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11月30日(日)

栗コーダーカルテットのストアライヴを観るため、昼からヴァージンメガストア横浜店へ。いつもながらアットホーム感溢れるステージだったが、その場の雰囲気や譜面が見つかるかどうかに進行が左右される様子はなかなかスリリングだった。演奏は45分ほどで、その後「質問無いでしょう」と本人が言ってしまう質疑応答を経て(お客からの質問ありました)、サイン会へ。この辺でハイポジ-BODY meets SING-の掲示板の常連のOさんと、さねよしいさ子BBSの常連のAさんと合流。おふたりはまだCDを買ってなかったので、CDを買ってサイン会の列へ。僕は別の店ですでに買ってるし、全員のサインも以前もらっているので、ブラブラ待っていることにした。
○ところが、The Beach Boysの「The Pet Sounds Sessions」のコーナーを何気なく見たところ、なんと「SURF'S UP」のアナログ盤が一緒に置かれているじゃないか。馬に乗った悪魔がうなだれている陰鬱なジャケットに惹かれずっと聴きたいと思っていたのだが、どうも再発されないままらしかったのだ。今回はEMIの100周年記念盤として発売されたらしく、来年にはCDも出るのかな?とも思ったが、ここは一期一会とばかりに購入。でも問題は、モノに埋まった僕の部屋は異常に埃っぽくて、とてもアナログ盤を聴ける状態にないことなんだよなぁ。来週こそは部屋の掃除をしよう。じゃないと、せっかくのLPを一瞬にして埃だらけにしてしまいかねないんで。
○イベント終了後、OさんとAさんとの3人で喫茶店に入る。栗Qはもちろん、ハイポジやさねよしいさ子などを外が暗くなるまでしてきました。



11月29日(土)

○月に1回は更新することにしているものの、先月19日から約40日間放置していた地下水道の更新作業に着手。最近の「地下水道」についての不安は、リンク先が死んでないかということだったのだが、今や数百に及んでいるリンク先のすべてをチェックするの不可能で、存続が怪しいページ優先でチェックをすることにした。まずはマニアの受難のリンク先をチェック、これはすべて見てまわった。間接エヴァ系は大部分が存続しているものの、直接エヴァ系は結構消えていて淋しい限り。祭の後だからなぁ。10ページくらいを削除して新たに数ページを追加、そしてそれを「地下水道」のエヴァ系にそのまま流用した。一石二鳥ということで。
○音楽系は大部分が存続していると推定して、ほとんどそのまま。広末涼子関係は多くが消滅しているのではないかと心配していたものの、一部の広末を起用していた企業のページが消えていただけで、ファンのページはしっかり残っていた。素晴らしい。でも来年から大学受験のために仕事を大幅に減らすそうなので、どれほどが生き残ってくれるやら。アイドル系は画像の著作権の関係で移転が激しく、慌てて修正。妄想炸裂噴出系や地下暗黒系は、意外にもほとんどが残っていた。そんなわけで、全体で10強のページを削除したものの、サブカル系を中心に20以上のページを追加したため、結果としてまた重くなってしまいました。まずいなぁ。



11月28日(金)

○やまだないと「王様とボク」、南Q太「愚図な女ばかりじゃないぜ」購入。「王様とボク」はかつてヤングサンデーに連載されていた作品で、書き直しを加えてイーストプレスから発売された。イノセンスをテーマにした爽やかな感覚は、彼女の近作を読んだ後では肩透かしを食らうほどだ。ただ、恐ろしいほどの深さを持った「ero*mala」を読んだ後では、この作品や「ラマン」などの長編にゆるさを感じてしまうのも事実。贅沢な希望なんだけどね。
○南Q太は相変わらずの作風で、当然相変わらずカッコいい。新機軸は自身の出産を描いた「にんぷちゃん」で、「不安よりも期待の方が大きかった」という彼女が出産で苦しむ様子が描かれている。妊娠した自分に妙な存在価値を見出したり、生まれた子供を自己満足の道具にしようとするなんて気配はさらさら無し。苦しかったけど生まれて良かったねーってな感じで淡々としているのが、これまたカッコいいのだ。



11月27日(木)

○ロフトブックス編「教科書が教えない小林よしのり」読了。宅八郎・松沢呉一・などが参加したロフトプラスワンのイベント「第2回放送禁止大学」の模様が中心で、「SPA!」に連載されていた「週刊宅八郎」の記事などの資料も収録されている。宅八郎の攻撃的な手法に疑問を感じる向きは多いだろうし、実際僕もその1人だ。しかしこの本を読む限り、彼は非常に論理的に小林を批判している。もちろん宅や松沢が詐術を駆使している可能性は否定できないが、それでもこの本を読むと、小林への疑惑は強まるばかりなのだ。
○かつて「SPA!」で展開された小林と宅の闘争は、やがて小林が「SPA!」を去り、宅の連載が打ち切られるという結末を招いた。本書はこの前後の事態の推移を詳解し、小林が「ゴーマニズム宣言」及び「新ゴーマニズム宣言」で展開した宅一派への攻撃の矛盾点を指摘するものだ。特に、「SPA!」を去るまでの経緯は小林の発言と大きく異なる。この点については、小林よしのりファンの人にぜひ一読して欲しい。一連オウム事件の中で、小林は「宅・松沢・SPA!=親オウム」という図式を形成し、「ゴーマニズム宣言」で盛んに繰り返した。あの状況の中で、早くからオウムを批判してきた小林には大きな「説得力」を感じたのも事実だ。しかし、そうした状況を脱した現在、時間軸に沿ってあの一連の事態を見直した時、小林の言動は矛盾点が余りにも多いことに気付かされる。
○意外と秀逸だったのは、玄田生によるマンガ「逆ゴーマニズム宣言」。マンガ家としての才能が枯渇している点や、絵による安易かつ卑劣なイメージ操作など、漫画家としての小林よしのりの問題を見事に指摘している。僕は小林のマンガ家としての力量に疑問を持っていたのだが、この「逆ゴーマニズム宣言」は、その思いを形にしてくれていた。あとは、あのベタベタした過剰な表現についても触れていれば完璧だった。
○ところでこの本によれば、オルタカルチャー日本版の編集者は、小林よしのりが連載をした「宝島30」のスタッフだったという。奇妙なほど小林よしのりを礼賛する記事が「オルタカルチャー日本版」にあったのも、やっと納得がいったよ。
o u t d e x更新。斎藤綾子・伏見憲明「対話 快楽の技術」、夏目房之助「マンガはなぜ面白いのか」を追加しました。そろそろ地下水道も更新しなくては…。



