baritonesaxgirl who sitting next seat

「席替えをしたら隣が大本彩乃になった。」

 席替えをしたら隣が大本彩乃になった。2年になって初めて同じクラスになった。隣になって初めて知ったのだが大本は歌手になるための教室に通っているらしい。そしてたまに学校を休んだり早退したりする。休んだり早退している割には成績は悪くないようだし友達も多いしこの前は「カラオケ行ったー」とか話していたので遊びに出かけたりしているようだ。
 というのは全て大本の席に来る女子達の話からわかったことだ。女子はどうしてあんなに大きな声で話をするんだろう。特に秘密にしたいような好きな人のこととか。まあ僕なんか女子にとっては机と椅子と同じような物と同じようなものなんだろう。

 耳に入る会話でしかわからないけど、アイドルになるっていうのはそのうちミスヤンマガになったりするってことなのか?とマガジンを読みながら思った。大本は目がでかい。だからアイドル的に可愛いんだろう。で水着とかになるんだろうか。
 実は僕は大本は好みではない。ブスだと言うわけではないけど。どちらかというと僕は隣のクラスの田中さんのほうが可愛いし明るいし実際モテるしいいなと思うし、まあ好きだなあと思う。もちろんさらに隣のクラスの森と付き合っていることは知っているけど。
 周知の事実とまではいかないけど、一緒に帰るところをたまに見かけるていかにもな感じだし、ああいうクラスの日向にいる田中さんには僕みたいな暗くて面白くなくて気持ち悪い男子は眼中になく、きれいさっぱりなく、日向にいてさらにかっこいい森とかそういうやつらの中からいいなと思う人と付き合うっていうのは世界の常識なわけで。僕には関係ない話だ。

 正直なところ僕は大本が恐い。例えば小テストの答えあわせなんかを隣同士でするときなんかあのでかい目でこっちを見て、いると思う。なにせ大本のでかい目はどこを見ているのかさっぱりわからない。たぶんこっちを見ているんだろうなと思うけど目があった感じがしないんだ。そしてずっと黙ってる。僕がテストを渡すと何も言わずに自分のテストを出して、といっても自分の前にあるテスト用紙を机の上で滑らせて机の隅に寄せるだけ。とりあえずそのテスト用紙を受け取って僕は大本の机の上にテストを置く。大本はとっとと僕のテストを採点してまた同じように机の隅に。当然この紙切れは机から落ちることがあるけれど大本は拾う動作もしない。
 僕のことを完全に無視して後ろの女子とさっさと答案を交換したり、露骨に気持ち悪い顔をされたりすることはあったから、そういうときはああ気持ち悪がられてるなって思うだけでむかつくとかそういうことを感じることもなかったけど、大本のように嫌うわけでもなく無視するわけでもないその無表情は何を考えているかわからないから恐かった。
 さらに大本は授業が終わるとどこかへ行かない。隣に座っていてぼーっとしていて、友達がくれば楽しそうに話しているけれど、そうでないときはただぼーっとしている。10分の放課は僕と大本の根競べになってきて、3分ほどで用事もないのに僕が席を立って用もないのに加藤に声をかけたりする。そういうところが一般的な明るい女子と違うところでもある。そんな相違点はいらないんだけど。

 大本の席にはよく西脇さんと樫野さんが来る。この三人でグループを組んでいるらしい。西脇さんは可愛い。同じクラスになったことない僕のことを覚えたようだ。正直去年同じクラスだった樫野さんより親切にしてくれる。樫野さんは僕のことなど気にせず授業ギリギリまで僕の席に座って話していたりすることがある。で、僕も樫野さんは恐いから―この場合の恐いは、樫野さんがあきらかに僕のような男子を気持ち悪くて関わりたくないと思っているから―席が空くまで待っていたりすると西脇さんが「かっしー!席席!」と声をかけてくれる。本当にいい人だ。そして樫野さんは僕を見て舌打ちをするわけだが。
 この三人は仲がいいのか悪いのかわからないけど授業の合間合間にまあよくも怒ったり泣いたりできるもんだなと思う。いろいろ大変なのかどうかは聞こえてくる話ぐらいじゃあわかることはないけど、三人は頑張っているのだなあと思う。その頑張りは一部の女子には好かれていないことをやはり僕は聞こえてくる話で知っているけど、少なくとも大本にはそういうことは関係ないんだろうな。大本は不気味だと思うけど、でもまあ頑張れと思える。くじ引きで席が離れてしまえば僕のことなんか忘れるだろう。頑張れとだけ思っているよ、席が離れても。

