渋谷のシネカノン試写室で、ピエール・イヴ・ボルジョー監督「Return To Goree」の内覧試写会。ユッスー・ンドゥールの音楽プロジェクトを描いたドキュメンタリー映画です。
ユッスー・ンドゥールは母国セネガルで、かつて奴隷売買の地であったゴレ島を訪れ、そこからアフリカ音楽が伝播し変容していった痕跡を追う旅へと向かいます。一緒に旅をするのは、スイスの盲目のジャズ・ピアニストであるモンセフ・ジュヌ。
ゴスペル、セカンド・ライン、そしてジャズのミュージシャンたちとセッションしながら、アメリカからヨーロッパへと渡り、ジャズへとアプローチしていきます。そして、出会ったミュージシャンたちをセネガルに招き、彼らとゴレ島でライヴをするまでを描いた作品です。
その旅が文化的、宗教的な壁に直面したこともこの映画は記録しています。W.マイケル・ターナー Jr.らのゴスペル・グループに、ユッスー・ンドゥールは「イエス」という言葉を置き換えてくれと頼み、グループ内は議論に。その後に、ホテルでイスラムの礼拝をするユッスー・ンドゥールの姿が挿入されているのは意図的なものでしょう。
そしてゴスペル・グループも最終的にはユッスー・ンドゥールの提案に同意し、さらにゴレ島にあるかつての奴隷館で過去を伝えている活動家、ブバカル・ジョセフ・ンジャイの前で、ゴレ島をテーマにしたオリジナル楽曲を歌うシーンはこの映画のハイライト。カメラはその歌に聴き入るブバカル・ジョセフ・ンジャイの顔をアップで撮り続けます。
なお、楽曲はフルでは収録されていないので、サウンドトラック盤の発売が待たれます。ジャズに接近しつつもフュージョンっぽくなっていないのでは、グルーヴ重視のサウンドに仕上がっているためでしょう。
日本での公開時期はまだ未定だそうですが、2008年のロードショーが予定されています。
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