11月26日(水)

○朝から降り始めた雨は次第に強さを増し、夕方には台風のような風雨が吹き荒れた。そんな状況にも負けず、The Beach Boysの「The Pet Sounds Sessions」を買いに行く。BRIAN WILLSONが生み出した傑作「Pet Sounds」のミックス違いやセッションの模様、ヴォーカル・オンリーや別ヴァージョンなどを収めた4枚組BOXセットだ。これまで何度となく発売が予告されては延期されてきたのだが、今月遂に発売されたのだ。馬鹿高い海賊盤を買わなくてよかった。実をいうと、僕はBOXセットというものを買ったことがなかったのだが、やはりこのアルバムに関しては別格。輸入盤は今月前半に入荷していたのだが、日頃は輸入盤中心の僕も、このセットばかりは今日発売の日本語訳付きの日本盤を買うことにしたのだ。
○オーディオ方面の微妙な音質の違いを聞き分けるほど僕は耳に自信がないのだが、DISC1のステレオ・ミックスはさすがに音が違っていて驚いた。こんな音質の違いに気づけるぐらいには、僕は「Pet Sounds」を聞き込んでいたようだ。また、通常の和音感覚とは異なる音が次々と響くセッションズ・パートも興味深い。天才が音を操る現場の記録だ。この辺は資料片手に後々じっくりと楽しもう。そして感動したのが、DISC3のヴォーカル・オンリーのヴァージョン集だ。要は、バックを抜いたアカペラなのだが、まさに魔法のようなコーラス・ワークだ。そんなことはとっくに気づいていたはずなのだが、こうして聴くと改めて驚愕してしまった。本当に神秘的で、狂気の匂いがするほど美しい。
○昨年リマスターされたDISC4のモノ・ミックスは明日のお楽しみ。というか、DISC3のヴォーカル・オンリーに聞き惚れているうちに、聴く時間がなくなってしまったのだ。ああ、この美しい音楽を聴ける時間が毎日の中にもっとあればいいのに。



11月25日(火)

○斎藤綾子・伏見憲明「対話 快楽の技術」読了。斎藤綾子はバイセクシャルを公言する作家で、大学時代に彼女の「愛よりも早く」を読んだ時のインパクトは強烈だった。ネジが飛んでるんだもん。片や伏見憲明はゲイのライターで、「KICK OUT」というミニコミを発行して、コミケでも売っていたはず。この2人の強烈な対談は、性の根源的な問題から始まって、次第に性器やSM・乱交などの各論へ移行していく構成になっている。ヘテロの僕には勉強になりました、ホント。
○なかでも興味深かったのは、2人それぞれの生い立ちが語られている部分。斎藤は、家では全裸で過ごす父と仕事優先で家事をしない母という家庭で育ち、幼い頃から主婦の役割を強制されてきたという。子供の頃から女の子っぽかったものの自分では気にしていなかったという伏見は、「男制」の象徴として自分に重荷だった父の死に、心から安心したそうだ。
○ともすれば過激さに目を奪われがちだが、2人の性愛経験のバックグラウンドを知ってから読むと、含蓄の多さがかなり違ってくる気がした。安直に「人生いろいろ」とまとめるにはコア過ぎる。



11月24日(月)

○会社に行くよりも早起きして、創作オンリーの即売会・コミティアの会場へ。モノレールに乗って行く東京流通センターが会場で、今日はUさんとOさんのサークルの手伝いなのだ。今日は2人それぞれ別サークルでの参加だが、彼らは一緒に音楽のサークルもやっていて、夏コミでは知らぬ間に僕もメンバーに加えられていたという間柄でもあるのです。
○会場のホールには、実に1000サークルがスペースを構える。最大手のコミックマーケット(通称コミケ)の魅力が、極度の昂揚をもたらす祝祭空間を生み出す機能にあるとしたら、コミティアはそれよりは落ち着いた、オリジナリティーと作家性重視のイベントだ。コミケの規模とはとても比べ物にならないが、完成度の高い創作マンガを純粋に求めるなら、コミケよりもコミティアの方が魅力的だとも言えるかもしれない。
○今日はOさんやAさんが静岡から来ただけでなく、Kさんもなんと佐賀県から駆けつけてくれた。こういう遠くの人達と会えることも楽しみのひとつだ。また、僕が売り子をやると話したところ、ネット仲間のEさんとKさんが来てくれた。Kさんなんて突然の来訪で、「驚かそうと思った」という彼の狙いそのままの状態に僕は陥ってしまった。
○この日買った本は20冊弱で、決して多くはない。すべてのサークルをチェックするのは不可能だという理由もあるが、一定の画力とストーリーテリングの能力を持ち併せた作家となると、ほんの一握りというのが実状だ。しかしその中には、メジャーで仕事が出来ないのが不条理なほど実力がある作家がいるのも事実。今日買った中でも素敵な本があった場合は、o u t d e xの「COMIC」のコーナーで紹介する予定だ。そして、商業誌では味わえない魅力を持った作品たちに興味を持つ人が、少しでも増えてくれたら嬉しいと思う。
○終了後、信濃町まで移動して、7人で打ち上げ。静岡に日帰りするOさんとAさんの車を見送った後に帰宅し、ぐったりと疲れたことを実感したのだった。はしゃぎ過ぎたかな、少し。



