吉田アミ「サマースプリング」(→amazon.co.jp)は、ミュージシャン、文筆家として活動する著者の初の単行本。編集は郡淳一郎と木村カナが担当しています。
吉田アミの単著の発売がアナウンスされてから実際に発売されるまで、いったいどういう内容なのか僕は知らずにいたのですが、購入してみるとそこには「ノンフィクション」という文字が。主人公も「吉田亜美」であり、彼女の中学生1年生の春から夏の日々を描いた作品でした。
そして、読み進めているときの感想を正直に記すならば、それは強烈な困惑でした。気の触れた「ハハ」と「ソボ」と同居する絶望的な生活、友人や教師との関係が生み出す自意識のねじれ。凶悪なまでに生々しい記録です。
あとがきで吉田アミは、「この原稿は誰にも見せたくないくらい嫌なのだ」と述べ、そしてそれを公表する理由と、現在から見た当時の自分への感想を記しています。本編を通読した後に読んだこのあとがきは、ある種の達観を含むがゆえに、何かの深淵を覗いたかのような気分になるものでした。彼女の次の著作には、このあとがきの感覚の作品への濃厚な反映を期待したいです。
このエントリーのトラックバックURL : http://www.outdex.net/mt/mt-t-b.cgi/2180