rahmanは、予想に反してニューエイジ・ミュージックみたいで落胆。しかし、CAETANO VELOSOのめちゃくちゃカッコいいサウンドに衝撃を受けて、気を取り直すことが出来た。
○でも、こうしてCDを次々買い込むは楽しいんだけれど、もはや部屋の収納限界を超えてしまっていて、CD屋の袋に突っ込んだまま積み上げている状態だ。何がどこにあるのか、自分でも把握できない。それに、o u t d e xに11月分のcdレヴューも書かないとなぁ。



12月18日(木)

○夜、六本木の青山ブックセンターでのとり・みきサイン会へ。開始30分前に会場に行って参加方法を確認すると、著作をどれでも購入すればOKということなので、新刊「石神伝説」を購入。まだまだ時間があったのでCDを見にWAVEへ行ったものの、開始時間が気になって、CDを見ててもうわの空。結局CDも買わずに、開始の10分くらい前には会場に戻ってしまった。
○その頃にはすでに列が出来ていたので、さっそく並ぶことにした。サイン会が始まる頃には結構な長さの列が出来ていて、今までこんなにも多くのとり・みきファンを見たことがなかった僕は、この光景だけで興奮を覚えてしまった。
○並ぶこと数十分で、僕の番が。以前メールを送ったところ、お返事をいただいたこともあったので挨拶したところ、覚えていてくださった。しかし僕はといえば、「石神伝説」にサインをし始める先生を目の前にして言葉が続かず、もどかしい思いを一瞬覚える始末。なにせ、小学生の頃から愛読していたマンガ家御本人を、とうとう目の前にしてしまったのだ。もう何を言っていいのやら。
○そして、サインを書く先生の手元を見ると…僕の名前の後に「OUTDEX」と書いてくれてるじゃないか! 僕が先生の著作について駄文を書いているo u t d e xのことを覚えてくれていたのかと思うと、もうその時点で感激してしまった。
○その後一緒に写真を撮っていただき、帰宅後すぐにデジカメから画像を吸い出したのだが、当の僕は苦虫を噛み潰したような顔だ。先生の隣で自分でもわかるほど緊張してしまっていたのだが、こんなにも見事に表情に出てしまうとは。ともあれ、長年敬愛してきた先生に遂に会えたわけで、至福とはまさにこのことだと実感した夜だった。



12月17日(水)

○最終回まであと2回となったウテナを見ていたら、「昨日のポケモンを録画したビデオを見ないで下さい」というテロップが番組の冒頭で流れていた。表現技術の工夫がこんな事態を招いたんじゃ、制作者側も途方に暮れちゃうよなぁ。
○もっとも僕は肝心のポケモンを見てないんで何とも言えないんだが、やはりマスコミには、見てるんだか見てないんだかはっきりしない文化人の言説が溢れている。毎日新聞には岡田斗司夫が登場、「小学館は今後100年は使えそうなピカチューというキャラクターを得たが、この事件で影響が出てしまうかもしれない」という彼らしい分析を展開。無理に原因の追求なんてしないで、商業的な面に言及してる分、逆に潔い。読売新聞には香山リカが登場、紹介は「ゲームに詳しい精神科医」。でも今回の事件って、精神科よりも脳神経科の問題だし、だいたいゲームとアニメを同一視するのも妙じゃないのかな。ゲームで同様の症例が報告されてるとはいえ、これは単なる混同っぽいぞ。
○現在レンタル中のポケモンのビデオも、制作関係者の討議の結果、レンタル中止の要請が出てるとか。でもこれって、今までに放送された問題のない部分でしょ?やっぱ世間の怒りをかわすためなのかなぁ。ともあれ、問題の放送のビデオに、ウルトラセブン(だっけ?)の欠番同様のプレミアがつくのは必至。録画してそうな友人の心当たりもあるんだけど、「ビデオ貸してー!」と言い出すほど下世話にもなりきれなくて、ちょっと迷っとります。



12月16日(火)