11月23日(日)

さねよしいさ子BBSのオフ会に招かれたので、途中からお邪魔することに。今年5月に彼女のライヴを見てすっかり魅了され、ハイポジ-BODY meets SING-にリポートなぞを書いた縁で、この日のオフ会の主催者の方と交流が深まったのだ。今日のために徳島からバスで10時間かけて来た人もいてビックリ。
○現在さねよしいさ子はメジャーとの契約も無く、オムニバス盤やCD-ROMの歌の仕事などを単発にやっているという今ひとつ恵まれない状況なのだが、こうして彼女の歌声を待つファンの方々にお会いできることはとても嬉しかった。なにせ僕なんてファンになった時点で、最新作は自主制作のカセットだという状況だったのだから。彼女の表現者としての才能を考えると、現実に置かれた状況はあまりにも不条理。なんとかネット上で盛り上がられないかという話もしたのだが、いかんせん本人がパソコン持ってないと理解してもらえないだろうなぁ、とも話す。インディーズのアーティストには、インターネットは大きな武器になると思うんだけど、いかんせん本人の協力がないことには始まらないしね。
○ともあれ、さねよしいさ子のファンの方々らしく、皆さん心優しい印象の人ばかり。おかげで、さねよしファン歴の浅い僕も安心して楽しむことができました。多謝。



11月22日(土)

○スタンリー・キューブリック監督「時計じかけのオレンジ」を観る。こんな古典的な名作も、今頃になって見てます。レトロ・フューチャーな造形センスは今見ても新鮮だし、なにより暴力や悪意を描くセンスがいい。主人公が改心した振りをして牧師を取り込む辺りの、人間の本性なんて所詮は変わりっこないとでも言いたげな描写も素敵だ。こういう性悪説的な感覚って好きだな。伏線に政治をからめて、シニカルなラストに持って行くのも面白かった。確信犯の御都合主義が炸裂する展開といい、なんか残酷で悪趣味な童話のようだ。いや、童話って元々が残酷で悪趣味なものか。
○ところで、主演の男の目つきを見て小山田圭吾を連想したのって僕だけかな? べつに小山田が狂ってるってわけじゃないけど。



11月21日(金)

○大学時代に所属していたマンドリン・オーケストラのサークルの演奏会へ。僕らが4年生の頃に1年生だった連中が、今じゃもう4年生だ。喜怒哀楽いろいろな経験を嵐のようにしたサークルだったが、今となってはすべて美しい想い出…になっているはずだったのに、演奏を聴きながら、自分が指揮者をしていた時代のトラウマが頭をもたげてきてしまった。あらら。
○終演後、会場から締め出されるまで在学生やOBと話す。有給とって地方から出てきた奴も結構いて笑った。精神的に壊れていた奴がさらに壊れていたり、僕と同い年なのに未だに卒業していない奴の噂を聞いたりで、人生模様もいろいろ。僕は数人の後輩に「変わりませんねぇ」と言われたが、喜んでいいのやら。こんな夜には人生ってやつの影がちらりと見えて、人の心に感傷なんてものを植え付けようとする。困った夜だ。



11月20日(木)

○エヴァ完結編の後半部分「まごころを、君に」のフィルムブックを購入。とんでもない情報量が詰め込まれ、虚構と現実を行き交うあの作品をどうまとめているのかが焦点だったが、思いの外良くまとまっている。これを見てやっと構成が把握できた部分もあった。しかもこうやって静止画で見ると、劇場で観た時には気づかなかったような陰惨な画面や、露骨な性器描写にも気付かされた。まさにドラッグ・ムービー。後味が悪いのに、つい繰り返し観たくなってしまうあの映画を反芻するには便利な本だ。これで復習していると、きっと来春の編集版再上映も観たくなっちゃうんだろうな。
○ロフトブックス編「教科書が教えない小林よしのり」も購入。宅八郎など、小林と交戦した連中によるトークライヴの模様に、宅の原稿などを加えた本。僕は大の小林よしのり嫌いだが、だからといって宅の味方をする気もない。でも、冒頭に収められたマンガ「逆ゴーマニズム宣言」で小林について指摘してることって、ほとんど図星だよね。
o u t d e x更新、10月分のCDレヴュー9枚を「MUSIC」に追加しました。今回は邦楽が多いです。
○さらに、地下水道が遂に10万アクセスを突破。今年3月の開設時には1日70アクセスでも大喜びしていたのが、今では嘘のよう。日頃のご愛顧に感謝いたします。



11月19日(水)

○昨日は広末涼子のデビューアルバム「ARIGATO!」の実質的な発売日だったのに、すっかり忘れていた。こうして一時の熱は冷めていくのか…。そんなわけでそのCDを今日になって買いに行き、加えてAPHEX TWINのマキシ・シングル「Come To Daddy.」と、サラヴァ・レーベルの名盤として名高いBRIGITTE FONTAINEの「comme a la radio」も購入。
○広末は、ジャケットを始めとするスリーヴの写真がいいので、この時点でもうOKだ。作家陣は、シングルも書いた竹内まりや・原由子・岡本真夜に加えて、高波敬太郎と奥井香。この手のCDは音楽性をどーのというものでもないだろうが、藤井丈司のプロデュースは可も無く不可も無いという印象だ。唯一藤井の編曲ではない高浪の曲「ヨリミチ」が結構耳に残ったり、奥井のベタなメロディーと藤井のダサダサなサウンドが融合する「It's my Idol」がキツいのはご愛敬。シングルでは山下達郎のコーラスが入っていた「とまどい」が別ヴァージョンなのはなぜなんだ? ともあれ、広末の歌声を立て続けに聴ける贅沢がやっと実現したわけだ。念願かなって嬉しいはずなのだが、やはり僕がもっと燃えていた1年、いや半年前に出ていて欲しかった…という淋しさも心にチラリ。
○APHEX TWINは、叫びまわって暴れたり、急にアンビエントになったりで、耳で聴く分裂気質という感じ。もはやテクノという言葉で括れるものではないなぁ。BRIGITTE FONTAINEは、バックのART ENSEMBLE OF CHICAGOの演奏とあいまって、めちゃくちゃクールだ。
o u t d e xの紹介文に「サブカルチャー」と「オタク」という言葉を追加してくれと先月末に頼んだまま音沙汰が無かったYahoo!JAPANだが、今日見たらやっと変更されていた。来るはずの変更完了を知らせるメールが来なかったが、まぁいいや。コアな方々がさらに見に来てくれますように。