 くじ引きは公正なはずだ。だがしかし僕はまた大本の隣になっている。まるで僕がストーカーしてるみたいになっている。
「あれ、あやのっち。また隣同じなの?」
「そうだっけ?」
 いや、別に空気みたいならそれでいいんだ。だったらなんでこっち向いてずっと見てるんだよ。何か見えてるのかよ。いっそのこと無視してくれたほうが気持ちがいい。口が半開きになっている。なにかあるのか?
「あれ、また隣大本なの?」
 加藤が借りていたジャンプを返しに来た。
「この前大本見たよ。古本屋でHUNTER×HUNTER売ってジョジョ大人買いしてた。」
「儲かってるんじゃねーの?」
「なんで?」
「アイドルになるらしいよ」
「はぁ?大本が?」
 僕も加藤も大本がアイドルになるために学校へ行っていると聞いても、あの大本がアイドルになるなんて信じられなかった。モーニング娘。みたいに汗だくで笑顔でライブとかそういうのが想像できない。まあキモイ男子に振りまく笑顔がないだけかもしれないけど。
「でもまぁ可愛いっちゃあ可愛いけどな」
 僕にはその大本の可愛さも理解できない。

 英語の時間は最悪だ。担任はアメリカに留学したことがあるとかなんとかで、会話が大事とかでよく教科書を隣同士で読み合わせる。僕は大本と読み合わせるんだ。当然大本は教科書を持って肩だけこちらに向けてじっと見ている。だからなにか言えよ。
「じゃあ、先に……大本さん。から……」
「What are you doing now?」
 日本語の日常会話がないっていうことはやっぱり大本は僕のこと気持ち悪い暗い男子だって思っているのだろうな。でも嫌われていてもこんな圧迫感感じたことないけどね。
 会話の練習だから当然役を変えてもう一度読まなきゃいけないんだけど、どうして大本はずっとこっちを見ているだけでなんにも話してこないんだ。
「次、僕から……」
 大本はうんとも言わない。

 僕の大本への苦手意識が最高潮に達していくのに比例して、大本は学校を休んだり早退するようになった。正直僕は助かっていた。それと同時に気持ちが読まれているんじゃないかという気味悪さも感じていた。実際はアイドル教室の用事らしいけど。というのも学校の荷物のほかになにか大きな鞄を持ってきているからだ。そういうときはああ早退だなと思う。英語の授業での読み合わせもテンション高い帰国子女先生とで、変な話だけれど先生から暗くてわかんないやつという気持ちが見え隠れすることに僕は安心した。暗くてじめじめしてキモイというのは僕のポジションで、僕らしさなのだ。自慢することではないけど。

「それ寄生獣でしょ。超面白いよね!」
 初めて大本から声をかけられた気がする。笑顔で。びっくりしすぎて声が出なかった。
「う、うん」
 大本は僕が持ってた寄生獣の8巻をひったくって読み始めた。「ここすごい感動するー」と言いながらそのページを開いたまま僕に返した。机を越えて、手渡しで。受け取ったときに大本の手の甲に僕の人差し指がすこしだけ触れた。大本の手に触ったと感じた瞬間に僕は投げ捨てそうになるくらいに、ひったくるように本をうけとってしまった。何度もこの机の距離でプリントをやりとりしてきたのに、机を越えたぐらいでこんなに動揺したのは初めてで、自分で驚いてしまった。話しかけられて、机の距離を越えてさらに大本に触れるだなんて、いろいろ進みすぎてどきどきした。
 本をそろえる振りとかして顔を伏せたけどちらりと大本のほうをみるとあのでかい目でこっちをじっと見ていた。三ヶ月くらい隣の席に座っていたけど今日初めて目があった気がする。でも大本が何を考えていたのか僕にはわからない。怒っているのか悲しんでいるのか、それともなんとも思っていないのか。
「私も全部揃えようかな」
 その後大本は誰かに呼ばれて席を立ってしまった。
 この寄生獣は加藤に貸すつもりで持ってきたのに、鞄にしまったまま家まで持って帰ってしまった。本棚にしまう前に一度読み返した。何度も読んでいるはずなのに今日はとても感動した。本棚に戻して僕はもう誰かに貸す気なんてなくなった。