冬コミへ向けた本の入校の知らせを、季節の風物詩でもあるかのように友人達から聞く今日このごろ、タイムリーな本が発売されていたので購入した。別冊宝島385「私をコミケにつれてって!」は、タイトル通りに初心者向けのガイド機能もあるけれど、むしろ副題の「巨大コミック同人誌マーケットのすべて」という分析的な記事が中心だ。いまさら読まなくてもいいかぁ…とも思ったけど、やっぱりこういう本って買っちゃうんだよね。
○最近ホームページ群の更新が停滞気味なんで、気合いを入れて更新作業。o u t d e xは「EVENT」に11月24日のコミティアのリポートを、ハイポジ-BODY meets SING-は掲示板の過去ログを、マニアの受難は冬コミでのペーパー版販売のお知らせをそれぞれUPしました。冬コミで僕がどこにいるかは、追って「o u t d e x」に書きますんで、いらっしゃる方は遊びに来て下さいね。



12月15日(月)

○夜、ここ数ヶ月連絡が付かなかった友人・Y君から電話が掛かって来た。彼はちょっと前まで神奈川で高校の非常勤講師をしていたのだが、その後静岡の教員試験に受かって、実家に戻っていたらしい。そして今は、近所の中学生や高校生を相手に勉強を教えて、来年の配属を待っているとか。
○そしてその塾の生徒の中に、父親がNTTの社員の子がいるそうで、それを知ったY君は「授業料安くするから広末グッズもらってきて!」と言い放ったらしい。そう、Y君は僕に洗脳されて広末涼子にハマった人なのだ。で、最近では他の生徒まで広末グッズを収集し始めて、挙げ句は広末の出ているポスターなんかをかっぱらってきているらしい。(さすがにこれは止めたそうだが。)
○問題はその子達の集めてる理由が、「ムネカタ君に高く売れる!」ってことだっていうのだ。おいおい、俺は知らないぞお前らなんて。「いや、俺最近はCD以外は追っかけてないんだよ、せいぜい『BART』買ったぐらいで」と僕が言ったところ、Y君は「ええっ!?ムネカタ君、子供たちの夢を壊さないでよ!」だって(笑)。そんなこと言っても預かり知らぬことだってば、可笑しいけど。
○そんなわけで、今日もY君の塾の押し入れには、広末グッズが陳列されているそうだ。僕が高く買い取る日を待ちながら。少しだけロマンティック…じゃないか(笑)。



12月14日(日)

○夏に続き、再び静岡へ。一緒に遊ぼうとお呼びがかかったので、ホイホイ出掛けてしまった。ボーナスの後だと、新幹線のチケットも気軽に買えてしまうから恐い。デジカメに続く散財だ。
○待ち合わせの1時間も前に静岡駅に着いてしまい、1人で駿府城へ行ったりして時間を潰す。今日集まったメンツは、僕を含め7人。特に高校生3人組が元気なことこの上なく、入ったファミレスでは、終始漫才みたいな受け答えの連発。もう見てるだけで可笑しい。明日も明後日も学校でこんなことを続けるんだろうなぁ…なんて自分の退屈な高校時代と比べてしまい、「何遠い目してるの」と突っ込まれてしまった。
○続いて行ったカラオケではさらに若さ爆発。もうテンション高いとかいう次元じゃないんだ、これが。MAXとかT.M.Revolutionとか振り付きで踊るんですぜ。同じく10代のAさんはGRAY とか歌うし、僕と同い年のSさんはジャニーズの嵐。かと思えばOさんは、杉良太郎の「気味は人のために死ねるか」やら、左とん平の「とん平のヘイユー・ブルース」やらの反則技を、顔を真赤にして歌うので、笑い死ぬ寸前まで追い込まれた。僕も広末だのSHAZNAだので応戦したものの、玉砕。歳甲斐もない無理は禁物ですなぁ。
○その後解散して、OさんとAさんとで夕食へ。騒がしい1日の後、いい感じに語り合って、再び静岡駅に向かったのでした。



12月13日(土)