11月18日(火)

○寝てる間に大事件が起きると、朝起きた時に別の世界に蹴り飛ばされたような気分になる。阪神大震災の時もそうだった。次元は違っていても、朝刊で知ったエジプトのテロ事件も衝撃という点では同様だ。何をそんなに衝撃を受けるのか? それは、結局人間なんて思いもかけない時に簡単に殺されてしまうものだという事実だ。
○かつて岡崎京子が酔払い運転の自動車にはねられた時も同様の衝撃を受けた。当時僕は、彼女の90年代の作品群に夢中になっていて、「リバーズ・エッジ」や「PINK」の死を見据えた乾いた世界観に心酔していた。その彼女が事故に…と思うと、自分にも死は突然襲ってくるのではないかのではないかという恐怖にとらわれたことを思い出す。あんなこと生まれて初めてだった。
○大学時代、友人2人とインドネシアへ貧乏旅行をしに行った。夜のジャカルタの裏通りを歩いていた時、道端に3人ほどの男の子が座っていた。彼らが声をかけてきても、ドラックでも売っているのだろうと僕は無視したが、悪い事に1人が近付いていってしまった。まずい、と思った瞬間、友人はリュックを引っ張られ、彼の顔の前にはナイフが現われた。しかも向こうの仲間が2人ほど後ろの茂みから現われたから始末が悪い。
○結局僕らは全速力で逃走、幸運にも何も奪われずに無事逃げることができた。あの時は無我夢中で、死のことなんて考えはしなかったが、今考えると、あの時が僕の人生で一番死に近づいた瞬間だったのかもしれない。いや、自分では気づかないうちにもっと危険な目に遭っていたのかもしれないが。ともあれ、現実に危険に遭遇した時には、意外と恐怖なんて生まれないもののようだ。それはいつも後から来るらしい。
○今回の事件では、新婚の夫婦が数組巻き込まれたとのことで、結婚式の写真までが報道されていた。彼らのうち何組かは、ちょうど先月僕の友人が結婚したのと同じ頃に結婚したことになる。運命と呼ぶにしても、納得するにはあまりにも悲しいことだ。
○今僕が感じる死の恐怖なんて、観念的になることが許される安定した状況の産物に過ぎないのかもしれない。恐怖とは幸福であるがゆえに感じるものなのだろうか。皮肉なことだが。



11月17日(月)

ハイポジ-BODY meets SING-o u t d e xを更新。ハイポジは11月3日大阪経済大学ライヴリポートの第2弾をUP、「o u t d e x」は書籍・雑誌を6冊分追加しました。10月分のCDレヴューも、木曜日頃にはUPの予定です。その頃には12月がすぐそこなんですなぁ…。
○夏目房之助「マンガはなぜ面白いのか」読了。自身もマンガ家である筆者が、「その表現と文法」という副題の通りに、マンガの持つ構造について詳解した本。「マンガ学」のようなアカデミズムが求められるのは時代の必然であるとして、体系的な分析を意識的に試みている。そうした視点は呉智英の「現代マンガの全体像」にも共通しているが、描線・感情記号・吹き出し・オノマトペ・コマ構成など、マンガを構成する諸要素をより細かく取り上げているのが特徴。個人的に独特の世界がちょっと苦手な少女マンガについて書かれた「少女マンガのコマ構成」が面白かった。実際のマンガを引用しての具体的な解説も多いので、肩ひじはらずに楽しく読める。「マンガ学」なる看板を掲げているので一見大仰だが、何気なく読み流しているような表現に気付かされることも多いので、意外とマンガ家を目指している人が表現の幅を広げるのにも役立つかもしれない。最も繊細な感性を要求されるであろう恋愛マンガの表現の時代的変遷について解説した「恋愛マンガ学講義」も興味深かった。
○ただ気になったのは、マンガ表現と時代性との関連について触れた部分。高度成長期には、手塚マンガよりもゴルゴ13の感情表現の方がふさわしかった…という部分には首をひねった。他に数箇所こうした記述があるのだが、どれも憶測の域を出ていない点が残念だ。



11月16日(日)

ハイポジ-BODY meets SING-o u t d e x の更新作業をしていたら、1日が終わってしまった。っていうか、日が傾く頃に起きたので、そのくらいしかできなかったのだ。ちょい淋しい。
○僕はスポーツに全く興味が無いのだが、点けたテレビでたまたまやっていたW杯の予選は見入ってしまった。早く日記更新しなきゃと思っていても、なかなか終わってくれない。引っ張る引っ張る。「こうして見るとスポーツもなかなか面白いもんだね」なんてセリフ、日本に住む20代半ばの男の言うことじゃないな。そしてラストのシュートが決まった瞬間には「やりーっ!」と大喜びしたものの、考えてみればなんで俺日本を応援してるんだ?なんて次の瞬間には思ってしまった。これって、客席で応援するイラン人母子の姿が画面に映った瞬間にも思ったんだが。敵が存在するがゆえに発生する熱狂を味わってみたかったのかな、とも思う。非国民ですな、私。
○それにしても、マレーシアまで乗り込んだ日本人が2万人いたってのも驚いた。みんな金あるんだなぁ。勝利後に振られる日の丸を見て、国粋主義の記号と純粋な日本国家の記号とが同じであることにも違和感を覚えたが、そんなことを考えたところで一文の得にもならないので、とっとと寝ることにした。



