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「ビューティフルドリーマー」 主人に隠れて私と同い年の女性と逢瀬を重ねるという二重生活を始めて長い月日が経っていた。逢瀬を可能にしていたのは二つの携帯と二本の電話回線だった。私は主人の前と彼女の前とで名前を変えていた。完全に違う人生を送ることで互いに隠し通すことに成功していたのである。がそれも昔、私は窮地に立たされている。電話回線を主人によって勝手に一本に、しかも私の回線に代わっていたのだ。この数日間、彼女からの電話はどちらからもない。もし、彼女から電話が来たら私はなんと言おうか。バイセクシャルであるという彼女がもっとも嫌いな単語で私がフォローされるはずもない。それも問題だが主人が彼女からの電話を取ってしまったらどうしようか。こんな展開にするつもりなんてなかった。今まではうまくいっていたのに。こんなレディコミみたいな陳腐な展開になったことに私は歯軋りした。 でも、私はバイセクシャルでもましてやレズビアンでもないし、結婚してないし、家の電話回線はいつも一本だけだったし、携帯もひとつだけだし、いったいなんなんだと考え出すとただの夢。目が覚めて感じの悪い汗をかく。こんなレディコミ脳なんて見られたら恥ずかしくって死んじゃう。とうもろこしのヒゲで首を吊って死んじゃう。目が覚めると真っ暗でいよいよ映画の本編が始まろうとしていた。「EVANGELION DEATH AND REBIRTH」あやうく本編まで寝そうになるところだった。ああ、やっぱり綾波はいいなぁ。綾波が微笑するところが書き直されてる。ううう、すごーい。私も綾波になりたい。(といったところで絶対に無理。私は肉だってすっごく好きだし、色が白いどころか黒い。髪の毛も黒かったらまだしも陽の光で痛んでぼろぼろ。もちろんアルビノなんかであるわけがない。一年間部屋に閉じこもって色を白くして、髪の毛も青く染めてもきっとそんなの綾波じゃない。髪の毛を白く染めてからメッシュという形でならまだ似てくるかもしれない。でもそんなことをしていたら14歳でなくなってしまうし、なにより私は胸が小さい!)綾波になったらすごくいいと思う。こんな中途半端な退廃感情でなくてもっと希薄な、そう「私にはなにもないもの」がほしい。そうだったら無駄な勉強もしないし、部活だってこんなテニス部なんて入らなかった。暑くてどうしようもないだけの部活。 みーん、みんみんみんみんー。蝉の声がほら煩わしい。隣の松林にいる蝉がいっせいに鳴くんだよ。ってここはコートじゃない。映画館で、私はDEATH編を見終わっていよいよ新作のREBIRTH編を見ようとするところなのに、始まったのはTHE END OF EVANGELION。そうだよ、私はチルドレン世代の14歳ではなくてれっきとした20歳を迎えようとしている19歳なんだから。ああまた夢か、ではなくまだ夢か。せっかくだから完結編をこのまま観てしまおう。大画面でエヴァを見る機会なんてきっともうないだろうから。大画面で食い殺されるアスカのシーンは二回目では恐くて見れなかったなぁ。二回目なのに。でもなんだか色あせた感じがする。エヴァは永久に色あせることなく名作として残ると思ったのに、私の心が変わってしまったのかな。否、そうではないと私は言いたい。文字と違ってアニメマンガは情報量を積み込める分、その情報が行きかう頻度も他で使われるまた高し。エヴァパクリ、ポストエヴァから巡り巡ってエヴァそのものがエヴァのパクリでありポストエヴァになったような錯覚。そしてこれは映画もまたしかり。後世に残る分だけの価値という点で言えばこうした絵画的デバイスには分が悪いということになってしまうね。だから文学なんですか?先生! 「違います」 しょぼん。でもわかってたことなんだ。先生には、私の考えていることなんて常識としてすでに存在していてそれからさらに考えるということをされるんだから。だから私がいくら考えてもひらめいても、知らなかったの?と驚かれてしまうだけなんだよね。 「じゃあ、どうして映画はだめなんですか?」 「自分で考えてください」 考えないこともだめなことも知ってます。あーあ、先生の目に適うくらいになりたいなぁ。っていうのは贅沢だね。せめて今この映画館の喫煙スペースで沈黙しない分だけの会話ができるくらいになりたい。 