 クラスの女子がこっそり色紙を書いたり花束を用意しているあっという間に大本はクラスにいなくなった。そのあっという間に僕と大本が会話をすることはなかった。英語の授業で教科書を持ったままでかい目でずっとこっちを黙って見ているだけだった。
 大本は東京に引っ越したらしい。引っ越すというか西脇さんと樫野さんと三人でアイドルとして活動するために上京したらしい。それも女子の会話から聞こえてきたことだ。








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 卒業式が終わった。この学校に来るのはもう公立の結果を報告するだけで僕は完全にこの学校に必要のない人間になった。女子の泣き声を聞きながら僕は場違いな空気を感じていたから、本当はすぐ帰りたいんだけど帰れずにいた。良い思い出、悪い思い出なんて分類できるほど強い思い出なんかないはずなのに教室から出れないでいた。寂しさとか切なさとかそういうんじゃない気持ち、この感動は一年前のあのときの光景が甦っているだけと。僕は大本のことが好きなんだとわかった。  





ポリリズム Perfume 5枚目のシングル「ポリリズム」09月12日発売
初回限定盤(CD+DVD)  TKCA-73250 ¥1,300(税込)
通常盤(CD)  TKCA-73255 ¥1,000(税込)






ネットの噂によると11月8日にリキッドで行われるライブはaira mitsukiだそうです。

「ヤサコ!もうチケット販売は終わったのよ、もうチケットは手に入らないのよ!」
「わからないわ、ネットのどこかにまだ余っているかもしれないわ。バグで隠れているだけかもしれないわよ、フミエちゃん」
「うんち!」
「僕も連れてってくれ、関係者枠で!」
「業者のみなさん、もう私にかまわないで。私は最前チケットを全部あつめてみせる。」
「もうもっさんをいじめるんならもうダイチとはイベントいかない!」
「うんち!」
「たかだかクイックジャパンにチケットを渡してなるものですか」
「ジョウ選手?」「知らないの?流し屋よ。あいつが出てきてから握手もやりにくくなったわ」
「追加公演は大人は都市伝説だってバカにするわ。もうお前とは話さない。」
「うんち!」





「Perfumeでは誰推しなんですか?」
「のっちです。DDだった私がのっち推しに変わったのはアルバムのイベントのときです。ご好意で1番の整理券を頂いたので最前列ど真ん中で見ていたんです。最前列など初めてなので、前回泣きそうになってしまった『エレクトロワールド』は興奮のほうが勝っていました。5曲披露したのですが、その間私はのっちと一度も目があわなかったのです。センターにきて、前のめりになったら1mほどしか離れていないんですよ。こんなにも近くで顔をあわせているというのにその目に自分が映ったと実感しません。例えば及川光博のコンサートへ行って2階席端っこなのに『ミッチーと目が合った!』と言っちゃうくらいに私の自意識は高いのはずなのに、その自意識もよせつけないのっちのATフィールドに興味を惹かれたのです。たぶん角度的な観点から私とのっちは何度も目が合っっていると思います。しかしのっちは私を見ていないんです。見ていると思わせてくれないのです。アイドルとかそういうのじゃなくて、こんな人初めて!それがのっち推しのきっかけであり私の中でののっちの全てなんです。ところがファンサービス[SWEET]のイベントで三時間ほど並んで最前真ん中でのっちのコンピューターシティーを見たら、エロいんですよ。すんごくエロいんです。服はちゃんと着ているんですよ。そもそも私は女性で、同性愛の気もありませんし。ただただひたすらにエロすぎて、目が合うようになってきたのっちの目を今度は私が見れませんでした。そもそも女性の思うエロってなんでしょうか。コウダクミのようにエロかっこいいですか。それともヘアが見えそうで見えないグラビアですか。具体的なセックスシーンですか。それらは全て情報に由来するエロなのです。普段の服をとても小さくしている、というエロ。ヘアの先に見えるものを喚起させる、エロ。セックスによる快感に由来する、エロ。しかし本当にエロいっていうのはエロという言葉でしか説明できないんです。見た瞬間にエロいねとしか言えないんです。さしずめ別の言葉を当てはめるとしたら……よいセックスしてるからね。」
「よいセックスしてるからね」
「はい、よいセックスしてるからね。そもそもよいセックスってなんでしょうね。セックスという具体的な行為をいっているはずが良いという形容詞がついただけでとたんに漠然としたものになる。根拠は当然、その具体的なものをなにも説明できないまま良いセックスしてるからねとしかいえない。そういうことなんです。そのエロさに私は何も言うことが出来ないほど頭の中がエロいでいっぱいになってしまいました。ブラウン管とか少し距離を置いていればいいんですけどね。これからPerfumeは人気になって大きな会場でライブをするようになるでしょう。なのでエロいということで頭がいっぱいにならない、冷静な目でPerfumeを見ることができるのでそういう意味では安心です。あの衝動はまるでエロいです。」

