高浜寛「凪渡り 及びその他の短篇」(→amazon.co.jp)はその副題の通りの短編集。まずその表紙と裏表紙の絵の美しさにしばし見とれてしまいます。
高浜寛が描くのはどの作品でも対の男女であり、その距離感が絶妙です。そして、人間が持つドライな部分とウェットな部分をともに描写しつつ、意表を突く展開を盛りこんでみせます。この単行本を読み終えてみると、高浜寛が登場人物たちへ注ぐ愛情も感じました。
その中でも、相手の女性が最後まで絵では登場せず、挿入される写真、落書き、レシートが男女の関係を物語る「Introduction」が特に秀逸でした。見知らぬ隣人との関係を描いた「Hygro-45」も面白かったです。
珠玉の、と呼ぶのにふさわしい短編集だと思います。
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