11月15日(土)

栗コーダーカルテット「栗コーダーのクリスマス」、青山陽一「Ah」購入。両方ともメトロトロン・レコードからの発売だ。栗Qの方は、ホームページにレコーディングの状況がUPされていて、こうして実際にアルバムを聴くと感慨深い。クリスマス・アルバムってのはたいてい楽しさとか厳粛さに流れがちだけど、栗Qの場合は「深い」。多種多様な音楽要素が煮込まれていて、かつ様々なニュアンスに溢れている。かつてこの人達にインタビューしたからといってお世辞を言うつもりはないが、本当に駄作を生まないグループだ。
○桝野浩一の短歌集「てのりくじら」、夏目房之助のマンガ論「マンガはなぜ面白いのか」も購入。俵万智があれほど注目されたんだから、桝野の短歌ももっと注目されてもいい気がするのだが、屈折や倦怠感に満ちているから無理か。そこが僕にはたまらなくいいのだが。夏目自身のマンガはあまり好きではないのだが、マンガ関係の文章は結構読ませる。いしかわじゅん同様に、マンガに対する視点が豊富なのだ。もっとも、この本の元となったのがNHKの「人間大学」のテキストだってのは意外だが。



11月14日(金)

○特集アスペクト10「あなたも神経症」読了。自我の軋みを抱える現代人向けの本では、鶴見済の「人格改造マニュアル」という社会倫理さえ無視した傑作があるため、いささか分が悪いのは確かだ。しかし、神経症の症例やセルフチェックなどの定番ネタを押さえた上で、カウンセリングの内容や各種カウンセリングの紹介に大きくページが割かれており、巻末には診療所リストがあるなど、現実的な治療を目指してい点で、神経症に苦しむ読者に安心感を与えてくれるかもしれない。また、神経症と精神病の違いや、臨床心理学の系譜なども簡単に解説されていて、自分が今いる状態を客観的に捉えるのに役立ちそうでもある。もっとも、回避性人格障害の診断基準を示しているのは逆効果かもしれない。神経質な人ほど、自分を人格障害だと思い込みそうだ。
○本書で繰り返し強調されているのは、カウンセラーにしても医師にしても、人間対人間の問題であるのだから相性があるということ。考えてみれば当然のことだが、そんな基本的な問題を明示している辺り、極めて良心的な本だといえるかもしれない。
○それにしても、実際に神経症を患っている人はどのくらいいるのだろう? 症状が表面に出る人はさて置き、実生活はなんとかやり過ごしながらも苦しんでいる人は意外と多いのではないだろうか。そう考えると、神経症というのは誰しも多かれ少なかれ抱えているスタンダードな問題で、ひとりで抱え込むようなことではないのかもしれない。そうかと思うと、神経症気味である自分を、なにか特殊な付加価値でもあるかのように語る人もいる。そんな自己の歪んだ自意識のありようを省みない姿勢は、さらに症状を悪くすると思うんだけどな。



11月13日(木)

○無料掲示板レンタルサーバーのZIPANGに、昨夜から全く接続できなくなってしまった。ここに借りているSWAYの掲示板も当然見られなかったし、友人たちの掲示板も見られない状態だったが、一時的なものだろうと思っていた。ところが今日になっても接続不能。しかも友人から聞いたところによると、サーバーにウイルスが侵入したというじゃないか。ZIPANGのTOPページを見ると、「データの消滅」「復旧の見込みなし」「運営母体が変更」など、あからさまに非常事態を告げる文面が並んでいた。その瞬間頭をよぎったのは、かつて県人会K&Tで起きたトラブルだった。ある日突然サーバーが消滅したり、前触れも無しに移動を強制されたんである。あのおかげで、ハイポジ-BODY meets SING-の掲示板は2回も移動を余儀なくされたっけ…。
○そんなわけで、一度トラブったサーバーは信用できないとばかりに、So-netのページ内に掲示板を設置することにした。最初からこうすればよかったわけで、せっかく借りた掲示板は有効に利用しようという貧乏根性が間違いだった。そんなわけで、事態の把握から1時間後には、ハイポジ掲示板のソースを流用した新SWAY掲示板が完成。ついでに他のページのMETAタグもいじっておいた。やっぱ、無料掲示板はトラブルが発生するものだと覚悟しておいた方が良さそうだ。
○安心したところで深夜ZIPANGを覗くと…もう復活してるじゃないか!早すぎるってば〜。



11月12日(水)

○久しぶりに渋谷でCDの買い出し。こなかりゆ「OOPS!」、COMMON「ONE DAY IT'LL ALL MAKE SENSE」、CORNERSHOP「WHEN I WAS BORN FOR THE 7TH TIME」、ADAM F「COLOURS」を購入。買おうと思っていた奄美大島の島唄オムニバス「あさばな」はHMVになくて入手できず。タワーレコードにはあるんだろうけれど、歩いてくのが面倒で。
○レコファンのレジ横に並んでいた「レコードコレクターズ」の今月号は、BEACH BOYSの「PET SOUNDS」特集。ちょうど「PET SOUNDS」のBOXが輸入盤で入荷したところで、なかなかの商売上手だ。買っちゃったじゃないか。加えて「まんがの森」で、「COMNAVI」というマンガ情報誌の創刊号を購入。マンガの取り巻く現状を総合的に扱った雑誌で、目玉は400冊以上に及ぶ新刊レヴュー。でもこんなにあると、かえって選択が難しくなるんじゃないかな? 内容からもう少しセレクションしてもいい気がした。
○帰宅後、ビデオに撮った少女革命ウテナを観る。…あれ、やばいっすよ。「夕方6時から放送される、少女マンガ的な子供向けアニメ」というイメージを、完全な確信犯で全部逆手に取っているんだから。言い換えれば、アニメの枠組みから逸脱した表現を意識的に行っているということ。ストーリー的にも、映像表現的にも、構成的にも。そして今日の内容は…中学2年生の主人公が…その…とうとう…ダメだ、書けないっ!



