小心者の杖日記

2009年9月11日

「分別ざかりの無分別」vol.1@高円寺Club Mission's

 高円寺Club Mission'sでの「分別ざかりの無分別」vol.1でDJ。

 今夜はryuto taonと抱擁家族との対バンが遂に実現するほか、DJもマンガ家の山本直樹さん、イシハラシンゴ a.k.a. onanieCEOさんなどが集まるという、よくわからないけれどサブカルな感じのイベントです。

 「サブカル文化人枠で」DJをやれと主催のかちゃくちゃくんに言われたものの、久しぶりの非PerfumeイベントでのDJだし、出版関係者も多く集まるであろうイベントなので、音楽評論家らしい穏健なセットリストでいくか……と考えかけた僕を目覚めさせたのが、かちゃくちゃくんによる檄文でした。「2009-09-09 - 大衆決断」より転載。


たとえば、仕事の合間を縫って、一生かけて手づくりで奇妙な城を建てたフランスの郵便配達夫シュヴァルみたいに、あるいは橋本治が『巡礼』(新潮社)で緻密に描いたゴミ屋敷の主人みたいに、自分で定めた生き方をまげない、まげられない人たちがいる。道のりが険しくても生き方をひとつにしぼりきった人たちがいる。だれに言われたわけでもないのに。

それらの生き方は、極端にこっち側から逸脱したものと映るけれど、こちら側と完全に切れた世界とは言えないはずで、人によっては、どこかに哀切と共感をおぼえるところもある。

たとえばブラウザがフリーズするまでタブを増やして使ってみたり、新譜コーナーや新刊台、雑誌売場にへばりついて、前傾姿勢で汗をふき出しながら生きていく。蜂の巣みたいな社会のなかで、そんな生き方をしぜんにえらんだ人たちがいる。テレビで見るガラパゴス諸島の恐竜みたいな生き物みたく、周りの風景を気にもせず、自分らの流儀で退屈をとり鎮め、生きるバランスを獲得している人たちがいる。

つぎの十年に向けて、さらに深くいっそう孤独に、見える人にしか見えないものばかり見つづける人たちの、おだやかな持久戦がつづく。『分別ざかりの無分別』は、それぞれの場にある人たちを支持して肯定するだろう。なぜなら彼らとは、我々、そしてあなたのことなのだ。


 ならば、私は私であるべきだ。そう考えた末の演目は以下です。このセットリストを郵便配達夫のシュヴァルに捧げます。ええ、シュヴァルもいい迷惑でしょうけど。


00.【寸劇】「STUDIO VOICE」最終号を見てから、死ね。
01.【The Ms a.k.a 宗像夫婦ライヴ】βぱふゅーむ / ネットでたたいてやる!
02.Chu!Lips / とびっきり!恋の大ジャンプはK点越え!
03.ランカ・リー=中島愛 / 星間飛行
04.toutou / すっぱいのはニガテ
05.Cutie Pai / 小っちゃな翼
06.marino / パン・ダ marinopp
07.amU / グレック・グレック
08Saori@destiny / EZ DO DANCE
09.******* / Bucky China Discotica(mushup)
10.広末涼子 / 明日へ Remixed by TIM GANE from STEREOLAB


 「ネットでたたいてやる!」をカヴァーしたのは、原曲である「ネットで叩いてやる!」を歌った大正九年について「大正九年ってサブカルっぽくね?」と話したから、という単純な理由です。個人的には手堅すぎるぐらいの選曲のつもりでしたが、冷静になると非ヲタには知られていない楽曲ばかりでした。盛りあがってくださったみなさん、ありがとうございました! 帰り際に知らない人から「皆さんで練習したんですか?」と真面目に質問されたので、地下アイドルの現場はいつでもあんな感じですから、と説明しておきました。


The Ms a.k.a 宗像夫婦


 妻は、セーラー服、「造反有理」のテープ文字のヘルメット、拡声器、ゲバ棒代わりのライトセイバー。山本直樹さんの「レッド」への勝手なオマージュですが、後から山本直樹さんが妻の写真を撮っていたと聞いて高まりました。

 ちなみに、僕は広末涼子の武道館ライヴTシャツを着用。そう、かちゃくちゃくんと初めて会ったのは、1999年の広末涼子の武道館ライヴの終了後だったのです。人が多かったので、「電灯の下でTシャツを頭に乗せてるのが俺なんで」と電話で伝えて、そんな僕を見て笑いながら近づいてきたのがかちゃくちゃくん。それが10年前の話で、僕は今夜そのTシャツをDJブースで着たのでした。

 山本直樹さんにはサインもいただきました。娘さんからマジックをお借りして恐縮です……。山本直樹さんのDJは「レッド」な時代からの選曲でしみました。


山本直樹さん


 ryuto taonと抱擁家族は、以前見たときよりもはるかにクオリティが上がっていました。MCは文学性をより増しつつもフリースタイルな要素も操り、言葉を明確に届けてきます。サウンドも、エレクトロニカのみならず、ジャジーなドラムやアフロなリズムをサンプリングするなど幅が広がっていて、非常に興奮させられました。

 一番良かったのは、福屋書店で握手会をしたアイドルがブログで引退を表明するという内容の楽曲です。曲名聴き忘れた!


ryuto taonと抱擁家族

ryuto taonと抱擁家族


 来てくださった皆さん本当にありがとうございました!


山本直樹「レッド」第3巻

山本直樹「レッド」第2巻

山本直樹「レッド」第1巻

投稿者 munekata : 2009年09月11日
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コメント

>シンジ上級曹長さん
なんかいつの間にかまた昇格している気がします。おめでとうございます。
「造反有理」、時代考証がいいかげんなのでこれで山本直樹さんの前に出ていいものかとも考えましたが、写真を撮ってもらえたので大丈夫そう、です。
「福屋書店で握手会をしたアイドルがブログで引退を表明するという内容の楽曲」は、冒頭は普通のラヴソングみたいなのですが、最後にアイドルへの片思いであることがわかるという流れなんです。せつないです……。

投稿者 munekata : 2009年9月21日 03:08

いくさんの「造反有理」スタイルがハマリ過ぎてて、戦慄と表裏一体になった感動を覚えました。
「福屋書店で握手会をしたアイドルがブログで引退を表明するという内容の楽曲」、これは僕も聴きたかったです。何とも言えない無情感が伝わってくるようです。

投稿者 シンジ上級曹長 : 2009年9月15日 12:36
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