○友人に会いにお茶の水まで行く。用が済んだ頃にはすっかり日が暮れていたが、三省堂だけは営業していたので物色。宮台真司・藤井良樹・中森明夫「新世紀のリアル」、「COMIC CUE VOL.4」を購入。場所が場所だけあって、さすがに入荷が早いな。
○今回の「COMIC CUE」は合作特集。とり・みき×京極夏彦、鈴木慶一×やまだないと、俵万智×和田ラヂヲなどの顔合わせの妙に、思わず帰りの電車の中から読み始めてしまった。多少完成度にバラつきがあるけれど、けっこうどれも楽しめる。荒俣宏との合作ということになっているけれど、実質的には古屋兎丸のオリジナル作品である「裸体の起源」は、テーマの大きさと画力に圧倒された。貞本義行×たかはまこ夫妻の「DIRTY WORK」の乾いた味わいも好きだ。また、地下沢中也×榎本俊二による「われら動物家族」の底無しにブラックな味わい、飴屋法水×水野純子による「モモンゴの一生」のポップさが生み出すダークさも新鮮だった。
○ところでこの本では、久住昌之が、新人を含め3人の作家と合作をしているんだけれど、そんなに彼って面白いかな?ストライクゾーンを意識的にはずしているようで、逆にウケ狙いが透けて見えるような気がするんだけど。まぁ、趣味の問題なんだろうけどね。



12月12日(金)

嶺川貴子「CLOUDY CLOUD CALCULATOR」購入。ケンイシイの新作も買おうかと思ったが、これは輸入盤でいいやと思って買わなかった。CD-EXTRA付きでも、どうせそんなの1回しかやらないしね。
○ミネカワの新作は相変わらずキッチュでクール、70年代が夢見た21世紀のようなサウンドだ。ここ最近はBuffalo DaughterやADSとのコラボレーションが続いていたけれど、セルフプロデュースのこのアルバムでもミネカワらしさは不変。合成添加物ばかり食べて育ったかのようなこの個性は凄いなぁ。エレクトロが全篇に溢れるサウンドには賛否がありそうだけれど、ジャケットのアートワークを含め、これほど先鋭的なアルバムを生み出し続ける彼女は賞賛に値するぞ。
○レコード屋のレジ横にDICTIONARYがあったので、久しぶりにもらう。でもいまひとつ面白いとは思えなくて、なんで数年前まで僕らはこの「渋谷系フリーペーパー」に夢中になっていたのか不思議になってしまった。なぜなんだろう、「DICTIONARY」自体は大して変わったとは思えないに。過剰な情報に慣れすぎてしまって、多少のセンスを見せられたぐらいじゃ動じなくなったのかもしれないなぁ。



12月11日(木)

○やまだないと「恋に似ている」、福本伸行「カイジ」第6巻、西炯子「わたしのことどう思ってる?」を購入。「ero*mala」「しましまのぷちぷち」「ラマン」「ボクと王様」に続いて、やまだないと買うのは今年5冊目だ。旧作の単行本化などもあるので少しだけレベルに波があるけれど、こうして改めて見ると、彼女の方向性の多彩さに驚かされる。
○「カイジ」第6巻では、今度は鉄棒渡りが始まっていた。すごいな、この荒唐無稽さ。しかし、極限状態に人間の描写から、人生哲学にもっていく手腕は相変わらず見事だ。前巻までの限定ジャンケンのような複雑なルールが生み出す面白さはないけれど、それでも充分にエンタテイメント性と人生論を両立させていているのはさすがだ。
○友人に勧められて読んだ西炯子は薄口な気がして、いまひとつグッと来なかった。残念。



12月10日(水)

○とうとう買っちゃいました、デジカメ。機種はEPSON CP-500。画像の記録所要時間が長いとか、長方画素だとかいう問題もあったんだけど、まぁ価格と画像のバランスが納得のいくレベルだったんで。あと、接続セットが標準で付いてる点も大きかった。
○別に必要に迫られたわけじゃないけれど、結局何かオモチャが欲しくなったようなような感じ。パソコン本体とプリンタを買ったのに始まって、スキャナにMO、PHSにデジカメと、これで周辺機器をほとんど揃えてしまった。必然的に部屋はますます狭くなり、機器の箱が積み重なる状況で、また埃が増えそうだ。これじゃアナログ盤を聴けないなぁ、大掃除でもしない限り。
○ともあれこのデジカメ、これまでフィルム代や現像代を気にしていたのとは大違いだ。電池代はかかるけれど、クズな画像をいくら撮っても、もう金の心配をしなくていいわけで、なんか写真を撮る感覚が根本的に違ってきそうな気がする。僕の生活は無駄の集積であるような気がするんだけど、このデジカメがそれに拍車を掛けてしまいそうだ。でもやっぱ、オモチャのある生活は楽しいですよね。



12月9日(火)

