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baritonesax 1405

「マジレスのbaritonesax」
 レーザー脱毛の広告で「きゃりーぱみゅぱみゅもやってるよ」っていう煽り文句にきゃりーぱみゅぱみゅが「私脱毛したことないよ」って言っているのが、「私は(剃ってるから)レーザー脱毛したことないよ」なのか「私は(この店で)レーザー脱毛したことないよ」なのか「私は(毛が薄いから)脱毛したことないよ」なのか。この答えを待っていたら5月、終わりそうなんですけど。私の中でこのことすっごく大事なんだけど!

 BiSの2.5Dでの女子イベで、私が体張ってもぎ取った質問コーナーの質問権でoyktの娘が質問した「小さいころなにになりたかったですか?」(この質問も素晴らしい)に対してのプールイの答え、「アイドルになりたかったけど、私は体毛が濃かったから、こういうテレビに出る人になれないと思っていた」をBiSの中でも数少ない良エピソードとしてちょいちょい思い出すし、口に出す。
 プールイも言っていたが今でこそレーザーでの脱毛がカジュアル化していて悩みようがないだろうけど。ただ昔は学校の保健体育の授業で習う第二次性徴の特徴としての発毛とテレビや雑誌の中でのツルツルの女の子たちに恐怖を感じていて、プールイが思ったように「毛の生えている私はテレビの中のあの子になんてなれない」って思うくらい、毛ってのは向こうとこっちを分断する川だった。そして情報があってもレーザー脱毛以上のお金をかけないとお店まで行けないという地方の女の子は同じように恐がっていると思う。
 そういう子に対して、きゃりーぱみゅぱみゅは「私はレーザーじゃなくて剃ってるよ。別にそれで十分だよ」って言ったら、それだけで救われる子はけっこういると思うんだよね。そういう裏側を隠したいと思うんだったらそもそも「私脱毛したことないよ」とか言うなって話だし。言うんだったら処理法も言えよって。

 っていうノリで私は妙齢のアイドルの生理対策とかすんごく気になってしまうのです。この一億総アイドル時代にアイドルになりたいけど生理が重くて不順で一度血でスカート汚しちゃって人からヒソヒソ言われたことがある子が「あんな毎日白い衣装着て踊ったりなんてできないから私はアイドルになれない」って思っちゃうのは悲しいかなーって。昔のコバルト文庫の作家のあとがきはそういう生理とか第二次性徴への嫌悪感が書かれていたような気がするけど、最近はとんに見ないし、かといってオープンになったという感じでもないなあ。きっとバレエスクールやプロ志向のスポーツスクールなんかではきちんと保護者会で情報共有されてるんだろうけど、始めたいけど怖くてできないっていう子は、それはそれはとても可哀想だと思う。
 と、いう意味で徹子の部屋で女子サッカーの澤選手に「生理のときとかどうなさるの?」って聞いた徹子は偉大だと思ったし。あれを見てできないって思っていた子が「やろう」と思ったとしたら、本当に素晴らしいことだと思う。

 私が小学生のころ、1こ下の子とよく一緒に遊ぶことがあって、その子はまあスポーツ大得意のスカート絶対はきたくないの女子サッカーやりたいっていう子で同学年で女友達がいなくてなぜか私たちと一緒にいることがちょくちょくあった。中学生になって、田舎の中学校には女子サッカー部なんてものはないからバスケ部とか入ったんだけど別に強くも、そもそも練習もしていないから結局彼女はヤンキーになってレディースのテンプレみたいな恰好をするようになった。
 私が83年生まれなんで、彼女は84年になるわけだけど、ヤンキーばっかのクソ田舎に女子サッカーチームなんてありえないし、サッカー部に女子を入れるだなんてことを認める人間はいないし、windows95の時代とはいえ、中学校のパソコンはネットにつながらないwindows3.1で、スポーツは得意でも勉強は苦手の彼女に女子サッカークラブ的なものの情報を得る手段はなかった。その彼女が選んだ道が大嫌いなスカートをはいて(しかも長い)、ヤンキーの隣にいて媚を売るようなレディースの道だったっていうのが「ヤンキーは文化的でない」ということと言わずになんと言うか、と私は思っている。これがヤンキーだ! そしてヤンキーをはぐくむ土壌なのだ。もし会彼女の才能を本気で信じてサッカー協会に電話をして女子サッカーについて聞いて最寄(おそらく名古屋か静岡だろうなあ)の女子サッカークラブの見学のアポをとりつけて親を説得してお金も工面して見学させていれば、もしかしたら彼女は今頃なでしこジャパンで澤選手の隣にいたかもしれない。そしてそうでない今は父親違いの子供を3人くらい生んでるかもしれない。彼女は小学5年生の頃あんなに「女になること」を嫌がっていたのに!

 とまあヤンキージェンダーを語ってみたが、こういうことはもう電通さんは御存じだろう。どうぞどうぞそのマーケティングを次の莫大な富に還元してください。それまで私はボーダーのTシャツの裾からのぞくおへそでSPANK HAPPY聴きながらよしもとよしともの「青い車」を読んでスタバでAirMacきめてます。

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(老人のしょんべんのような)追記

 バカで無知で金のないヤンキーがそのヤンキーゆえに40年ほど前からのジェンダーに固執せざるをえない文化的弱者、というのを前提としてじゃあサブカルクソ野郎どもは自由な強者なのかというとそうでもない。
 「今だと『私、陰毛はえてるからうしじまさんのパンツはいて自撮できない』だな。」とつぶやいたけど、(自意識とか承認欲求とか無視して)うしじまさんのパンツ買って自撮りしようと思って陰毛剃って写真撮って加工してアップしたもののその2、3日後にぽつぽつ生え出す陰毛を見て「私、陰毛はえてるからうしじまさんのパンツはいて自撮できない」って思うのは、レディースになってしまった一こ下の彼女と同じ屈服じゃないかなと。彼女には女子サッカークラブという情報を得ることが出来なかったという愚かさ(愚か?)だけど、うしじまさんのパンツはいて自撮できないのは憧れの貧困さというなんていうか自分ではどうしようもできない部分がちょっとあるとこじゃないでしょうか。つまり、陰毛カッコよく出してエロい自撮りあげてる子がいないってこと。(でもヘアがでてるとわいせつにあたるんだっけ?)

 じゃあお前やれよって言われても、私、お手本ないとできないタイプなんすよ。創造性とかないんすよ。そういうもの持っているほうが少ないと思うんすよ。つかそういう独創性とかが人を惹きつけたり心酔させたりすると思うんすよ。だから普通一般そんなのないっすよ。そういう意味では弱者っす。
 でも、そのロールモデルを探してくることは各々の責任というか、それ怠るのは愚かで弱者でしょ。って。まあ陰毛だしてるおしゃれ写真って相当な難易度だけど。法律的にもセーフかアウトかよくわからないし。でもうしじまさんがつけヒゲならぬつけ陰毛とかやったら真似する子出てきそう。まあそういうことです。

 これと同じようなことが人の美醜というもので、自分の顔にコンプレックスあるからってメイクがカマっぽくなったりするのってお手本を間違えているからでそのお手本のチョイスはなによりも自分がしたものだから、なりたいものにはなれないかもしれないが、可愛くはなれるんだから、その脳のストレッチみたいな自傷行為はやめてもいいんじゃないのかなーと思います。さきちゃん。