11月11日(火)

○初めてぶんか社の「まんがアロハ!」を購入。「ラヴリーほのぼの4コマ」と銘打ってるわりに、「やまだないと」や「ねこじる」や「さそうあきら」が連載してるんだから不思議な雑誌だ。マニアックな作家を集めていた「まんがガウディー」が前身誌だった気がするのだが、本質的に変わってないようでちょっと嬉しい。連載作家にひらがな名の作家が多いのは謎だ。しかし、とにかく読む時間が無い。もう悲痛なほどで、この間買ったおおひなたごうの単行本も読んでない。まいったなぁ。
○しかし週刊発売の雑誌は、読まないと溜まるので優先して読む。週に6・7誌読んでいた頃、部屋に1メートル以上も未読のマンガ誌を積み上げたことから得た教訓だ。そんなわけで、今日は1日遅れで「スピリッツ」を読む。この雑誌には、先週から榎本ナリコという作家が連載しているのだが、この起用が不思議でしかたなかった。確かに凄く面白いんだけど、名前を聞いたこともない作家がいきなり連載をもったんだから。しかし、今週号を見てやっと気が付いた。榎本ナリコって野火ノビタじゃないか。絵が全く一緒で、しかも哲学的な言葉を使うあたりも彼女らしい。エヴァ関係の論客としてブレイクした彼女だが、こんな所でもエヴァの影響はひそか続いていたのか…と納得してしまった。



11月10日(月)

○本屋の店頭に「噂の真相」12月号が並んでいるのを見て、11月ももう10日になってしまったのだと気づく。嫌な気づき方だな。で、この雑誌のマンガ情報コーナーに、青弓社から12月にマンガ評論誌が出ると書いてあって驚いた。マンガの評論の場がほとんどない現在、こんな雑誌をだそうっていう酔狂もとい良心的な会社があるとは嬉しい限り。さっそく青弓社の雑誌でも買って確認しようと思ったのだが、何の本を出しているかが思い浮かばないから情けない。
○ファンハウスにいられなくなったムーンライダーズの移籍先がついに決定、なんとキューン・ソニーになったそうだ。今まで9社だか10社だかを渡り歩いてきた彼らをどこが受け入れるのかと思っていたが、蓋を開けたら大メジャーじゃないの。それにしてもキューンといったら、ジュディマリとかラルクとか若者向け売れ線バンドの巣窟っていうイメージで、そこに平均年齢40歳を優に超えるライダーズが加わることになるとは。もっとも、電気グルーヴソウルフラワーユニオンもいることだし、その辺の音楽求道者的なグループの仲間として考えれば納得も行くかな?なんかえらく年上の転校生みたいだけど。
ハイポジ-BODY meets SING-SWAYを更新。前者には今月3日の大阪経済大学のライブリポートをUP、後者にはリンクを4サイト追加しました。



11月9日(日)

○会社のことに金なんて使いたくのなのは人情だと思うが(僕だけか?)、これも必要経費と諦めてスーツを買いに行く。僕は身長がある方なんで、身体に合うスーツを選ぶのが面倒なのだが、今日は適当に選んだ。ワイシャツと合わせると結構な出費になってしまったが、こういう大口の消費行動は不思議と気持ちいから困ったもんだ。なんかもう一着ぐらい買ってもいい気分。
○とは思ったものの、他にはコンビニでTV Bros.を買っただけ。実質的にはサブカル情報誌であるこの雑誌が、テレビ雑誌という隠れ蓑をかぶって全国のコンビニに流通してるのって面白いよなぁ。連載陣はもちろん、読者投稿のページも屈折してて面白いのだが、なぜ彼らの視線は、「薬でダイエット」だの「身長が10センチ伸びる」だのという怪しいネタ満載のこの雑誌の広告に向かないのだろうか?いや、もちろんこの雑誌最大のタブーなんだろうけど。
o u t d e x更新。一線を越えてしまったアニメ「少女革命ウテナ」を「other」に追加しました。



11月8日(土)

フェデリコ・フェリーニ監督「81/2」を観る。周囲からいくら急かされても映画を作る気になれない映画監督が主人公で、彼が考えるのは、妻と愛人のことや過去へ追憶ばかり。周囲に引きずられてずるずると記者会見を迎えることになるのだが、質問に全く答えられない彼はそこで自殺を計ってしまう。しかし死ぬことができず、結局映画は制作中止に。相棒の脚本家は、君の失敗を後世に残す必要はないと彼を諭す。そして彼は、自分の過去のすべてを受け入れる決心をする…というのがこの映画のストーリー。こう書くと平凡な映画に思われるかもしれないが、実際には現実と幻想が交錯して、ラストには両者の壁が一気に吹き飛んでしまうという実験色の強い作品だ。特にラストの展開は意外で、少なからず感動してしまった。気になる方はビデオでどうぞ。
○初めて「ぱふ」という雑誌を買ってみた。一応マンガ情報誌なのだが、やおい好きの女の子のための雑誌だと思って、今まで敬遠していたのだ。しかし今月号を何気なく手にしてみると、結構マンガの紹介もあるようなので買ってみることにした。たしかに「HOW TO 同人誌」なんて特集は面白かったが、やはり全体に内輪的な感覚を感じてしまうのも事実。なんといおうか、同人誌のフリートークの部分の空気が誌面全体に漂っているという感じなのだ。って、分かりにくい例えですな。とにかく「批評」とか「批判」とかの存在が許されないような世界で、ちょっと居心地悪さを感じてしまった。裏を返せば、僕がこう感じるのも、こうした感覚が好きな人達にとっては完成度の高い雑誌であるがゆえなのだろうけれど。
○夜、大学時代の友人と長電話。会社の仲のいい仲間が次々と寿退社してしまい、仲良しグループの中で会社に残るのは、もうすぐ彼女1人になってしまうとか。20代半ばともなると、こんな形で時間が流れていることを知らされてしまうのかと納得してしまった。