「いつ出発するの?」 「9月19日です。」 あれ、また時間軸がずれてきてるよ。まだ夢なの?そうだよね、エヴァ見てたのにミニシアターの休憩所にいるんだもん。おかしいよね、これはまだ夢だよね。今の私でもやっぱり気の利いた話なんてできないから夢でも先生ごめんなさい。もっと勉強して先生と楽しく対等にお話できるようになりますね。 「だったらこれ見るといいよ。」 はい、この先の展開は知っています。先生がくださった「弥次喜多」は見にいけませんでした。ありがとうございます。行きます。といって、チラシを受け取ったけど実際行かないなんてこと先生だとすごく悪いことのようなします。受け取ってみるとただの白紙。 白紙だったのではなく夢から覚めたと思った。長い長い夢だったこと。すごくすごくリアルな体験だったなぁとソファから身を起こそうとすると、カタカタという軋んだ音がした。見てみると白い骨がカタカタなっていた。こんな気持ち悪い骨だったら軋んだ音がでるよなぁと思ったら、私だった。老いることも腐ることも通り越して骨になっていた。驚いた拍子に左足に負荷がかかって、中学一年生のときの骨折以来雨が降ると痛む膝は、音を立てて砕けた。重心を失った体はばらばらにベッドに落ちていった。たかが数十センチの距離のはずなのにとても高いところからの落下するショックに目を覚ますとすこし淀んだ青空と白いレースのカーテンがふんわりと膨らんでしぼんでいった。 しおり代わりに本の間に指を挟んだまま私は寝てしまっていた。初めて蝉の鳴き声を聞いた少しだけ夏らしい午後の、エアポケットのような涼しい時間のつかの間のうたた寝はきっと現実のはず。これがまた夢であっても構わない。 |
なんだかんだ叫んだって、ソニンはテレビに映っている並みには可愛い。と、思う。というのが私の「ソニンまにあ」の感想です。たぶん、世間的にも「ソニンってさ不細工!」ってわざわざ話題に切り出してくる人っていないと思う。というのはソニンオ知名度もあるけど、顔がそこまで不細工ではないというのもあるわけで…。なんとなく、島谷ひとみよりはすごいような気がするわけで…。|
復活劇としてのソニンという演目を一般の方にも白い目で見られないように説明をすると、まず、曲目の約半分と言っていいほどEE JUMP。アルバムが出ているんだからアルバムの曲だけでもライブはできなくもないような気がしないんですが、半分EE JUMP。EE JUMPの曲は「いーじゃん」とか「いーいー、じゃーんぷ」とかユニット名連呼型なのでそれもそのままに。なんといってもユウキラップがすべてカラオケで会場にがんがん響き渡ります。あーいぇ、あーいぇ!(自分が左スピーカー下にいたということもありますが)抹殺された芸能人がこうも蘇ってくるなんて田代まさしを考えるとありえない、まさにありえない。っていうかユウキをありえないこととして曲を流している気がしないでもない。 何もないステージで七色のセロファンからの光のみを受けて歌う、少ししゃべる、踊る歌う(ユウキラップ)歌う歌う踊る、少ししゃべるソニン。怒涛という言葉はこういうときに使うべきだと感じました。私、今後一切怒涛という言葉は使いたくないほどに。自分は及川光博のライブしかいったことがないし、スタンディングはこの前のデトコペが初めての体験だったのでこういうものなのか、いや違うだろうと狂った頭で考えていました。 にしてもソニンのリバウンドなのか、もとからなのか、痩せているのか、なにがなんだかひっちゃかめっちゃかなそのおなかは、生で見るとちょっとやらしいです。太ももも同じく。ソニン汗が飛んできそうな位置にいる私は、髪が乱れたソニンがこっちに近づいてくるとテンションはマックスに。そして遠のくと沈静化。これはなんだ。世界情勢か!?自分がよく聴いていないアルバム曲でもノリノリなのでソニンくらいなら案外どうにかなるんだなぁと思いました。たぶん、モーニング娘。のシャボン玉のほうがよく聴いていると思います。「しゃぼんだまぁ〜」 前半のネガティブソロ楽曲から一転、後半はEE JUMPのヒップホップチューンで狂わせてくれたソニンですが、「ADA BOY & DA GIRL」のイントロが流れてくると狂った人間たちがさらに狂乱!未発表曲にも関わらず大盛り上がり。なんだか奇跡を見ているようでした。そして私のお気に入りの「青春のSUNRISE」のイントロが流れてくると臨死体験に近い光の洪水。ああ、ベアトリーチェよ!愛は光、光は全て!私は感じる、その光を。 今日のライブはBSで放送されるそうです。本日最終日には蛭子能収様(一階席)、京本政樹様(関係者席)、和田薫様(ホール)などなどたくさんのお客様にも恵まれたようです。よかったね、ソニン。 |

