小心者の杖日記

2006年11月28日

枡野浩一「ショートソング」

 枡野浩一「ショートソング」(→amazon.co.jp)は、作者の初の長編小説。

 19歳の童貞と25歳のプレイボーイのそれぞれの視点から交互に語られる構成は、最初こそグルーヴを削いでいるように感じられましたが、読み進むにしたがってつながりのスムーズさを増していきます。

 短歌と恋愛を軸にして物語は進み、終盤で「喪失」が登場することで物語はクライマックスに。そして、短歌がテーマになっていたからこその、目が覚めるようなラストを迎えます。同時に、この小説が短歌を作ること、ひいては物を書くことの意味をストレートに語っていることにも気づかされました。これはとても清々しい青春小説です。

 作中に大量に引用されている短歌は、枡野浩一自身の作品もあれば他の歌人の作品もあります。登場人物別に短歌を振り分けるうまさも、作者ならではでしょう。


枡野浩一「ショートソング」

[ 書籍 ]
投稿者 munekata : 2006年11月28日 このエントリーをはてなブックマークに追加 Save This Page to del.icio.us このエントリーをlivedoorクリップに追加 このエントリーをニフティクリップに追加 このエントリーをBuzzurlに追加 このエントリーをFC2ブックマークへ追加 このエントリーをnewsingへ追加 このエントリーをYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをイザ!ブックマークに追加
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