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baritonesax
あっぱれ、あっぱれ、ついに眼鏡を買いました。前々から欲しい欲しいと思って思っていたんです。四代目か五代目くらいのこいつはいったい何年もつのでしょうかねぇ。私、小さいころ眼鏡っていうのは一生物だと思ってたのですが最近じゃ5000円で買えちゃうくらいだからもう10個くらい持っててTPOに合わせてかけかえるくらいの風潮ですね。そう思うととっても腐った自由貿易先進国民。
で、この眼鏡をどこで買ったかというと株式会社良品計画で購入しました。この良品計画、最初はコンビニの一スペースだった(はず)のにいつのまにかレストランまで経営するにいたっているのです。そのうち車とか家とか売り出すって。ここにいると裕福な共産圏にいるような錯覚です。裕福な共産圏なんてマルクスも誰もこんな具体的な形で思いつけないでしょうけど、でもここはなんだか「裕福な共産圏」としか言いようがないのです。本当に狂ったようにレトルトパウチのスープを買って帰りました。当分はスープストック東京にお世話にならずに生活できます。
ソニンのライブ映像が地上波でも流れるなんて夢みたいなことあるわけないじゃん。みんながみんなしてなんで同じ夢を見ているんだ?
「今年のボジョレー・ヌーボーはとてもおいしいんだよ」と言って父が買ってきた。
誰もワインの美味しさなんてわかる人間がいないのにテレビに刺激されて父が買いに走るなんて思っても見なかった。しかも解禁されて発売されてから3日ほど経ってから。テレビに踊らされることが悪いとも、発売当日に買うほど熱意は無かったという熱意がないのに買ってきたのかとうんざりしているわけでもない。ただ、まさかこの家の人間がワインを買ってくるなんて思っていなかったから、今日の夕食は普通のご飯と味噌汁に魚と野菜の、一般的な外国産化学調理の純日本食。
父と母と私と妹で今日のご飯に感謝をしておいしくありがたく召し上がり、食器棚の隅にあるワイングラスを四つ出して軽く拭いてからそこに2003年のボジョレー・ヌーボーが日本酒のようにとくとくと音を立てて注がれていった。
「なんかもっと毒々しい赤色かと思ったけど、そうでもないのねぇ」
「…なんか味がすかすかじゃない?」
「これライトボディって書いてあるよ」
「へぇ」
「ねぇ色薄くない?」
どこにでもいる仲の悪い女系の家族が全員そろって悪口を言うときが一番良好な状態というのは20世紀が終わってもまだ続いている。
私にはいつも考えていることがあった。きれいになる液体に浸ること。
その液体の色はショッキングピンクでお風呂いっぱいに入っていて、私がお風呂に入るように右足を入れるとぴちぴちぴちぷちぷち音を立てて激痛が走る。そこで痛くてあしを上げてしまうと液体に浸された足はぼろぼろ崩れてなくなってしまう。私は我慢して右足、左足、両手でお風呂の縁をつかんでゆっくりと体を沈ませる。痛みと水抵抗に耐えてそのまま頭のてっぺんまで潜ってしまう。とても全身が痛いけど我慢する。この痛さは体が崩される痛さ、体が組織以上に分解される痛さ。切りつけられるものじゃない、もっと細かくばらばらにされる痛さ。そしてこの液体は私をもう一度再生してくれる。最初に液体に浸った足先から生成されなおされる。遺伝子から自分の体を再構築するから私の奥二重はそのままだし、ガン遺伝子もそのまま残る。ただ年月とともに痛んでいく髪や肌やもっと内側の器官も根本から作り変えてくれる。生まれたての赤ちゃんのようにまっさらになる。そして意識が実態を伴って私ができあがると液体の中で目を覚ます。
そして液体から出ると外の空気が少しだけぴりぴりと肌を刺す。それはシャワーの水も同じ。外気というものは毒に満ちていると考えながらショッキングピンクの液体を流しきる。お風呂には半分以上減った液体に水垢のような泥のような石油のような不純物が浮いている。これが今まで私にあった汚い原因。私は目が大きくなったとか顔が小さくなったとか胸が大きくなったという変化は無い。無駄な脂肪は無くなったけどね。そうしてきれいになった私は次の日学校に行って存在することで自慢する。自分は世界で一番きれいなままの人間だって。
美の信者でもないのにこの夢想が頭を離れないのは20世紀が終わってもまだ続いている。
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あーこの前のフジコ=ヘミングといい今回の溥傑といい、こうも心を1ミクロンも動かされないのはなんでかなぁ。いやこんなのに感動するなんて気がしれないかもしれないけど、でも私には「さとうきび畑」の前例があるから感動しそうな気がするんだけどなあ。んー。そしてこの溥傑の話、こんなにチャイナにスリットが入っているのはバカかとアホかと思います。これは四時間ちかくかけて常盤貴子の太ももを見せるための番組ですか?それはそれでどうかしてるとも思います。
エヴァンゲリオン2のCMを見た。
たかがアニメだってわかってる。そこらへんにあるゴミと変わりないことはわかってる。でも心が動かされるのはもう彼が客観的には見ることができない私の一部だから。永遠に姿をとどめて変わることのない初恋の君がエヴァ。すべてを去勢されてもこの偏愛は死ぬまで消えないと思う。つまり、異常である。
饒舌な子供を黙らせるために無口な大人の口を開かせるのが好き
私がミッチーとしたかったことは結婚でもセックスでもましてやデートでもなかった。オープンカーでドライブして、はもって歌って、一緒にダンスを踊ることが望みだったんだ。だからマンハッタンラブストーリーは赤羽さんはキョンキョンは私がミッチーとしたいことをすべてしている羨ましい限りの女の人だ!いいなー、私もミッチーと踊りたい、ダンスで求愛してほしい!
私はあなたが思っている以上にロマンチストだ。あなたが私のロマンチックな部分に対してどれくらいの評価をしているかまったくわからないけれどもそれはきっとあなたが思っている以上だという確信がある。
そして私がロマンチストであるということがこの人生最大のミステリーの理由である。私は……、なぜならばロマンチストだからだ。という英文見本のようにね。
私が幼いころ与えられていた本は世界の中世のころのお話が書かれたものが多かった。そして現代のテレビを見て男の子を主な友達として遊んでいた。男の子の中にいる紅二点の私とゆきこは邪魔者であり女形以上の役割はない。そんな中で私のロマンチックは育っていった。ちょうどファミコンが爆発的なヒットを遂げてみんながみんなピーチ姫を救い出していた。私は救い出せない、なぜならば私はマリオの勇敢な行動にうっとりして、ルイージの補足的な役割に哀悼の意を感じていた。
そして私が女の子の友達を作っても特定の子以外と遊ばないのは、女の子の現実に絶えれなかったからである。変身できるリボンや悪魔の国を期待していたのではない。ただ男子のリコーダー進行表が女子に比べて少ないことに優越感を使ったりすることがいやだったのだ。
男性の現実を理解したし女性の現実に妥協したし、私はロマンチックだったけれどもうっとりするような素敵な出来事なんて私に降ってくるはずないと思っていた。そしてそうしたうっとりするような出来事がなければ私は一人でご飯も食べれなくなるようになるまでずっと一人でいるということもわかっていた。ロマンティックには妥協しなかったんです。
二十歳になった当面の目標は、もう少し幅の広い服を購入することです。いつも同じような服靴アクセサリーだったらいざってときに、困るんです!
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