「ところでエヴァでは誰が好きなんですか」
「綾波です。私にとって綾波は『私には他になにもないもの』が全てなんです。生きていく上でいろいろなものを得ていっても、簡単に綾波は何もないものにリセットされてしまうのです。綾波は碇ユイでもあるかもしれないしリリスの魂かもしれない存在ですけど、あるかもしれないということはないかもしれないということなんです。で、私はそんな綾波になりたかったんです。コスプレ?それはもうね、私の綾波になりたいということを理解していないから出る言葉ですよ。プレイだなんて遊びだなんて思わないで下さい。私は本気なんです。綾波の『私には他になにもないもの』がほしいんです。ないものになりたいんです。ないということが欲しいという矛盾した状態が私の綾波が好きだという気持ちなんです。そこで家出とか独立とか自殺とか入院とかなにか具体的な方法を提示しようする人がいますし私も考えたことがありますが、そうやって考えていること自体がない状態になりたいんです。ないものが欲しいと思う気持ちもなくしたい。つきつめると私という自我すらもなくしたいということが欲しい、そのほしいと思う気持ちもなくした。そういうことです。」
「まるで不倫を正当化する人の意見のようですね」
「届かないものが欲しいという点では同じですね。不倫ものっちも綾波も。でもこの言い訳をする不倫の方は略奪して飽きたときじゃないですか。」
「そういわれると、そうですね。」
「手に入れておいて『相手にされないから好きだったのに』って言われても説得力ないですよ。自分の手に入ってしまったら無関心であるか独りよがりの絶望です。いや、相手が自分を意識した時点で興味がなくなりますよ。完全な断絶、それがのっちと綾波への愛の前提条件です。屈折しすぎていますかね?たぶん私はこの愛に対して裏切られるのが恐いんです。キリストを信仰しているものが地動説に目を伏せるような、二次元の女性のみを愛するような。もちろん相手への失望ということもありますが、自分の失望もあるんですよ。自分が絶対だと思ったものがそうではないという失望、自分の見極めの愚かさを認めなければいけないという苦痛。相手を愛しながらその状態を歓迎しているんです。自分が悪いものではないかもしれないと思いたいために。」
「じゃあ例えばヱヴァンゲリヲン新劇場版で綾波レイが自分の存在をシンジやゲンドウやエヴァや人類補完計画でないもので確立してしまったら……」
「どうなっちゃうんでしょう。10年この調子でしたから、想像できません。でもきっとそれはもう綾波ではないということで結論付けると思います。自分の中で。」
「例えばのっちが今後あなたの顔と名前を覚えてしまったら?」
「それもわかりません。こんなののっちじゃないと憤慨して自分に絶望でもしちゃうんでしょうか?ただのっちにはエロさがありますから。いろいろなことを言ってきましたが結局私は『壊れそうなものばかり集めてしまう』んです。でもこの場合、一番壊れそうなものは私自身なんですよ。こんな素晴らしいものがあるという自分の世界が素晴らしいわけで。これを幸せだと呼ぶなら私は本当に幸せ者であると思います。」
(頭のおかしいのっちファン20万字インタビュー抜粋)