11月7日(金)

○ここ最近はレコード屋に行っても欲しくなるCDがあまりなくて、自分の感性が鈍ってきたんじゃないかと不安になってしまう。別に以前は鋭かったわけじゃないけど。今日はBeach Boysの「PET SOUNDS BOX」が輸入盤で入荷しているのを発見、すぐさま財布を取り出したのだが、日本語解説が付くであろう日本盤を待つことにした。今までに数度発売が延期されたBOXだけに今回も延期かなぁ…と思っていたので、嬉しさもひとしおだ。高い海賊版買わなくて正解だった。日本盤の発売予定日の25日まで少々の我慢だ。いや、筋金入りのマニアの人々は両方買うんだろうなぁ。
○結局この日買ったのは、中村一義の「金字塔」のみ。わざわざデジパック仕様の初回盤を探してしまった。他に、おおひなたごうの「ヨーデル王子」、アスペクトの「あなたも神経症」、そしてエヴァ完結編の「Air」のフィルムブックを購入。戦闘中のアスカの顔が恐すぎ。それにしても「まごころを、君に」のフィルムブックの構成作業は苦労するだろうな、と他人事ながら心配だ。



11月6日(木)

○手元の本を読み終えてしまった時、次に読む本がないと無性に不安になってしまう。一種の脅迫神経症なのかもしれないが、「読書家」という好都合な言葉もあるし、まぁいいや。そんなわけで、爆笑問題の「天下御免の向こう見ず」、斎藤綾子&伏見憲明の「対話 性の技術」を購入。爆笑問題の方はエッセイ集で、太田光が文章、田中裕二が紙粘土を担当している。正直、文章関係は太田ひとりで出しても売れると思うんだが、それでも爆笑問題として活動することにこだわってるんだろう。文章も相棒への愛情が滲んでるし。ちょうどビートたけしの自伝小説「漫才病棟」を読んだ時に感じた、たけしのビートきよしに対する愛情のようだ。肝心の中身の方は、「爆笑問題の日本原論」のような爆笑モノでもないし、意外なほど毒も少ないけれど、太田の屈折した機知が楽しめた。また、高校時代には友人が1人もいなかったとか、「やっぱり」と思わせる彼の過去も興味深い。そうでもなきゃ、あのヒネたセンスは育たないよね。


11月5日(水)

○久しぶりに図書館へ行き、上々颱風の「ためごま」とりんけんバンドの「チェレン」を借りてきた。前者は96年、後者は95年の作品。上々颱風もりんけんバンドも、デヴュー以降の3・4作目辺りまでは毎作買っていたのだが、最近作はほとんど聴かなくなってしまっていた。りんけんバンドは、88年頃に沖縄でのみ発売されていたテープまで聴いていて、やはり登場時のインパクトが大きかった。今もすごくいい音楽を作ってると思うんだけどね。
○95年作「八十日間亜州一周」のあまりのあざとさに嫌気が差してしまった上々颱風だが、この「ためごま」も残念ながら同様の印象だ。かつてサザンオールスターズがインチキ沖縄民謡のような曲をアルバムに入れていて非常に不快に感じたのだが、上々颱風にも同様のものを感じてしまった。作曲能力とアレンジ能力が劣るぶん、サザンよりも音楽的にきついものがある。やはり彼らには優秀なプロデューサーが必要だと思うんだが、今でもきっとセルフ・プロデュースなんだよなぁ。ライヴはいいバンドなのに。
○一方りんけんバンドは、音楽的な基礎体力の違いを感じさせる。インパクトが減じたと感じるのも、視点を変えれば常に一定のクオリティーの作品を生んでいるということ。この「チェレン」もゆったりと楽しめた。
○ところで、もしあなたがエヴァにハマっていた、あるいはハマっている人ならば、ぜひお勧めしたいアニメがある。そのアニメの名は、「少女革命ウテナ」。作品のテーマこそエヴァのようにディープではないが、とにかく表現が卓越している。抽象的で不可解なイメージの連続や、憎しみや錯乱などの異常に緊迫した心理描写など、とても夕方6時にやってる子供向けアニメとは思えないシロモノだ。しかも、同性愛や近親相姦までが描かれていて、時として観る者を金縛りにしてしまう。
○僕は1ヶ月ほど前から見始めたのだが、あっという間に、発売中のビデオを借りてきて標準モードでダビングするまでになってしまった。エヴァで久しぶりにアニメを見た人も、この作品でアニメ表現の進化に驚かされるはず。僕がその典型です。



11月4日(火)