○町沢静夫「普通の人の中の狂気」読了。精神科医の筆者の診てきた臨床例を通して、現代人の精神病理を解き明かす本…のはずなのだが、どうもイマイチ内容が薄いような気がする。典型的な症例を挙げながら、ありふれた分析を付けたという感じで、明確なテーマを決めずに思いつきを書き留めたような文章が続くのだ。少子化、学歴社会、家庭の崩壊など、挙げられる原因も紋切り型という印象を受ける。
○ところが、その町沢の歯切れが俄然良くなる部分がある。いわいるカウンセラーと言われる立場の人間への批判だ。彼らは心理療法家でもなく、性善説を信じる日本のロジャーズ派の悪しき影響を受けた人種であるとして、突然テンションを高めて批判を開始する。「本人の意思を無視しても治療が必要な場合もある」と、人権派も一刀両断。朝日新聞を敵に回すことも恐れない論調だ。
○酒鬼薔薇を診たカウンセラーが彼の狂気を止められなかったり、家庭内暴力を振るう子供を理解するようカウンセラーに言われていた父親が子供を殺したりと、カウンセラーの現実的な効果を疑わせるような事件が続いているのも事実。しかし、では精神科医がどこまで人を救えるのかという問題になると、僕には正直よくわからない。治療のためには相手のプライヴェートにまで深入りしなけれない精神科医という稼業の苦労が垣間見える本ではあるのだが。



12月8日(月)

○渋谷でCDを見たものの、めぼしいブツはなし。その中でもこれは聴きたい!と買ったのが、1970年前後のエチオピア歌謡を集めたアルバム「ethiopiques」。エチオピアの歌手といったら、在米エチオピア人歌手のアスター・アウェケぐらいしか聴いたことがなかったのだが、このアルバムに収められた音源の数々は、それよりも遥かに泥臭い。もろにアラビックな歌メロに、ジャズ色の強い演奏がかぶさって、強烈にファンクだ。このインパクトにすっかりやられてしまって、聴き始めてからずっとリピートしっぱなしの状態だ。
○そろそろ出ているかと思った冬コミのカタログが、案の定「まんがの森」に積まれていた。少女マンガ誌をパロった表紙が狂っていてナイス。大阪の友人に送ってくれと頼まれたなぁ…と思い出したものの、1冊がキロ単位のこの本は、さすがに1冊しか持って帰れなかった。
o u t d e x更新、「教科書が教えない小林よしのり」を「BOOK」に追加しました。



12月7日(日)

○唐沢商会の「ガラダマ天国」は、読み通すのに本当に時間がかかる1冊だ。ファンにはおなじみの唐沢俊一唐沢なをき兄弟によるウンチクもので、ノリは「能天気教養図鑑」や「原子水母」は近い。違うのは基本的に1ページ完結という点だが、92〜97年の6年間に及んだ連載だけあって、その分量はかなりのもの。しかも例によってあの濃いネタの数々が繰り出されるのだから、単行本でまとめて読む読者には精神力が求められようというものだ。そして見所は、口上から始まって一気にディープなネタへと1ページの間で展開させるその力技。後半に行くほどその技に磨きがかかってくるのだが、それがここ数年の唐沢兄弟のメジャー化と流れを同じくする辺り、なかなか感慨深かったりもするのだ。


12月6日(土)

○ネット仲間のMさんのお宅にお邪魔させてもらう。これまで音楽を中心にコアな話をさせてもらってきた方だが、実際にコレクションを見せてもらって驚愕。はっぴいえんどは、ファーストの「ゆでめん」以外はすべてアナログで揃っていて(「ON STAGE」「ライヴ!」「THE HAPPYEND」まで)、しかも山下達郎がシュガーベイブ以前に録音したLP「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」(A面はすべてBRIAN WILSONの曲)や、オリジナル・ラヴのインディーズ時代のLPまであって、もはや悲鳴を連発する。この時点でMさんのマニアックネスに降参してしまった。
○他にも、伝説の音楽雑誌「ポップ・インズ」「テッチー」のバックナンバーも見せてもらう。両者ともに鈴木慶一濃度が高くって、それだけで廃刊が約束されたようなものだ。当時はまだこの方面の雑誌を知らなかったのが悔やまれる。リアルタイムで読みたかったなぁ。
○今最も勢いがあるグラフィック集団「groovevision」のコレクションや、80年代のニューウェーヴのバンドのビデオなどもあって、もはや満腹。Mさん、そしてコアな出会いをもたらしてくれたインターネットに感謝しつつ、帰路についたのでした。



