トモコさんから僕の携帯電話に着信があったのは、8月2日の23時近くでした。僕が「どうしたの、羞恥心?」と開口一番に軽口を叩いてもトモコさんから反応はなく、そして彼女が伝え始めたのはRYOさんの訃報でした。あのいつもタフだったRYOさんの。
午前1時過ぎ、終電に乗った僕といくはトモコさんの家にいました。やり場のない思いを抱えた10人が集まり、笑いもしましたが、しかし全員が沈痛な思いなのは隠せないまま朝に。
いくはそのままトモコさんの家で寝て仕事に向かうことになり、僕は朝に一旦家に帰って昨夜するはずだった原稿仕事をすることにしました。そして数時間の仮眠の後、Zepp Tokyoでの「GIRLPOP FACTORY 08」へ向かったのです。
開演の後、やがてPerfumeが登場。「GAME」に続いて「エレクトロ・ワールド」が始まった瞬間、やりきれない悔しさが噴き出すのを止められませんでした。僕は2段目からファンの熱狂するフロアを見ていたのですが、そこにはもうRYOさんはいません。なぜだ。死というものの圧倒的な不条理さを痛感させられた瞬間でした。「SEVENTH HEAVEN」で泣き出して止まらなくなったいくの肩に手を置きながら、しかし泣いてないでRYOさんの分までPerfumeを見ろ、と心の中で思いました。そして、まさかの「スウィートドーナッツ」。なんという偶然。
反省会には、ライヴに来ていなかった界隈の人々もたくさん来てRYOさんを偲びました。その場で、僕はヲタ仲間から「自分の病気は治らない、だから現場に行くしかない」とRYOさんが語っていたという話を聞き、彼がなぜあれほどまでに現場にこだわっていたのかを初めて理解しました。まさに命懸けだったのか……と。
僕といくがRYOさんと話すようになったのは2007年の夏頃からで、僕ら夫婦が「ポリリズム」の東京と名古屋のリリースイベントに全部参加したり、同じように2008年の「Baby cruising Love / マカロニ」の東京と名古屋のリリースイベントに全部参加したりするようになってから、現場や反省会で話すことが急速に増えました。RYOさんはほとんどすべての現場にいたのですから、必然だったのです。
3月にPerfumeヲタ13人が宗像家に集まって飲み明かしたときにもRYOさんは来てくれて、あのときPerfumeが終わる日についてみんなで話したことが不意に思い出されます。僕が6公演を見たGAMEツアーでは、RYOさんは全公演を見るという荒技をしていて、特に地獄の仙台ライヴの後の反省会ではRYOさんとそれまでになくたくさん話した記憶があります。
RYOさんと最後に会ったのは、「Perfume Night」Vol.2のあった6月28日から29日にかけて。僕は自分のDJ時にビデオカメラを回しっぱなしにしていたのですが、そこには「おいしいレシピ」で渾身のジャンプをするRYOさんが記録されています。
厄介、必死、残念。そうした僕たちヲタの価値観をすべての人に理解してほしいなどとは言いません。故人を無理に美化しようとも思いません。ただ、もし8年のPerfumeの歴史を知って感動する人がいたとしたら、彼女たちの上京後、1位を獲得するまでの間ずっと命懸けで応援し続けて、そして死んだヲタがいたことを伝えたいのです。
RYOさんの今年6月30日のブログより。
それにしてもゆかママの死ぬまで頑張らなきゃダメ!
はどうにかならないテンプレなんですか?顔見る度に言われても・・・頑張ってますって!
そう言われて、RYOさんは本当に死ぬまで応援し続けたんですよ。どんなヲタ芸だよ!
RYOさんは、死んでもきっとあ〜ちゃんや、當山奈央や、仲の良かったヲタ友達を見守らないといけないので、きっと現場系は死んでも現場を回すのに忙しいんだよ……と笑って見送りたいのです。本当は。ただ、僕の中では、Perfumeが「GAME」や「love the world」で1位を取ったことや、11月の武道館ライヴと同じぐらい、「RYO生前 / RYO死後」という区分が大きな意味を持ちそうな予感がするのです。
RYOさんは、結果的に彼の命を奪うことになる持病についてブログでも書いていましたが、周囲に持病の重大さはあまり語っていなかったようです。だからこそ僕らは訃報に呆然としたし、そして彼がこの世を去ってから、生前の彼の発言の中に「死」を意識していた部分があったことに初めて気づきました。
RYOさんが生涯の最後の時期、僕やいくと仲良くしてくれたことに感謝します。本当にありがとう。3人の天使に導かれてSEVENTH HEAVENへ行った後も、気が向いたら現場を回してくれよ。やりきれないから、そう願うよ。
今日はなんだかため息ばかりついていた - 適当
最前センターの男 - ex
728日目と595日目と56日目 - 高山えみりを応援するピカ(-∀-)の日記
2008-08-03 - 赫い一匹狼の遠吠え。
2008-08-03 - げんじろう
はじめまして。
最初なのでハンドルネームLeoとさせて下さい。
コメントを差し上げるのは初めてなのですが、ブログの方はたびたび拝見させていただいておりました。
このブログにたどりついた経緯の詳細に関しては今はもう忘れてしまったのですが、Perfume関連の検索をしていて辿り着いたのは間違いありません。
私がPerfumeを知ったのは恐らく今のファンの方々のほとんどと同じように「ポリリズム」からでした。ただ、TVのCMで流れた記憶は今もあまり鮮明に残っておらず、どこかのTV番組で「ポリリズム」を歌っているのを見かけたのが最初でした。また、いきなり「ポリリズム」の曲が好きになったわけではなく、どちらかというと「ポリリズム」という曲名が気に引っ掛かりました。私は年齢的に70年代のブリティッシュロックを聴いて育った世代で、「ポリリズム」というとどうしてもプログレ系とかZeppelinの曲のリズムとかを思い浮かべてしまうのですが、そんな音楽の解説に使われることが多い音楽用語の曲名を歌う女の子たちはなんなんだ?「ポリリズム」の意味は分かっているのかな?という印象が強かった気がします。
その後はしばらくは気にはなっていたもののCDとかを買うまでには至らず、完全に興味を持つようになるのはこれまた多くの方々と同じく「GAME」がきかっけ、という次第です。
前置きが長々となりましたが、コメント差し上げようと思ったのは、このブログで書かれているRYOさんならびにあなた様(お名前が分からないので失礼します)も含めて、私がPerfumeを知るまでファンとしてよく支えてくれました、という感謝の言葉を述べたくてコメントいたしました。
宇多丸さんの「マブ論」なども読みましたが、
ほんとに今のPerfumeの状況は「よくぞ耐え切った」ということだったのですね。
みなさんの音楽に対する先見性の明というか、感受性の高さとか、ほんと敬服に値します。
大事なお友達を亡くされて悲しみの淵にあることと思いますが、このブログでRYOさんという貴重な方がいらっしゃったことは私もしっかりと記憶に留めておきたいと、それだけはお知らせしておきたく思います。
では、長いコメントご容赦下さい。
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