北野武監督の「ソナチネ」を観る。生への虚無感が全篇を覆っていて、なぜここまでクールになれるんだろうと思わせる。そしてそれとは対照的に、ヤクザたちが子供のように無邪気に遊ぶ姿が描かれているのも、生のはかなさを深めていて印象的だ。かつて劇場で観た「キッズ・リターン」は、妙な希望に溢れていて、たまらなく居心地が悪かったのを覚えている。内心は希望が欲しいくせに屈折している僕のような人間には、この「ソナチネ」の方が遥かに迫ってくるものがあった。
○昨日初めてPHSを買った。タダでばらまいてるこの御時勢に、わざわざ1000円払って買ったので、気分は太っ腹。基本的に受け専用にするつもりなのだが、それでも電話帳作成のためカタカナを入力するのに一苦労することになった。パソコンいじってるから、電気機器には自信があったんだがなぁ。こういう機械を持つと、自分のいる場所に電波が入るか気になって仕方がなくなってしまう。世の中が、「電波の入る場所」と「電波の入らない場所」の2つに一気に分かれてしまうようで、なかなか面白い感覚を味わえる。今ごろ言う話じゃないけどね。



11月3日(月)

○いつのことだか忘れたが、犯罪者になる夢を見たことがある。夢の中のことなので前後関係は滅茶苦茶なのだが、とにかく衝動的に犯罪を犯してしまうような話だった。確か人質とかとってた気もする。そして問題は、その事件が解決してこれから警官が来て逮捕されるに違いない…という時の恐怖のリアルさだった。自分の人生がもうすぐ廃物になろうとしていることへのあの強烈な恐怖は、なんであんなにリアルだったのだろう。自分がいつか犯罪を犯してしまうのではないかという潜在的な不安を、僕は心のどこかに抱えているのだろうか?
○そんなことを思い出したのも、小学校時代の同級生が逮捕されたというニュースを聞いたためだった。ストーカーまがいの行為を働いて逮捕されたらしい。無職だったそうだ。そいつとは小学生低学年の頃には家族ぐるみの付き合いすらあって、僕にはそいつの家庭の方がむしろ理想的に思えたぐらいだった。そいつ自身もかつては成績が良い優等生タイプで、どうしても犯罪とは結びつかず、戸惑ってしまった。しかし、考えてみればそいつとはもう10年以上も会ってないのだ。そのくらいの時間があれば、人間なんて簡単に別人になれてしまうのだろう。
○僕がなにより気になったのは、なぜそんなに理性の足枷が外れてしまったのだろうということだった。ストーキングはかなりの長期に渡っていたらしく、それだけの期間なら自己を抑制するチャンスも何度もあったはずなのに。しかし、人間ってのは一回たがが外れてしまったら、簡単に暴走できるものでもあるのだろう。きっと。
○昨日買った「黒い羊は迷わない」第2巻には、こんなセリフがある。「それが汚れた神の正体だ/お前を傷つける世界への、お前の歪んだ愛情だ」。閉塞した生活の中で抱えていた、世界への歪んだ愛情がそいつを犯罪に走らせたのかもしれない。世界は自分を傷つけるが、それでも他者の存在は求めずにはいられない。そうした状態にありながら、正常なコミュニケーションの手段を持ち得なかったら、人間はいとも簡単に犯罪となる行為をできるのかもしれない。そのうえ、酒鬼薔薇の例を持ち出すまでもなく厄介なシロモノである性衝動ってやつが絡んできたら、事態は往々にして目も当てられないことになる。
○コンビニで買ったスポーツ紙には、しっかりとそいつの実名が載っていた。そしてその新聞も、すぐに丸められてゴミとなっていく。なんか人生の軽さってやつを感じてしまった。ま、こんなこと書いてるのも本人に長年会ってなくて、子供の頃のイメージで考えているからで、今の本人に会ったら、犯罪を犯してなくても嫌悪や軽蔑の情を持つのかもしれないけどね。僕のこのとりとめもない考えなんて、きっとその程度の、ナルシズムと御都合主義の産物なのだろう。



11月2日(日)

○友人と会いにお茶の水へ。喫茶店に入るより、缶ジュースでも買って、我々の母校に忍び込んで話そうか…と向かったところ、学園祭の真っ最中だった。どうりで駅前に人が多かったわけだ。学園祭シーズンを忘れるぐらい俺らも社会人になったんだねぇ、と感慨にふけって、おとなしく喫茶店に入った。
○別れた後、レコード屋と古本屋を回る。御茶ノ水駅前のディスクユニオンって、なんであんなにムーンライダーズ関係の中古が揃ってるんだろう。鈴木博文のBOX仕様のアルバムがほとんどあったぞ。しかしめぼしいシロモノはなく、7軒まわっても収穫なしだった。
○本の方も収穫はなく、唯一買ったのが「黒い羊は迷わない」の第2巻。一回体よく終了させられて、続く第2部もほんの10回で終ってしまった不遇の傑作だ。個人的には今年のマンガのベスト1に挙げてもいい作品で、速攻でゲット。展開が慌ただしかった最終回には、数ページ分の書き足しがされていた。地下鉄の中で読み返し、再び感動に浸ってしまった。
○六本木にも寄って、WAVEと青山ブックセンターをチェック。しかしこちらでも僕の消費欲求を刺激してくれるものはなく、歩き回った疲れを感じながら、再び地下鉄に乗って帰宅したのだった。



11月1日(土)

o u t d e x更新。エヴァ第4巻・しりあがり寿・「マンガの鬼」・「COMIC GON!」など、マンガ関係を強化。ほかに「オルタカルチャー」・「諸君!」などの書籍&雑誌も追加しました。
○宝島社の「雑誌狂時代」読了。各ジャンル別の雑誌の比較や、様々な雑誌の栄枯盛衰の歴史など、雑誌好きの僕には楽しい1冊だった。今は亡き「03」や「宝島30」も面白かったのになぁ、なんて回顧モードにも入ってしまった。
○それにしても、普段何気なく読んでる雑誌ってのは、本当に企画に苦労してるんだろう。そんなことに改めて気がつくと、今度は自分が作るページの企画性のなさが気になってきてしまった。「o u t d e x」にしても、まだまだひねりが足りない気がするのだ。この辺はまだまだ精進せねばいけませんなぁ。




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