12月5日(金)

○チョン・キヘ「帰国船−北朝鮮 凍土への旅立ち」読了。1960年、17歳にして家族で北朝鮮に帰国した著者が、94年に韓国へ亡命するまでの34年に及ぶ歴史を綴った手記。父親の決定でやむなく帰国することにしたものの、帰国船に乗った瞬間からそのみすぼらしさに日本へ戻りたいという衝動を覚え、そして以後のすべてがその悪い予感の通りに進んでいく。劣悪な食料配給制度、帰国者への差別、無実のスパイ容疑での逮捕、炭坑での重労働などなど、これでもかというほどに悲惨な生活ぶりだ。精神主義的であり、実現不可能な国家政策によって、不条理な苦しみを受ける帰国民の生活の描写には、強烈な恨み節が満ちている。
○こんな本を読んでいると、もし帰国せずに日本に住み続けていたら…と考えてしまうのも人情。人間の運命なんて、ちょっとした判断ミスで奈落の底に落ちるという見本みたいなものだ。そして、帰国したのは彼ら自身の判断にせよ、そうした状況に彼らを追い込んだ日本での朝鮮人差別に複雑な心境になった。
○しかし。そんな考えもふっ飛ばすほどのこの本の欠点が、最後になって現われるのだ。筆者は、北朝鮮での生活苦に追いつめられ、中国に行って働いて生活の基盤が出来てから家族を呼ぼうと考え、亡命したという。しかし、そんな実現不可能な理由で亡命するのかよ。だいたい、残された家族が亡命者の家族として迫害されるのは最初から明らかだ。妻の他に5人の子供、しかもその1人は寝たきりだというのに。中国へ逃亡してから韓国に亡命するまでの状況もほとんど描かれていないし、中国に渡ってから親切な男に出会うくだりも話がうますぎる。そんな見方をし始めると、日本を追憶するお涙頂戴の描写や、帰国者なのに出世したという自慢話も鼻に付いてきてしまった。訳者は、亡命の理由に関しては筆者の心情を汲んで欲しいとあとがきで述べているが、それにも限度があるだろう。最後の最後で脱力してしまったよ。



12月4日(木)

○佐野元春の新作「THE BARN」は、ここ数作に比べてぐっとアナログ感が増したアルバムだったけど、彼の公式ホームページ「Moto's Web Server」は、そのイメージとは対照的なほど金と技術が投入されているページだ。新作についてのページもちゃんと用意されていて、好きな曲の投票や参加ミュージシャンの紹介などもある。なにせプロデューサーからして、THE BANDの仕事で知られるJohn Simonなんだから。
○しかもこのページでは、ファンが自分のページを自由にリンクできるようになっている。本人の申し込みで自動的に行われるのだから、なかなか豪気な話だ。しかも今日見たら、自分のページの紹介文も書き込めるようになっていた。すでにo u t d e xもリンクさせてもらっていたのだが、そんなわけでもう一回紹介文付きで申し込む。これも自動的に上書きされるんだから、なかなか太っ腹だよなぁ。セキュリティーとか平気なんだろうか。一日中管理できる担当者がいなければ運営できないページだよなぁ。
SWAY更新。「さそり座」時代の「窓ガラスのへのへのもへじ」の初CD化を含む「THE POPCON」を追加した。ポプコンとは、かつてヤマハが開催していた音楽オーデションで、数々のミュージシャンを輩出したイベント。その出身アーティストの音源をCD5枚に収めたのがこのBOXというわけ。もっとも、アナログ盤で「窓ガラスのへのへのもへじ」を持っている僕には買うのがきつくて、ページを見た方からジャケットの画像を頂いたりしたんですが。



12月3日(水)