(病院から)帰ってきた頭のおかしいのっちファン20万字インタビュー抜粋

「綿矢りささんを前にして『夢を与える』のセックスシーン部分を朗読するという夢が叶うといいですね。」
「綿矢りさの横乳を前にして、です。綿矢りさの横乳は人間に与えられた原罪と同じ意味だと思っています。でもこれって最近の飼いならされたエロでしかないんですよね。あ、またエロの話ですみません。」
「いえいえ」
「最近ってとりあえずパイオツだしときゃエロいって感じがしませんか?巨乳貧乳、とにかく乳描いときゃエロいし、乳首つけたら売れるでしょ?というお役所仕事みたいな。規制が強まっている側面もありますが、昔はもっといろいろなエロさがあってそこに優劣はなかったと思うんです。今は胸以外は市民権を得ていないというか、残りがすべてフェチズム……。エロのデータベース化はアニメなんか特に顕著ですよ。」
「そうですね。」
「そこで『電脳コイル』なんですよ。私、『電脳コイル』って最初はなんてエロいアニメなんだろうって思ってみていたんです。そのエロいっていうのも最近廃れてしまった尻とか熟女とか。細分化する萌えに真っ向から対抗する感じがしたんです。」
「電脳ペット、オヤジは衝撃的ですよね」
「全裸ですから。しかも肌色で。そしてヤサコを見て少し頬を赤らめたりするもんだからなんか、ねぇ……(笑)今では子供にやるのはもったいないくらいの素晴らしく良質なアニメだと思っていますよ。……そう考えると最近のエロって面白くないなって。私は女性ですのでぶっちゃけてしまうと盛り上がろうが盛り上がるまいがどっちでもいいんですが、こうした可能性を目の当たりにすると頑張ってくれと言いたくもなりますよ。」
「提供する側に、ということですか」
「そうです。可能性、といえば『Perfumeの掟』ご覧になりました?」
「いえ、見ていません。」
「すごかったんですよ。かしゆかが、あ、私はのっち推しなんですけどちゃんとかしゆかやあ〜ちゃんのことも見ていますよ。で、かしゆかが黒のふんわりとしたワンピであ〜ちゃんはエレクトロワールドみたいなシルエットの同じく黒のワンピですんごいかわいかったですよ。そしてのっちが黒のキャミソールに黒いパンツだったんですよ。胸元には羽もついてて。それでダンスを、ダンスだけを踊るんですがこれがエロい。すごくエロい。すごくかわいいのとエロい。エロい上に低音がずんどこいってるテクノ?に合わせて踊る踊る!これはもうすごかったですよ。普段のテクノポップでは味わえないPerfumeでした。」
「あの、ところでPerfumeの音楽についてはどう思われているんですか?」
「……あー……はぁ。」
「エロい話を続けてください。」
「チケットがクソ番だったので後ろのほうからだったのですが、後ろでよかったです。前にいたら大変だったと思います。奇声を発して不気味な動きと共に、ただの○○○○になっていたと思いますから。それぐらいエロかったんです。人格を破壊することができるくらいエロかったんです。1週間くらい後で冷静になって考えるとSPEEDになりたかったのっちはこういうかっこいいのが出来てよかったねって思えるんですが、かっこいいなんて言葉で表現するのがもったいないくらいエロい。またしても着衣、完璧な着衣でエロいんです。エロいのっちがマネキンと同じポーズをとるんです。エロい、がしかし無機質。なんて完璧すぎるんだ。エロの本質であり幻想の塊のような姿です。たぶん仏像の根源ってこれだと思うんですよ。仏師がこんな完璧な計算のエロさにやられて、無我夢中で彫ったのが広隆寺の弥勒菩薩像だと。本当にエロくてエロくてですね。もうやべーよって。早くなにかしらの手段で残しておいた方がいいですよ。あー!だめだめ!そんなことしたら頭が沸騰どころか蒸発しちゃいそう。思い出すだけでも幻聴が聞こえそうだから。」
「はぁ」
「今、私が気にしているのがのっちがいつからエロいのかということです。『スウィートドーナッツ』の白エプロンの姿は見ようによってはエロいのですが、あれは痛々しいが先行してしまって上手く考えられないです。でもこの謎を解明したとき、つまりそれはよいセックスしだしたころってことですよね。」