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とっても「普通の恋」 「あんなやつ呪われてしまえ」と彼女は私にお願いした。たしかいつもは、可愛くなりたいとか、愛されたいとか、お金がほしいとか、合格していてほしいとかだったのに。うたたねしながら聞いていたらびっくりしてお茶をこぼしてしまった。関東地方は突然夕立に見舞われて多くの人が「傘をもってこればよかった」とぼやいた。そんなウィスパーボイスの合唱の中で私は彼女を見ると一人寂しそうにテレビを見ていた。 彼女はいつも不安げで、不安げだと思われることに不安を感じていて、全てのものが羨ましくて、ちょっと怠け者などこにでもいる女の子だ。私はいろんな人をみてきたけれど、彼女もとりたてて記憶に残るような子ではなかった。私だって人が思っているほど万能でもないし、世界史の教科書までの記憶力が精一杯だよ。ただ驚くことは多々あるけどね。だからこの仕事はやめられないんだと思う。私を驚かせるのは突拍子もない行動が私を動かしている原動力といっても過言でもないね。でも悲しい出来事はごめんだわ。私にだってやりたくないことはあるんだから。 彼女は悪夢を見る。そしてそれが原因で胃が痛くなるとも友達に漏らしていた。もちろん、私はさっきも言ったとおり万能でないので、私ではなく精神科の薬とカウンセリングを頼っていただきたい。しかし彼女は病院には行かず、しゅくしゅくと泣き声をたてる胃を押さえて学校へ通っていた。彼女の原動力は他のいろんなすべての女の子たちと同じように「寂しさ」他ならない。これもとりたてて驚くべきことでもない。 人の悪意もさほど気にしなくなった。私に対しても、私に全く関係のない悪意に対しても。これは慣れといってしまってもいいかもしれない。恐怖も同じく。私はそれを受け止める存在ではないんだ。そういうことはすべて数多ある精神外来におまかせしているのだ。けれどこの「呪われてしまえ」という使役かつ呪いという効力が未知数なものに真剣になるなんて、なんて自分勝手で切迫してるのだろう。あまりに突然で馬鹿馬鹿しい真摯に私はひとつアクビをして応えた。 そう、君はどこにでもいる、他に代えも利くなんでもない普通の女の子なんだ。だから彼女らしい、驚くに値しない普通の恋をプレゼントするよ。普通に恋をして手を繋いで、普通に抱き合ってケンカして泣いたり甘えたりする、何度も聞いたことあるつまらないお話のような普通の恋をね。 |
私はあの子が好き。とっても好き。一番好き。私よりも好き。世界でなによりも好き。だってとってもきれいなんだもん。
他の女の子がいっぱいいて、頭半分も見えていなくてもきっとあなただって、私わかる。だって全然全く違うんだもん。あなたと他の女の子が一緒のものだなんて思えない。私と同じだなんて思えない。あなたはきっと朝焼けの光を浴びた雫だとか、澄んだ水のそこにある透明な水晶とかでできているんだと思う。でもそんな言葉でもたりないの。うまく言えない。あなたのきれいさに合う言葉なんてない。でもね、私は女の子だし、あなたも女の子。どうして私たちは女の子なのかわからない。でも、あの子が男なんかになるなんて信じられないし、許せない。汚い汚い男になるなんてありえない。あなたはきれいなものの塊なの。他のなによりもきれいなものなの。 そんなあなたに彼氏が出来たってすずめみたいに周りの女の子が騒いだ。あなたは男の子なんかに触っちゃだめ。よごれちゃう。でも私はいいの、私は汚いの。だから男といたって平気だし、あなたにだって触らない。でも一番好きだよ。今こうしてあなたの彼氏としていたって、あなたのこと好きなのはまったく変わりないよ。 あなたは彼氏と別れたね。私知ってるよ。六限の最中にメールで知ったよ。あなたはいつものそのきれいな笑顔のまま私に挨拶してくれた。「ごきげんよう」って。きれい、とっても。私は今から病院にいってくるけど、これもあなたが好きだからなんだよ。 |