小心者の杖日記

2005年12月 6日

今井紀明さんにお会いしてきました

 今井紀明さんにお会いしてきました。

 お会いすることになったそもそものきっかけは、先週発売された「週刊文春」12月8日号に掲載された今井さんの手記「『イラク人質3人組』今井紀明君ザンゲ手記『批判のお手紙には一通ずつ返事を書いています』」を僕たち夫婦が読んだことでした。その手記には、批判を愚直なまでに真摯に受け止めて、立場の異なる人々とも苦痛を乗り越えて対話しようとする彼の姿勢が描かれており、僕は率直に好感を持ちました。それは、かつて今井さんの著書「ぼくがイラクへ行った理由」(→amazon.co.jp)と「自己責任」(→amazon.co.jp)を読んだ後に抱いた微妙な違和感を払拭するほどのものだったのです。

 それから大学生の橋爪明日香さんが今井さんを撮影したドキュメンタリー作品「みんな、空でつながっている〜イラク拘束事件・今井紀明君に出会って〜」がOurPlanet-TVで配信されているのを知って見たりしていたのですが、その後ひょんなことから今井さんと直接コンタクトできる状況になり、メールの交換を経て、ちょうど東京に滞在中だった彼との対面が実現したのでした。

 待ち合わせ場所に僕と妻が行ったところ、メガネなどをかけることもなく素顔の今井さんが立っていたのでちょっと驚いてしまいました。そしてまず握手。彼は実にハキハキとしていて気配りの行き届いた好青年でした。

 僕は思想的には左寄りでありながら、左翼の人々の独善的な言動に辟易させられることが多いという微妙な立場におり、そのためイラク人質事件についての世論、そして人質を擁護する人々の発言の両方に、ずっと複雑な感情を持っていました。

 しかし現在の今井さんは、左寄りではあるけれど左翼でも右翼でもないと語ります。彼と直接会うまでの間に、マスメディアで公開されていない今井さんのテキストを大量に読む機会にも恵まれたのですが、その内容からしても、「週刊文春」の手記の内容からしても、今井さんは「左」とも「右」とも異なる新しいスタンスから人々にメッセージを送りうる存在になれるのではないかという可能を強く感じました。現在、社会は右傾化している印象を受けます。それには様々な原因が考えられますが、左翼の人々の言動にも反感を買う大きな原因があると僕は考えるので、なおさら今井さんの新しいスタンスは貴重に思えるのです。

 これまで今井さんの著書などから、無防備さと無鉄砲さを併せ持つ人物というイメージを持っていたのですが、現在の彼は、事件を教訓にして慎重さと思慮深さを身に付けたようでした。そして打たれ強さも。今井さんがイラクと日本で体験したことの過酷さを想像すると気が遠くなりそうですが、その経験を乗り越えて彼が語りだす言葉に、僕は期待をせずにはいられません。

 別れ際、再びまた僕らは握手を交わしました。今井さん、また必ずお会いしましょう!


今井紀明「ぼくがイラクへ行った理由」

今井紀明「自己責任 いま明かす『イラク拘束』と『ニッポン』」

[ 社会 ]
投稿者 munekata : 2005年12月06日
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