「そうなりますね」
「ああ、なんて恐ろしい!ここが非常に複雑です。のっちにはよいセックスしてほしいんですが、それがいつからっていうことは知りたくないんですよ。誰と、よりもこれは重要な問題ですよ。だって、中学2年生でよいセックスなんてそんな早すぎますよ!ありふれたスピードってレベルじゃねえよ!中3?でもそんな東京に汚されたみたいなのはよいセックスとはいえないし……。高1?いやいやー、ありきたりすぎるっていうかでも逆にそういうのもアリかもしれないけどでもやっぱりよいセックス……。ダメ、絶対ダメ!学年で考えると本当にダメすぎる!学年とよいセックスの調和点が見つからない!よいセックスにならない!!学年にならない!!よいセックスじゃなくて悪いセックスだったのっちなんて!!あああ!世界が震えて砕けるー!!」
「お、落ち着いてください。地面はここにありますし、のっちはよいセックスしてますよ!」
「ほんとですか?ですよね、ですよね、そうですよね。ちょっと結論が性急すぎましたよね。エロくなったからといってよいセックスしだしたとは限りませんよね。……ちょっと、取り乱してしまって申し訳ありません。」
「いえいえ、大丈夫です」
「長く話していると興奮しちゃいますね。」
「そうですね。お水飲んでください」
「……私、女の子ですし、別にPerfumeの3人に綿矢りさに処女性は求めていないんですよ。あ、綾波とマイマイ(荻原舞)には求めますけど。普通に一般的に彼氏がいたりいなかったりしていろいろ経験したりしなかったりして、別に病気にさえ気をつけてくれていれば問題ないんですよ。」
「あの、ちょっと話は戻りますがどうして綾波とマイマイに処女性を求めるんですか?」
「綾波はどんなにセックスしてもしつくせないという処女性、マイマイはあの姿かたちの処女のまま25歳くらいまでアイドルしていたら面白くない?っていう好奇心です。ありえないことぐらいわかっていますよ。一応(笑)」
「特別なシチュエーション以外では処女性はどうでもいい、一般的な女子と同じでいいということですか」
「そうですね。不幸でさえなければそれでいい。そういうことです。ただアイドルにはやはり幻想を求めちゃうところはありますよね。その気持ちはわかるんです。でもこれは過剰な期待以外の何物でもありません。Perfumeには流行のJ-POPじゃなくてSUPERCARとか聴いて欲しい。みたいな。」
「幻想っていうのは、例えば?」
「のっちは『悪そうな人』が好みのタイプらしくて。だからのっちの彼氏がヨーロッパマフィアの次期ボスとか、極悪な最高裁判官であってほしいなって。」
「それは『悪そう』じゃなくて悪人だと思うんですけど。」
「法律上黒と決まったわけではないので『悪そう』っていうことです。そのへんの田舎のヤンキーみたいなのとのっちが付き合っていたら許せないです。だってよいセックスできてないでしょ?」
「そうかも……しれませんね。」
「そうに決まっています。」
「あの、でももし仮に今現在のっちさんがそういった方とお付き合いしていたとしたら……あまり否定するのも……。」
「それでのっちが怒って、私に無視を決め込む。だなんて気持ちが良すぎます。」
「それでいいんですか?」
「あ〜ちゃんの怒りやかしゆかの蔑みのような愛は沢山受け取りたいですよ。あの勘違いする人もいるかと思うので言っておきますが、私はPerfumeが好きで、その中でのっちという子が好きなんです。だからあ〜ちゃんやかしゆかからYou爆弾貰いたいですもん。でものっちは、のっちからは全くもらえないことがいいんです。上っ面だけのお礼とか、客特に私をおいてけぼりにしたトークとかそういうことが愛なんです。いや愛なんていうのもおこがましい。完全に相手にされずに無視されてのっちがのっちの友達たちと楽しそうにしているのを見ることも許されないのが気持ちいいんです。」
「虚しくないんですか?」
「その虚しさがのっちから与えられているかと思うとありがたすぎて涙がでます。」