○今週の始めあたりから、走ったり頭を揺らしたりすると、上側左の歯の付け根から微かな刺激が走るようになった。痛いというほどでもないのだが、かつて虫歯を放置してひどい痛みにのたうちまわった経験があるため、今回は早めに歯医者に行くことにした。人間は学習する生き物ということで。
○昼休みに会社の近くの歯医者に行き、診察を申し込む。幸い予約していた患者がキャンセルしていたために、すぐ診察してもらえた。で、問診で症状を説明すると、まずはレントゲンを撮ることに。個室に連れて行かれ、なんか妙に重い前掛けを着せられ、形状の解説が面倒な機械の前に座らされる。口に器具をはさんで頭を固定され、看護婦の退室とともに撮影開始。僕の頭の周りを、2個の円筒形の物体がぐるりと回転する光景は、歯のレントゲンを初めて撮った僕にとっては、なかなかサイバーな印象だった。これって目を開けてていいの?なんてことまで心配したりして。
○結果、かつて治療した虫歯の神経が原因だそうで、そのために大きな振動で刺激が走るとか。治療法は神経を抜くしかない、しかし神経を抜くと問題も…なんて内容を説明され、さぁどうします?と決断を迫られた。そんなこと言われてもなぁ、こっちは素人なんだから。いきなり医療現場で身体に関する重大事項の決断を迫られたような気がして、困惑してしまった。
○そんなこんなで、結局今日は、歯にかぶせてある金属を一旦はがし、鎮痛剤を入れて1週間ほど様子を見ることにした。応急処置として歯の上にかぶせられた物質が、絶えず薬臭い味を口の中に広げるのだが、いたしかたない。それよりも問題は、治療後、今度は上側左の歯にも刺激が走り出してしまったことなのだ…。



12月2日(火)

○チョン・キへ「帰国船−北朝鮮 凍土への旅立ち」、町沢静夫「普通の人の中の狂気」購入。前者は、94年に韓国へ亡命した、日本から北朝鮮への元帰国者の手記。最近は本屋に北朝鮮関連の本が次々と並んでいるけれど、あれってけっこう他人の不幸見たさや、あんな特殊な国が今も世界に存在することへの好奇心からである部分が大きいんいじゃないのかな。僕も人のことは言えないけど。
○町沢静夫は精神科医で、酒鬼薔薇事件の際にメディアで活発に発言していた人らしい。僕はテレビをほとんど見ないので彼の姿も見たことがなかったのだが、気になったのでとりあえず1冊彼の著書を買ってみることにした。同時期に酒鬼薔薇のみに言及した本も出たのだが、あえてもう少しマクロな視点からのこの本を選んでみた。
○同じく酒鬼薔薇事件の際によくメディアに登場していた精神科医といえば香山リカだが、彼女の場合、自分の軽薄な分析を棚に上げて他の精神科医を批判するなど、結局酒鬼薔薇を通して精神科医としての自分しか語っていないという異様な自己顕示欲ばかりが鼻についた。今週月曜日の読売新聞の書評欄でも、彼女は町沢の酒鬼薔薇本について問題点を指摘していたが、その町沢がはたしてどんな社会分析をしているか結構楽しみだったりする。



12月1日(月)

○仕事で神保町へ。用を済ませて会社へ戻ろうとするが、不思議と足が本屋に向かってしまう。そして数軒目でコミック高岡へ入ると、ガロの復刊号が積まれてるじゃないか。年末に復活といっていたが、そうだよなぁ、もう今日から12月だったんだ。星野之宣の「宗像教授伝奇考」とともに購入、地下鉄の中でさっそく読み始めた。
○今やメジャーになった唐沢なをきによる表紙もポップでいい。アタマはなんと松本充代の新作。少し前に原作付きの育児マンガを描いてて、「あー彼女も丸くなったんだなぁ」なんて思っていたのだが、この新作は見事に尖っている。津野裕子の新作も、相変わらず硬質な透明感に満ちていて感激。キクチヒロノリの狂ったテンションもグッド。なんでこのマンガがガロに?なんて部分もあるけれど、それも新体制ガロの編集方針なのだろう。たしかに、つげ忠男と永野のりこやあさりよしとおが一緒に載ってる雑誌なんて「ガロ」だけだしな。なにより、マンガ雑誌としてとても面白いことが嬉しかった。
宅八郎の連載を載せている数少ない雑誌「BUBKA」も買ってみた。「GON!」の二番煎じというイメージがあったのだが、とりあえず現在の宅の文章が読みたかったのだ。「GON!」より文字量を少な目にしてMAC編集にしたような雑誌だが、意外と面白い。時間がない人間には、こっちの方が読み飛ばしやすくていいかも。少々困った選択基準だな。




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