8月末に届いた「NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX<復刻版>」をやっとすべて見ることができました。2003年に発売された「新世紀エヴァンゲリオン」のDVD-BOX(→amazon.co.jp)を再現したもので、赤くて透明な特製ボックスにDVD11枚、ブックレット、ビデオやLDの発売時に付属していた「EVA友の会」全14号の復刻版を収録したものです。DVDは、OAフォーマット版26話、ビデオフォーマット版4話、「DEATH(TRUE)2」、「Air/まごころを、君に」で10枚で、さらにボーナスディスク。このボリュームなので、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を先に観てしまいました。
ちなみに「NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX<復刻版>」は予約限定で、8月1日に発売に発売されたコンパクト・ケースを採用した廉価な「NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX '07 EDITION」(→amazon.co.jp)もAmazon.co.jpではすでに売り切れ。現在は、「NEON GENESIS EVANGELION vol.01」以降のバラ売りのDVDが入手可能な状況のようです。
僕がこれまで揃えていたのは、1997年から発売された第1期リリース版DVD(その前にはLDも買っていました……)で、そのため2003年のDVD-BOXは買うのを見送りました。しかし2007年に「NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX<復刻版>」で全話を見返すと、第1期リリース版DVDと印象がだいぶ異なります。新たにテレシネをしたコンポーネント・デジタル・ニューマスターを使用した映像、5.1ch音声化、そしてビデオフォーマット版を底本にしたリニューアル作業というのはかなり大きいです。
全話を見返してまず感じたのは、自分は「第八話 アスカ、来日」から始まる「第2部アクション編」が一番好きなのだ、ということです。惣流・アスカ・ラングレーが登場して一気に雰囲気が明るくなり、ラブコメのような「第九話 瞬間、心、重ねて」、コメディ色の強い「第拾壱話 静止した闇の中で」と続きます。ただこの「第2部アクション編」は各話完結なので、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」で省こうと思えばいくらでもできそうなんですよね……。まぁ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」からは根本的に別の展開になるのかもしれませんが。
作画監督が10人もいるので各回によって絵の印象はかなり異なり、個人的には鈴木俊二、本田雄、長谷川眞也が担当した回が好きです。「第六話 決戦、第3新東京市」の絵はクセを感じるので、ヤシマ作戦と「笑えばいいと思うよ」の後の綾波レイの笑顔は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」で描き直されて良かったのかもしれません。ちなみにこの綾波レイの笑顔、考えてみればOAフォーマット版、「DEATH」、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」と3回も描かれているんですね。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」で見事に省かれた、「第四話 雨、逃げ出した後」の駅のシーンも好きなエピソードです。「第拾九話 男の戰い」の戦闘シーンも、使途を倒そうとする碇シンジのサディスティックな表情も含めて最高。ビデオフォーマット版の追加シーンが多い「第弐拾弐話 せめて、人間らしく」も見応えがあります。深夜の再放送でハマった当時は、たしか「第拾六話 死に至る病、そして」の内面描写に衝撃を受けた記憶があるのですが、10年が経って自分の受け止め方が変わったようにも感じます。
なお、その「第拾六話 死に至る病、そして」は過去に現像所から16mmオリジナルネガが紛失しているそうで、他の回と続けて見ると明らかに画質が劣るのが残念なところ。
そして「第弐拾伍話 終わる世界」「最終話 世界の中心でアイを叫んだけもの」へ。このいきなり梯子を外されたような感覚が快感です。その最終2話をリメイクした「Air/まごころを、君に」は、陰惨で感動的なドラッグ・ムービー。この強烈さを「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は超えられるのか……という不安が残りますが、まぁ庵野秀明ならなんとかするでしょう。今回、初めて夫婦で全話を一緒に見たのですが、「Air/まごころを、君に」に関しては細部の解釈がわかれました。改めて見ても罪作りな作品です。
かつては気にしなかったスタッフ・ロールも注意してみたのですが、「電脳コイル」の磯光雄が脚本と設定補、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」の京都アニメーションが背景、「さよなら絶望先生」のシャフトが仕上げと、自分が今見ているアニメの制作スタッフが多く参加していることに気付きました。
ボーナスディスクの内容は、AR用定尺ラッシュビデオ、番組宣伝スポット、ノンテロップOP・ED、「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0 IN THE BEGINNING 特別先行編」、各種スポット集、「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0`THE LIGHT FROM THE DARKNESS」、劇場版#26実写パート(特別ラッシュ編集版)。
AR用定尺ラッシュビデオではアフレコの気分を味わえます。というか、よくこれでアフレコできるなぁ。「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0 IN THE BEGINNING 特別先行編」にはスタッフのインタビューが収録されていて、貞本義行が林の中、鶴巻和哉が池のボートの上、庵野秀明が自然などをバックにした合成画面と、それぞれ妙なシチュエーションで話をしています。「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0`THE LIGHT FROM THE DARKNESS」には、高橋洋子の「魂のルフラン」のビデオ・クリップが収録されていて初めて見たのですが、カラオケかと思うようなチープな映像でした。
そして、ボーナスディスクの中で最も興味深かった映像は、劇場版#26実写パート(特別ラッシュ編集版)。本編と予告編で一部が使われたものの、他は未使用だった実写映像を、庵野秀明がDVD-BOXのために台本に沿って編集したという約13分の映像です。出演は、宮村優子、三石琴乃、林原めぐみなど。この映像の終盤には、「アスカ」「僕がいない」という声が突然入ります。流れから碇シンジの声であることはわかるのですが、緒方恵美の声ではありません。実は音声素材が揃ってなかったために、庵野秀明自身が入れた碇シンジの声だとか。彼のたったふたつのセリフは、最高に気持ち悪くて、最高に気持ち良いです。
そしてふと、漫画・貞本義行による「新世紀エヴァンゲリオン」第1巻(→amazon.co.jp)の巻末に掲載されている、アニメ開始前の庵野秀明による所信表明文「我々は何を作ろうとしているのか?」を再読してみると、深く考えさせられるものがありました。
『新世紀 エヴァンゲリオン』には、4年間壊れたまま何もできなかった自分の、
全てが込められています。
4年間逃げ出したまま、ただ死んでいないだけだった自分が、ただひとつ
『逃げちゃダメだ』
の思いから再び始めた作品です。
自分の気分というものをフィルムに定着させてみたい、と感じ、考えた作品です。
それが、無謀で傲慢で困難な行為だとは知っています。
だが、目指したのです。
結果はわかりません。
まだ、自分の中でこの物語は終息していないからです。
最後にどうでもいい話。1997年に開設したマニアの受難を7年ぶりに更新しました。トップページのリンクだけですけどね。

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